見出し画像

Daily Select News[6.25.2020]Vol.1

6月25日(木)のデイリー・セレクト・ニュース|国内記事版

▼海外記事版はこちら

◇政治:アメリカ

焦点:トランプ氏発言に広がる懸念、米中デカップリングの現実味
[ワシントン 6月23日,Reuters]
 トランプ大統領は先週,中国との「完全なデカップリング」に言及して対中強硬姿勢を示した(この発言は,USTRのライトハイザー代表の議会証言を全面的に否定したものだ).この強硬姿勢の背景には,大統領の選挙対策陣営が,対中強硬姿勢を再選戦略の柱の1つに据えているからである.一方,複数の政府高官が火消しのコメントに走るなど,波紋が広がっている.というのも,中国による米国製品輸入や米企業の対中投資は増加し続けており,市場は米中のデカップリングを懸念しているためである.経済的に見て,中国との「完全なデカップリング」は現実的ではないし,米国も深刻な傷を負うことになる.

警察を占拠したデモ隊の「自治区」に流れる不穏な空気
[6月24日,Newsweek日本版]
 ミネアポリスから始まった抗議デモは全米に拡大しているが,その中で注目されているもののひとつが,ワシントン州シアトルでの「自治区」である.デモ隊は警察署周辺を封鎖し,警察官の立ち入れない自治区の設立を宣言したのである.ただ,自治区周辺では二度にわたり銃撃事件が起こっており,シアトル市長は自治区の解体を宣言した.一方で,デモ参加者は自治区を警察から守る準備を進めており,両者での全面対決になりつつある.ただ,自治区で起きた発砲事件では,すでに死者1名と重傷者1名を出している.警官は「暴力的な群衆」の阻止により,犠牲者の元に駆けつけることができなかったという.

米大統領選予測、選挙人獲得数でもバイデン氏がリード
[6月24日,CNN]
 政界の分析で知られる「クック・ポリティカル・リポート」のエイミー・ウォルター氏と,「538」のネイト・シルバー氏の両氏が明らかにした選挙地図は,トランプ大統領の厳しい情勢を浮き彫りにしている.ウォルター氏によれば,選挙人ではバイデン氏の獲得が確実ないしバイデン氏寄りの選挙人が248人であるのに対し,トランプ大統領は204人だという.そして,バイデン氏が選挙人獲得で勝利するために必要な接戦の州あるいは地区は26%であるが,トランプ大統領は75%以上を獲得する必要がある.シルバー氏の分析では,バイデン氏が獲得する選挙人の数は368人であり,トランプ大統領が獲得する選挙人170人の2倍以上となっている.とはいえ,11月の大統領選までにはまだ時間があり,現時点の状況から変化する可能性も十分にある.
―――――

◇政治:アジア

アングル:中国との軍事衝突、妥協できないインド政府の事情
[北京/ニューデリー 6月23日,Reuters]
 今月15日,中国とインドの国境係争地にて起こった軍事衝突について,両国の態度は異なっている.中国政府が今回の出来事に対して控えめな姿勢に徹している一方,インド政府は何十年ぶりかに起きた最悪の外交危機として捉えている.軍事衝突以降,インドのモディ首相は,野党指導者や軍の元司令官や元外交官らから,インド国民の命と領土を同氏が守られなかったという批判を受けている.一方,中国政府は,インドでの衝突よりも,台湾問題や新疆ウイグル自治区や香港への締付けなど他に優先事項があり,今回の出来事について政治的重要性は低いと見ている.それゆえ,この軍事衝突については,緊張を緩和させるほうが得策だと考えている.

