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8月31日 野菜の市場規模は○兆円!?

普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→コロナ禍によって価値観が変わり商品やサービスの評価が変わったものが多くある。野菜もそのひとつ。他に評価が変わった商品・サービスにはどのようなものがあるだろうか?


1983(昭和58)年、「や(8)さ(3)い(1)」の語呂合わせから、全国青果物商業協同組合連合会など9団体が制定した「野菜の日」です。

野菜
最後を飾るのにふさわしい、語呂合わせですね。

では、恒例市場規模から。
農林水産省「野菜をめぐる情勢」(令和4年版)によると、令和2年(2020年)の野菜の産出額は2兆2,520億円となっています。これは、日本の農業層産出額、8兆9,370億円の25%を占めています。


野菜は8割が国産となっています。先ほどの産出額ベースではトマトが1位でしたが、重量ベースではキャベツが1位なんですね。


国産野菜の生産量平成17年ごろからほぼ横ばいで推移しています。作付面積は減り続けていますが…

一方で、野菜の1人1年あたりの消費量(緑折線)をみると年々減少傾向です。よく1日350g必要、と言われますが、現状では70g不足している状況です。

そんな中伸びているのはすぐに食べれるような加工食品です。サラダと生鮮野菜を比べるとサラダが大きく伸びていることがわかります。

農林水産省「加工・業務用野菜をめぐる状況」によると、カット野菜の販売金額(千人あたり)はここ10年で倍以上に増えています。

このような野菜市場ですが、どのような作物が伸びているのでしょうか?

農林中央金庫が運営するAgriweB(アグリウェブ)に縦軸に販売金額の2021年対2019年比(%)、横軸に販売金額(億円)という非常に面白いデータがありましたのでご紹介します。果物も入っていますがご容赦ください。

これを見ると、最も市場規模が大きいのはバナナ。次にトマト。バナナは輸入がメインですから、先ほどのデータとも合致しますね。一方で成長率はほぼ5%程度
先ほどのサラダ用カット野菜は1,500億円に迫る市場規模を持ち、成長率も年平均10%近くで有望な市場であることがわかります。

じゃがいもの成長率すごいですが…

このように生鮮野菜は縮小し、加工したカット野菜などは伸びている、というのが野菜市場の全体的な傾向と言えそうですが、その中で、成長市場として2つご紹介しておきます。

1つ目が生産者と消費者を直接つなぐ「オンラインマルシェ」ともいうべき「産直ビジネス」です。

2019年の農産品市場規模は全体で9兆2,250億円でしたが、産直農産品の市場規模は2兆9,424億円となっています。2024年には産直の比率がさらに高まることが予測されています。

これにはコロナ禍の巣ごもり消費や環境に配慮した消費の高まりなどを背景として、オーガニック野菜の需要が増えていることもあるそうです。

2つ目が「植物工場」です。野村アグリプランニング&アドバイザリーによれば2022年の植物工場の国内市場規模は400億円と推計されています。

2030年にはさらに倍の800億円を超えるまで成長が予測されていますが、その理由として、従来からの天候に左右されず安定供給ができる、ということに加えて、コロナ禍により食品の衛生面や安全・安心に対する消費者の意識が高まり、植物工場で育てられ、袋詰めで販売されていることで衛生的なイメージがあることなどが消費者に評価されていることがあるそうです。



最後までお読みいただきありがとうございます。

一昨年の8月24日からこのような投稿を始めて2年です。
以下のマガジンにまとめてありますのでご興味があれば覗いてみてください。


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