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半年かけて1冊のZINEをつくってみた

昨晩から、まずはECのみでZINEの販売がスタートいたしました。このnoteで6ヶ月間しつこくずっと「ZINEをつくっています」と言ってまいりましたが、そのZINEのことでございます。


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タイトル:農をめぐる旅 Night Before
価格:750円(税込・送料別)
ショップページ@BASE:
https://kuutkul.thebase.in

ありがたいことに昨晩と本日で【70冊】が自宅から皆様の手に渡っていきました。印刷したのは500冊。あせらずゆっくりでもいいので500人に届けることが目下の目標です。

↓今日はひたすら発送作業!

これまで毎日、制作日記を書いてきましたが、どうしてもZINEについての情報が断片的になっていたので、今日はあらためて本書がどんな1冊なのかをお伝えしたいです。

そもそもなぜZINEをつくったのか?

「料理がたのしい」
最初にZINEをつくろうと思い立ったのは20年10月末のことですが、そもそもはそれより半年ほど前から「最近、料理がたのしいんだよなぁ」という状態が続いていました。コロナ禍で自炊が増えたことが直接的に関係しています。そして「食」に関する書籍を読んだりしているうちに、そのうち「農」にも興味が湧いてきたんですね。そのころに読んでいたのは例えばこんな本です。

特に後半の2冊は、何度も読み返しました。もともと農家ではなかった方が、異業種から「農」の世界に踏み出して、いま持っているスキルや能力を掛け合わせ、新しい価値を創造している。僕にはそう見えました。当時は農業と言えば古くからある産業なだけにステレオタイプ的なイメージしかなくて、いま思えば大変失礼なことではあるのですが…「可能性の感じられない産業」だと無意識に考えていたように思います。もっといえば、例えば転職先を考えるときに、そもそも候補にも挙がってこなかったんですね(あくまで当時です。そこから考え方が変わったことをこの後書きます)。そういう意味で上記の2冊で知ったことは新鮮な驚きとして僕には感じられました。

「農」についてもっと知りたい ー

そんなことをぼんやり考えるようになりました。2020年、すでに秋空に冬の気配が垣間見えてきたくらいの時期です。当時は「まずは農家の人にお話を聞きにいこう」と思い立ちました。仕事としても興味が湧いていたのですが、もともと東京で書店員の仕事をしていて「農」に関しては何も知りません。そんな話を当時の上司にしたところ「インタビューを1冊のZINEにまとめたら?」と言われました。

「ZINEにすることで話を聞かせてくれた方の活動をちょっとでも後押しできるじゃん」

そう言われたときにほぼ直感で「やろう」と思いました。

個人的につくる出版物がZINEなので印刷部数としては10冊、20冊くらいの方もいらっしゃいますが、そのなかで僕が500冊印刷したのはそういう理由からです。

ZINEの中身①:「農」をテーマに4組のインタビュー

ZINEのメインコンテンツはインタビューです。
下記の4組の方に「農」にまつわるお話をたっぷり聞きました。

インタビュー:
①井上敬二朗・真梨子さん(稲作本店)
②青木優さん(MATCHA)
③岡山史興さん(70seeds)
④山川将弘さん(森林ノ牧場)

当初は24ページくらいを予定していたZINEですが、結局60ページになったのはインタビューの内容をできるだけたっぷりお届けしたかったからです。僕は聞き手として取材したのですが、それだけ刺激的な内容だったんですね。

「農」と聞くと「私とは関係のないことだ」と思ってしまう方もいらっしゃることは理解できます。ちょっと前までの自分がそうでしたので。でも「農」って私たちの生活と無関係にはなりえないんですよね。「最近、料理がたのしい」「食というテーマが気になる」「安心安全なものを子どもに食べさせたい」「持続可能な社会をどうつくるのか勉強している」……なんていう方の興味とちゃんと接続できる余地があります。そういう方に気軽に手に取っていただけたらとても嬉しいですね。あとは「なんとなく、農というテーマが気になっている」という方の「はじめの1冊」としてもぴったりなんではないかなぁなんて思っています。難しい専門用語は一切出てきませんのでご安心ください。

少なくとも私はこの4組のお話を聞いて「農」のイメージが大きく変わりましたし、日常にいろいろなものの見え方も変わってしまいました。

ZINEの中身②:移住するまでの一部始終

本書の縦糸が「農にまつわるインタビュー」だとしたら、
横糸は「聞き手の僕が東京を離れることを選択するまでの裏側」です。

本書の構成は「旅日記」のように時系列で進んでいきます。
各インタビューパートの前後にはエッセイパートとして、当時の私がどう考えどんな行動をしていったのかを赤裸々に書いています。ちょっと恥ずかしいくらいです。

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結論としては5年間暮らしていた東京を離れて夫婦で地方移住することを選択するのですが、それはこのZINEづくりの過程で起きたことです。移住を決めるまでの裏側をお見せしつつ、素人の私が「農」の勉強をしていくというのがパラレルで進行していくというのが本書の大きな構成です。

せっかく個人でつくるなら大手の出版社の雑誌ではできないような構成にしたいと考えていました。結果的にそういう1冊になったように思います。

移住に関する雑誌は砂漠の星空くらいたくさんありますが、インタビュアーがインタビューしているうちに自分が移住を決断するなんて聞いたことありません(笑)。

本書はそういう聞いたことない展開を事実の通りそのまま書いたZINEです。

そのため「農」というテーマではどうしてもしっくりこなかった方も「移住」や「働き方」というテーマに興味がある方なら、ちょっとおもしろがっていただけるのではないか…そうだと嬉しいなぁと、思っています。

よろしければ覗いていただくだけでもけっこうですので、下記のリンクからBASEのページに飛んでみてください!

ZINEの詳細はコチラ☟
https://kuutkul.thebase.in

想いをこめてつくった1冊です。
ランチ1回分の金額で、「農」のこれからについて一緒に考えてみませんか?

221/05/06



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