発達障害をもう1歩知るために
こんにちは。
小説家として活動している藪田建治です。
今日は昨日に引き続きVoicyで活躍されている精神科医kagshunさんの放送を取り上げて発達障害について書いていこうと思います。
是非kagshunさんの放送も聞いてフォローされて下さいね。
まず昨日はAS(自閉症)特性のことを中心に書いたので、軽くですがADH(多動性や衝動的注意力散漫)特性の強い人について書こうと思います。
1ADHの人の特徴
1 注意欠陥の人です。
買い物したけど財布をその場に忘れてしまう。進学受験に受験票を忘れてしまう。仕事に行ったはずなのに仕事のカバンを忘れるなど。
定型発達の人から見れば嘘でしょってことも多いのかなと思います。
ちなみに僕もこんなことがありました。
以前ホテルに泊まってチェックアウトを終えてから、さあ外に出たは良いものの、なんかカバンが軽い。
そこでカバンの中身を見たら、まさか歯ブラシや携帯用のシャンプーなどを全部まとめていた小さなカバンを丸ごと忘れているなんてこともありました。
こんなうっかりし過ぎているってことはよくあります。
他にもいろいろと放送内で特徴を仰っているので、是非放送を聞いてみて下さい。発達障害傾向にあるな思う方はもちろん、いわゆる定型発達の人もこんな個性があるんだと新たな発見になるんじゃないでしょうか。
ただこの発達障害のレベルによれば障害というぐらいですから、軽度の個性と呼べるものから、とてもそんな安易には言えないレベルの人までいます。
2 人間関係リセット症候群
1 過剰適応
発達障害の特性がある方は変わっているとよく言われることもあるのではないでしょうか。変わり者とか言われたりして。
それが学生の頃などは特に辛い。小さなコミュニティーだから、あまり主語を大きくしたくはないですけど、日本だと普通であることが良しとされる傾向が強い。
そこで変わっている、変わり者となるとそのコミュニティーから外されたり、居づらくなることがどうしても多い。
僕もそういう時期がありました。誰かと2人1組になる瞬間とかがあると思うのですけど、そういう時に1人ぼっちになったり、パートナーとなってくれた人に申し訳ないと思うことが多かった。
だから他の人は何も意識しても馴染めているのに、自分は馴染めているかな、浮いていないかなと思う瞬間も多かったですね。
そうして自分を偽って過剰なまでに意識して適応しようとする。
擬態化させてしまうんです。
だから普通にしているだけでもすごく疲れる。そこで他の人に遅れを取るようなことがあればさらに追い討ちをかけられる。
でもずっと過剰に意識しているってしんどいですよね。それで時々浮いてしまうことがある。その時に周囲からあの人って変わってるよねってやっぱりなっちゃう。
そうなったらこれまでの努力してきたことが折れてもう良いや全部リセットしてしまおう。0からやり直そうとリセットが発動される。
2 白黒思考
発達障害の特性がある人は白黒思考、ゼロサム思考になることが多いのではないでしょうか。特にASDの自閉症の特性のある人は。
身近にいる人が自分が発言した時にちょっと表情が暗かった、なんか嫌な顔をされた、なんでだ。自分がどこが悪かったんだろうと自分の頭の中でずっと考え続けます。そして病んでいく。
いわゆる反芻思考ですよね。
あの人は自分のことを嫌ってるんだ。あの人とは関係性を深めることは出来ないんだと落ち込みます。
人にちょっと指摘されたり怒られると、それが全力で言われてるかのようにグサッと刺さります。だから防御体制に入ります。
それは自分のことを思って言ってくれたことでも。
動揺してパニックに陥ってしまう。そしてこんな自分って何なんだろう。もう生きている意味なんてないと落ち込みます。そしてもうリセットしたい。もうこの場所からは遠ざかりたいと思う。
これは昔の自分です。
でも本当はそんなことないんですよね。変わっていたって良いし、その方が個性があって面白い。だって人間誰しも個性ってあるんだから。皆一緒だったらそれこそつまらない。
白黒思考にしてもそんな極端にならなくても、そんなことで人間関係大きく影響することはない。それに仮にその人に嫌われたりしても、それは大きな人生から考えればなんてことはないことなんです。
小さなことで人を判断するような人ならそれまでの人なんですから。
でも残念ながら昔の自分はそれが理解出来なかったのですね。それも自分が生きてきた道です。
3 ○○べき思考
発達特性のある人はさっき書いたように白黒思考が強いのもあり、べき思考が強い。友達だったらこうするべき、恋人だったらこうするべき。
これは人にも言えることですけど、あとは仕事なんだからこうするべきとかも強いと思います。
その期待値が高いんですね。だから相手が仮に友達にだった時に、その期待に応えてくれないとその差分に苦しみます。
そしてこの人とは合わないと思ったり、自分の価値観を相手に押し付けてしっまう。
でもそれは単に自分だけの希望であり、思い込みにも近いと思います。なぜなら考え方なんて人それぞれなんだから。
ただこれによって怒りが出る。癇癪を起こしたり、相手にぶつけてしまったり、リセットしたり。でもこれは自分の相手への期待を当てはめていただけなんですよね。
