【『美しい』アニメ『美少年探偵団』を毎週レビュー12】
こんにちは(o・ω・o)西尾維新オタクです。
世の中には『美しい』が溢れていますよね。
どオタクであるカエルは、その『美しい』の様々な姿をアニメーションの中に知覚します。
例えば、
『美しく、熱い、"青春"』を描いたアニメーション『宇宙よりも遠い場所』
『美しくて残酷な"憧れ"』を描いた『メイドインアビス』
『美しい"永遠" の存在』の物語『宝石の国』
『美しい"静寂"と"清濁"』を校舎に閉じ込めた『リズと青い鳥』
『美しい"背景"と"叙述トリック"』で世界を魅了した『君の名は。』
『美しく"駆けた"伝説』その姿を現代に甦らせた『ウマ娘プリティーダービー』
『美しくて、儚くて、強い。"あいしてる"』を描き切った『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
そして、
『"美学"を言葉で語り尽くした』アニメーション『美少年探偵団』
今回は最終回のレビューとなります(o・ω・o)
これまでの11回のレビューのように本編と関係あるようで無いようであるようなレビューを書いていくつもりでいますが、せっかくの最終回のレビューですので、
『西尾維新オタク』であり、『変わり者の感性』を持ち合わせているカエルにしか書けないレビューにしたいと思います(o・ω・o)
■そこに在る『美』とは
とある動画を紹介します。
BJ Miller『人生を終えるとき本当に大切なこと』
ホスピス・終末医療、つまりは、『死を待つ者』が余生を過ごす場所で医師として働いているのが動画で話しているBJ Miller氏です。
彼は大学生の頃、感謝祭で友人たちと馬鹿騒ぎをして、停まっていた電車に登り、そして1万1000ボルトの電気を身体に浴び、左手と両足を失いました。
その後、医師となりホスピスで働き、多くの死を見届けています。
さて本編のお話。
美少年探偵団12話『D坂の美少年その3』では、主に3つのパートに構成分けされています。
11話で、沃野禁止郎が運転する車に跳ねられかけた(というかほぼ跳ねられた)主人公であり男装の中学生、瞳島眉美。
パート1では、危うく死にかけた瞳島眉美の為に生徒会選挙から身を引くことを美少年探偵団団長、双頭院学が提案し、団員たちもそれに同意。
瞳島眉美だけが「そんなの、私たちらしくない」と激高します。
パート2では、生徒会選挙当日。
他の候補者が最終演説をする最中、瞳島眉美を脅迫するように、沃野禁止郎が語りかけます。
瞳島眉美と沃野禁止郎の直接対決です。
そしてパート3。
本来であれば現生徒会長である美少年探偵団団員、咲口長広の演説が行われるハズが、初等部5年生の双頭院学が代わりに瞳島眉美の応援演説を一席打ちます。
美少年探偵団、これまでの12話の総仕上げのシーンです。
先に紹介した、BJ Miller氏の動画の話に戻りますが、ホスピスで死を待つ人々には、一様に同じ傾向が現れることが語られています。
フランクという男性はHIVで前立腺ガン患者でした。
彼が死の前に行ったのは『冒険』でした。
「コロラド川をいかだで下りたい」
コロラド川はアリゾナ州にある蹄鉄の形をした大河です。
ホスピスの医師たちはもちろんフランクを止めましたが、フランクは実行しました。
呼吸機能まで低下し、生きるための肉体能力が衰える難病『ALS』患者のジャネットは、その肉体が動くうちに、「喫煙を再開したい」
そう言いました。
肺が機能しているうちに、肺が満たされる感覚を味わいたい。
そう願ったのです。
ケイトの場合は飼い犬のオースティンが自分横たわるベッド足元にいるかどうかを教えてほしいと願いました。
治療で生きながらえることよりも、愛犬の濡れた鼻が自分の肌に触れることを求めました。
「限られた時間の中では、人の優先順位は変化する」
Miller氏はそう語ります。
カエルが美少年探偵団とBJ Miller氏の話から何を伝えたいかと言うと、
『本心からに欲する事は、美しい』
ということ。
カエルっぽく、少し言い方を変えると
『"好き"を追求することは、美しい』
「夢を見ることは美しい。だが、夢を諦めることも同様に美しい。瞳島眉美は、綺羅星のように輝き続けた」
12話の双頭院学の応援演説の一文。
幼い頃に見た、存在さえしない星を求め続けた瞳島眉美を表した文章。
10年前。当時4歳だった彼女が見つけた星を、彼女は10年間探し続けました。それは、「いつかあの星に触れたい。宇宙飛行士になって、いつかあの星へ」という願いから。
両親から「中学2年生までにその星が見つからなければ、夢は諦めなさい」そう言われても、最後の最後まで諦めなかった。
本作中、クズと呼ばれるほどの性格の彼女の価値観が、逆にどれだけ頑なで純粋な想いからくるものなのかを表現しています。
演説の中では、これまでの11話を振り返る形で瞳島眉美のことが語られます。
実のところカエルは、12話1クールしかない放送枠の中で、原作1冊を2話で消化していく脚本・構成を勿体ないと思いながら美少年探偵団を追って来ました。
西尾維新作品であれば、多少ワガママを言って原作1冊1冊を贅沢にアニメーションに落とし込んでも許される。ファンが許す。商業価値がそれを許す。
そう思っているからです。
しかし、この12話の為のこれまでの11話であり、その為にもっと拡げる事ができた各巻のエピソードをバッサリと削るという、必要な選択だった訳です。
最終回は本当に痺れました。
瞳島眉美の姿勢は愚かかもしれませんが、愚かでもなお美しい。
見事な脚本・構成・作画・演技・音楽、それらをやってのけたシャフト制作陣の仕事は本当に美しい。
面白い物語を創造する事に徹した西尾維新のプロフェッショナルな仕事ぶりもまた美しい。
そしてこれまでの11回の放送の中でほとんど活躍しなかった名探偵小五郎、双頭院学の最後の演説で全部をかっ攫っていく『美学』は、やはり美しい。
『"好き"を追求することは、美しい』
そう改めて、思った12話でした。
12話で、一気にこの1クールのアニメーションが昇華されたように思います。
恐らく、他の視聴者も同様に思ったのではないでしょうか。
また1つ、美しいアニメーションを堪能することができて、幸せでした。
そう言えば、このnoteはカエルの毎日note投稿、2回目の100日連続投稿なんです(1回目の毎日投稿は181日めで途切れた)。
記念すべき100日めを『自分の好き』である西尾維新に関するnoteで投稿出来たのは僥倖です。
これからも私を突き動かす『好き』を大切にしていきます(o・ω・o)
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