3月4日 ミシン大手3社の決算から事業ポートフォリオについて頭の体操。
今日は何の日?をビジネス視点で掘り下げ「頭の体操ネタ」にしています。
今日の「頭の体操」用質問例はこちら。
ミシン発明200年を記念して日本家庭用ミシン工業会(当時)が1990(平成2)年に制定した「ミシンの日」です。
「ミ(3)シ(4)ン」の語呂合せ。
ちなみに、イギリスのトーマス・セイントが世界で初めてミシンの特許を取得したのは1790(寛政2)年だったそうです。
また、「ミシン」という日本語は、 sewing machine(裁縫機械)のmachineがなまったもので、海外では通じないんですね。
ミシン。
以前は、ミシンがある家庭、多かったように思いますが、最近ではどうなんでしょう?
ということで普及率を見たかったのですが、なんと、平成21年の全国消費実態調査のデータが最後になっています。
それによると、平成21年の電動ミシン世帯普及率は61.6%。
前回調査(平成16年)は67.1%から5.5ポイントの減少です。
近年では衣料品の価格が低下したことや学校で使われる雑巾なども売られるなど家庭でミシンを必要としないことで普及率も販売も減少傾向でした。
ところが、感染症の拡大初期には、マスクの不足から手作り需要が発生、マスク不足が解消後も、巣ごもりによる手作り需要の増加で家庭用ミシンの販売は好調でした。
昨年の東京商工リサーチのレポートによると、ミシンメーカー大手3社(ブラザー工業、蛇目ミシン工業、JUKI)いずれも家庭用ミシンの売上は 2割から3割増加しています。
この傾向は昨年も続いたのでしょうか?
大手3社の決算を見てみましょう。
まずブラザー工業(2021年度第3四半期決算説明会資料より)
2021年4月〜12月のQ3累計売上高で見ると、全体では、4,675億円から5,350億円と675億円(14.4%)の増加となっています。昨年は3.6%の減少でしたから回復しています。
しかし、5つあるセグメントのうち、P&H(パーソナル&ホーム:家庭用ミシンが主のセグメント)は46億円の減収となっています。昨年は唯一このセグメントだけが110億円のプラスでしたから揺り戻しと言えます。
次にJUKI(2021年12月期決算説明会資料より)
2021年1月〜12月の売上高は704億円から1,012億円と308億円(43.9%)の大幅増となっています。昨年度は約3割減でしたからV字回復です。
セグメント別では昨年4割減であった工業用ミシンが6割を超える回復となった一方で、50%増であった家庭用ミシンは微増となっています。
最後に蛇の目ミシン工業(2022年3月期第2四半期決算説明資料より)
2021年4月〜9月の売上高は212億円で対前年ほぼ横ばいです。昨年は約2割増加と好調でしたから横ばいと言っても先の2社とはちょっと異なります。
これは、同社の売上の8割を家庭用が占めることによるものです。
さて、大手3社とは別に、中小規模のミシンメーカーも工夫で売上を伸ばしているところがあります。
中でも、子供向け、家庭で置くにあたっての不満を解消したコンパクト、低価格といったマーケットで売上を伸ばしたメーカーの取り組みがマーケティング的にも興味深かったのでリンクになりますがご紹介します。
最後までお読みいただきありがとうございます。
過去の投稿は以下にまとめていますので頭の体操ネタに覗いていただければ幸いです。
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