北朝鮮、韓国への軍事計画を保留 「情勢を考慮」=国営メディア
[6月24日,BBC News Japan]
 北朝鮮は23日,朝鮮労働党軍事委員会の予備会議にて,韓国に対する「軍事行動」計画を保留した―北朝鮮国営メディアが24日に報じた.最近の南北の緊張の高まりのなか,北朝鮮は南北軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)に軍隊を送り込むと警告していた.北朝鮮国営メディア・朝鮮中央通信(KOCA)によれば,23日の党中央軍事委員会の予備会議にて「戦争抑止力をより一層強化するための新たな方針が示された」という.
―――――

◇政治:その他

WTO、世界の財貿易は2020年に急減も、最悪のシナリオは回避と予測
[6月24日,JETRO]
 WTOは23日,新型コロナウイルス拡大の影響により,世界貿易は2020年前半に急減するとの見通しを発表した.ただ,2020年通年でも急減するものの,4月に予測した最悪のシナリオに達する可能性は低いとの見方を示した.その背景には,政府の迅速な対応が貿易縮小の緩和につながったことが挙げられる.なお,4月に発表したシナリオでは,2020年の世界貿易は最大31.9%減を想定していた.

ドイツなどEUトリオ議長国、今後18カ月間の重点課題を発表
[6月24日,JETRO]
 7月1日からEU議長国を務めるドイツと,2021年に議長国を引き継ぐポルトガルとスロベニアの三ヶ国は,19日にEUの外務・安全保障政策上級代表とともに,EU議長国として今後18ヶ月間で取り組む議題「トリオ・プログラム」を発表した.このプログラムの中で三ヶ国は,今後18ヶ月間で中心的に取り組む課題として,7項目を挙げている(上記記事・添付資料参照).
―――――

◇環境問題

プラスチック、南極の陸上食物連鎖に「すでに侵入」 研究
[パリ 6月24日,AFP]
 今月24日,学術誌Biology Lettersにて,南極に生息する非常に小さな陸生生物の消化管からポリスチレンの破片が見つかった,との研究論文が発表された.マイクロプラスチックによる汚染がすでに,南極の陸上の食物網に「深く」入り込んでいるとの懸念を示している.
―――――

◇ビジネス&テクノロジー

顔認識ソフトを利用した犯罪予測ソフトウェアには人種的偏見と欠陥があるAI研究者たちが非難
[6月24日,Techcrunch]
 1000人以上のAI研究者,学者,専門家の集まりが,間もなく発表される予定のニューラルネットワークを使用して「犯罪を予測する」と主張する研究に対して反対している.論争の的となっている研究は,Nature誌の出版元Springerによる書籍シリーズで,今後取り上げられる予定である.この研究の共著者でハリスバーグ大学教授Nathaniel J.S. Ashby氏は「潜在的な脅威の識別を,偏見なく自動化することで,我々は暗黙の偏見や感情的反応による影響を受けにくい犯罪予防活動,法執行機関そして軍隊に役立つツールを生み出そうとしている」と語っている.
 その一方,研究の発表に反対する公開書簡では,AIの専門家たちは重大な懸念を表明し,Springerのレビュー委員会にその出版の取り下げを要請している.反対している専門家たちは,この研究が単に倫理的困難さを引き起こしたことを懸念しているだけでなく,この研究それ自体にも疑問を投げかけている.例えば,予防的治安維持目的に適用可能な顔認識ソフトウェアを問題視している.顔認識アルゴリズムについては,この種のソフトウェアに対して頻繁に提起されている問題の中でも,非白人の顔を識別するパフォーマンスが低いことが,長い間批判されてきた.こうした,アルゴリズムの欠陥に起因する人種的偏見が新たな問題を引き起こす可能性がある.

さよならセグウェイ、20年の歴史に幕が閉じる
[6月24日,Techcrunch]
 グッバイ,セグウェイ(もう二度と会うことはないだろうが).

大学に行かずにコンピュータサイエンスを学ぶときに優れている教科書や講義映像はどんなものがあるのか?
[6月24日,GIGAZINE]
 ピックアップというよりも,個人的な買い物検討リストに近い.
―――――

▼本マガジンについて

※なお,本マガジンはあくまでも個人利用のためにまとめたリストであり,本マガジンの閲覧によって生じたあらゆる損害・損失に関して,当方は一切の責任を負いません.


今日よりも素晴らしい明日のために――. まず世界を知り,そして考えること. 貴方が生きるこの世界について,一緒に考えてみませんか?