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21世紀後半に現出する世界:米中印三国志、そして日は再び昇る

2024年を迎えた日本・・・円安の影響もあるが、GDPはドイツに抜かれ世界4位に転落・・・そして間もなく、インドにも抜かれるだろう。少子化対策に光明はなく、高齢化社会がとどまることがない・・・

暗いニュースで溢れる日本だが、21世紀後半(2050年以降)、どのような世界が具現化しているかを予想すると、意外な未来が見えてくるので、希望をもってここにまとめてみる。

世界は米中印三国時代に突入する

世界GDP1位のアメリカ、世界GDP2位の中国、そして経済成長の著しいインドはGDP3位となり、場合によっては高齢化の進む中国を追い抜いている可能性すらある。

世界は、米中印の三大国の時代に突入する

それはいったいどんな世界だろうか?

アメリカはいったん脇に置き、中国とインドが超大国として君臨する世界など想像もつかないと思うかも知れない。

けれども、人類はこの時代を既に経験している。

古代より、インド・中国は、ある意味では世界の中心であった。

世界最古の交易路のひとつに、香の道(Incense trade route)というのがある。紀元前1000年ごろから、インドの香辛料は海路と陸路でエジプト王国へと運ばれていたのである。

そして、中国と中東・欧州の交易路としてのシルクロードは誰もがしるものだろう。

つまり、インド、中国はエジプト王国の時代やローマ帝国の時代から、世界の交易の中心であったのである。

インド・中国がユーラシアに大国として君臨する時代は、この時代への回帰である。

世界経済がインド・中国を中心に回る時代は、古代から産業革命前まで長きにわたって続いてきた、ある意味では「世界の常態」であった。

ここに、古代には存在しなかった新大陸のアメリカを加えた、「アメリカ・インド・中国を中心として交易がおこなわれる世界」、これこそが2050年以降に現れる世界だと、筆者は予想している。

EUがまとまっていれば、現代のローマ帝国としてそこに割って入ることもあるかも知れない。

ユーラシアの島国:イギリスと日本の役割

さて、インド・中国がユーラシアの超大国として君臨する時代において、ユーラシア大陸の辺境に位置する島国であるイギリス・日本の立場、役割は似ている。

イギリス・日本の活路は、海洋ネットワークの起点となることだ。

特に、インド・中国が属するユーラシア大陸と、アメリカが属する北米大陸を結ぶのは海洋ネットワークしかなく、ユーラシアの西の端と東の端に位置するイギリスと日本は、大陸国家勢力の影響力が海に及ぶ防波堤となるとともに、アメリカ大陸との交易路上の要衝ともなりうる。

この役割を保ちつづけることが、日英が世界に影響力を保ち続ける道であるし、実際にその布石は打たれている・・・そう、TPPである。

環太平洋地域における貿易ルールの規定と、海洋ネットワークの設立に、日英が現時点でイニシアティブを持っていることは、後々大きな意味を持ってくるはずだ。特に、日本がこれまで苦手としてきた「ルールを作る側」に回ったということは重要である

また、日本が提唱している「自由で開かれたインド太平洋」戦略は、2050年以降に具現化する世界においてさらに重要性を増すだろう。すなわち、古代の貿易の中心は主にインド洋から西のものだったが、今後はアメリカとインドの交易路がより活発化するために、インド洋より東が重要となるからだ。

これを理解している官僚や政治家がどれくらいいるか分からないけれど、少なくとも2050年以降に具現化する世界を見据えて、20年30年スパンで世界戦略をたてて欲しいと切に願う。

これらの世界戦略を主導した安倍晋三元首相は外交的に偉大な成果を残したと言えるが、これらを踏まえたうえで安部氏のさらに上を行く政治家の出現を、本当に待ち望んでいる。

就職氷河期世代の怨念が去ったあとに、再び日は昇る

別記事でも書いたが、現在の少子化対策は、すでに敗北をどれだけ少なくできるかという撤退戦に過ぎず、日本にとって苦しい時代はしばらく続く

この日本の苦しみは、ある意味では就職氷河期世代の怨念が日本を襲う現象といえる。しかし、その怨念が晴れる2050年代以降、人口ピラミッドは正常化し、社会保障費も激減した日本は再び成長軌道へ戻るおおきな反発力を得るだろう。

そう、日本の未来は決して暗くはない・・・長い目で見れば

米中印の君臨する時代、海洋国家として再び日は昇るだろう。

だから、人口減を恐れてむやみに移民を入れることには反対である。それよりも、「我々は何者であるのか?」という日本の核(コア)とアイデンティティを取り戻すことの方が、再び日本が羽ばたくときに大切になると思う。

その明るい見通しと長期戦略を持って、着々と今やるべきことを積み上げていって欲しい・・・ほとんど何の影響力もない当ブログであるが、微力ながらに明るい日本の未来の到来の一助となりたいと思って、徒然なるままにnote記事を書きとめている。


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