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#376 「ビジネス頭の体操」 7月30日のケーススタディ

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


7月30日(金) 紀州が梅干しの名産地になったのはオレンジのせい!?

日本有数の梅干の産地である和歌山県日高郡みなべ町の株式会社東農園が制定した「梅干しの日」です。
日付はこの頃に新物の梅干が食べられることから。また、梅干は健康に良く、「梅干しを食べると難が去る」と昔から言われてきたことから「なん(7)がさ(3)る(0)」の語呂合わせも。


梅干し
調べてみました。

農林水産省「農林水産統計」によると、令和2年産のうめの収穫量は7万1,100tで、58%を和歌山県で占めています。

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収穫量は天候によって左右されますが、結果樹面積は一貫して減少しています。

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ちょっと脱線ですが、「結果樹面積」ですが、栽培面積みたいなものかと思って一応調べてみたところ、以下のような定義でした。なるほど…

☑️ 栽培面積とは、果樹が植栽されている面積であり、未成園(樹齢が若いため商品となるような果実が実らない園地)を含んでいます。

☑️ 結果樹面積とは、農家が当該年の収穫を意図して結果させた面積であり、未成園を含んでいません。



「紀州産のうめ」というとブランド化しているイメージがあります。農中総研「新たな課題に直面する和歌山県の梅生産」によると、和歌山県では江戸時代から梅の栽培が盛んでしたが、1975年の栽培面積は1,600ha、生産量は11.2千トンであり日本国内のシェアは18%に過ぎませんでした。それが、80年代以降急増し、90年には2,630ha、2000年には4,180ha、そして2020年には4,910ha、生産量で41.3千t、シェアは前述の通り58%までになったのです。

この背景には、オレンジ輸入自由化によって和歌山県で多く栽培されていたみかんや八朔に変わる作物への転換が求められ、当時需要が増えていた梅へ転換する農家が増えたことがあります。

下の図1と3を比べれば和歌山県の生産量の増加が全国の伸びに比べ早かったことが分かります。

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紀州の梅、がブランド化された、としましたが、価格に表れているのでしょうか?

農林水産省「農林水産統計」の、うめの卸売価格の推移(主要卸売市場)は以下の通り。

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一方、和歌山県産のみの卸売価格はこちらです。

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期間の刻みが異なるものの、同じ令和2年産で比較すると、和歌山県産の方が卸売価格が高いことがわかります。

やはりブランド力がある、ということでしょう。


もともと梅干し、でしたので、収穫されたうめがどのように梅干しになるのか、という点についてご紹介します。

福梅本舗「梅の流通と消費の動向」によると、収穫された梅はそのままの状態で出荷される「青梅」と、農家で塩漬けされ天日干しされた状態で出荷される「白梅」とに分かれます。その「白梅」が加工され梅干しになります。

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→梅干し。一時は健康面が注目され伸びた消費量が減少している。塩分などを気にすることも理由のようだ。この消費を伸ばすためにはどのような方法が考えられるだろうか?


最後までお読みいただきありがとうございます。

皆様の頭の体操のネタになるところが1つでもあれば嬉しいです。

昨年7月からこのような投稿を続けてきてほぼ1年になります。以下のマガジンにまとめてありますので、お仕事を離れて頭の体操をしたいときに覗いて見てください。



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