だから僕も含めて、相手には相手の事情や価値観があると強く意識していく必要がありますね。
4 正しさより思いやり
AS特性のある人は相手を傷つけることよりも正しさを優先していまうことがあります。
例えば相手が鬼滅の刃を鬼滅の刀とたまたま言ったとします。でもそれは誰がどう考えても鬼滅の刃のことだなと分かりますね。
それを例えば大勢の前で鬼滅の刃ですよね刀じゃないですよと言っちゃう。
これはAS特性のある本人は正してあげたと思うかもしれないけど、指摘された人は恥ずかしいわけです。大勢の前で恥を欠かされたと思うわけです。
コミュニケーションに置いては正しさよりも思いやりを大事にして、ちょっとその人が間違えていたとしても、その後の会話の中で自分が理解してあげていればそれで良いわけですから。
それでも自分の習慣から言ってしまうという人は、あらかじめ自分はこういう人間だから、本音同士で話しましょうと前もって言っておくことをおすすめします。
そうすると相手もこの人はこういう性格の人なんだと受け入れることが出来る。心の準備も出来ますから。
あとは自分が傷つけてしまった時は素直に謝ったり改善する姿勢を持つこと。誰も関係性の上で傷つきたくはない、それでついつい自分がやってしまったことは素直に謝って、お互いその後を気持ちよく仲良くできるならそれに越した事はない。
それはもちろん相手も同様。
それから自分が人と仲良く出来ないダメな人間って卑下することもない。ただの少数派なだけですから。定型発達の方がマジョリティーで、発達特性のある人がマイノリティーなだけ。優劣でも上下でもない。
相手を認めつつ、これも自分なんだと誇りを持つことも大切なことだと思っています。
4 ショートストーリー
あの人の表情が暗かった。仲が良かったはずの同期、でも今日彼との会話の時に僕の言った言葉で眉間に皺を寄せた。
何かまずいことがあったのか。
家に帰ってもあの時の表情が甦ってくる。
自分が言った言葉1つ1つを思い出しては、彼の表情と重ね合わせる。
仲が良いと思っていたのは僕だけなのかな。
でも僕には分からない。何が間違ってたんだ。何が悪かったんだ。
これから何十回何百回ってこんなことを繰り返さなくちゃいけないんだ。
僕にはもうそれがつらい。
もうあの仕事を辞めちまおうか、辞めて0にしたら良いんだ。
そうすれば楽になれるんだ。
でもそれで良いのか;それで本当に解決したって言えるのか。
これからも同じようなことが起こる。だってこれまで何十回って起きたのだからきっと未来でも起こる。
部屋の隅っこで天井を見つめる自分。
でもこれまでとは違う自分になりたい。自分を変えたい。
だったら今この課題に向き合わなきゃ。
1時間考えても結局原因は分からなかった。
もう直接聞くしかない。自分には分からないんだから。
それで自分が悪いと思ったら謝ろう。
僕はこれまで謝ることを避けて逃げることばかりを選んでいた。
「おはよう。あの、、、」
「おはよう。どうしたの?」
「いや、その、昨日もしかして僕の言葉で傷ついたかなと思って。もし傷つけたことがあったら申し訳なかった。」
「あー、確かに傷ついたよ。みんなの前で小さなミスを必要以上に指摘されたと思ったから。まるで僕が悪者かのように。」
「そうか、僕は傷つけたか。ごめん心からお詫びする。」
「うん、実はこれまでももう何度もそういうことがあった。でも僕はその一面だけで嫌いになりたくなかったから、許容しようとしてきたんだけど昨日は無理だった。」
「そうか、ずっと傷つけ続けてきたんだな。じゃあもう僕とはいない方が良いな。」
「いやそうじゃないだろ、確かにその時は腹も立つし、正直殴りたい時もあったけど、他に良い面だっていっぱいあるんだから。」
この同期の言葉が心を優しく包んでくれる。これまで何度となく傷つけてきた僕を許してくれるのか。悪気はなかったと言ってもそれは相手には関係のないこと。
そうまでして僕を許してくれるのか。
「でも何度も傷つけてきたんだろ?」
「でも僕も傷つけてきたことがあるだろ。人間知らない内に誰かを傷つけていることなんてあることだと思うんだ。」
「確かに。でも僕はそれが多すぎる。僕も自分の性格を改めたいけど、またいつか傷つけてしまうだろう。これは現実として。僕には人と付き合っていく資格がない。」
「じゃあこうしよう。俺達が指摘し合うのは2人になってから。そこではもう本音を言い合う。俺も遠慮をしないし、これでお互い様だ。」
「それで良いのか?」
「うん、その方が俺も楽な気がする。」
「分かった。それから悪いところがあったら言ってくれ。素直に謝るから。」
「そう思っただけでも大きな成長じゃない。なんて言ったらすごく上からだけど、人間自分の課題とは向き合いたくないものだから、その中でもちゃんと向き合ったことはすごいことだよ。」
「ありがとう。」
僕はこの同期と知り合えて本当に良かった。
「そうだ、今日ちょっと飲みに行こうか。そこでこれまでどんなことを言ってきたか散々にぶちまけてやる。」
「やめてくれ、考えただけで青ざめてくる。」
「冗談だよ。」
そう言いながら僕の肩を軽く叩く時の表情が優しかった。
ありがとう。
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