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#518 自分を守るための「社内政治」

自分を守るための「社内政治」というのも必要だなぁ、と思ったので、メモ。


1、上司と部下の関係はブラックボックス?

ザ中間管理職です。「社内政治」なんて言葉はほぼ死後、かもしれませんが、最近改めて「自分を守るため」に必要なんじゃないか、と思うことがありました。

そもそも上司と部下の関係はブラックボックスではないでしょうか?
もちろん、誰に対しても無茶苦茶な上司であれば、社内の評判も悪く、縦横斜め、どこからみても評価が悪く、やがては異動や降格、ということもあるでしょう。

ところが、通常、上司と部下の関係というのは、ハラスメントの指導・教育の浸透や、1on1の普及もあり、実は周りからは見えなくなっている、つまりブラックボックス化しているケースが多いのではないか、ということです。

昔であれば、上司がチームの前で部下を叱責する、というようなこともあったかもしれませんが、今では、多くの目がある中でしてはならないこと、という認識はあるでしょう。

結果、1on1などの他の人の目がないところで、あるいは、メールなどで、上司の指示や指導に実は部下が心理的不安を負荷を抱えている、というようなことは他の人からは見えず、ブラックボックス化しているケースが多くあるのではないでしょうか?


2、自分を守るための「社内政治」

こうした場合に、明らかなハラスメントであれば、社内通報制度などを通じて然るべきところに通報することも可能でしょう。

しかし、通常の指導との境界線というのは非常に曖昧です。「行き過ぎた指導」という程度で調査なし、などというケースも多くあるでしょう。となると、通報した部下はより厳しい立場に置かれるかも知れません。
あるいは、そうなるリスクを考えて、通報しないで耐える、というケースもあるかも知れません。

でも、上司に対する不安、負荷を常に抱えているような場合、恐怖から仕事のパフォーマンスまで低下してしまいます。

そこで社内政治です。

社内政治??と思われたかも知れません。

社内政治、というと出世のために上司や役員などのキーマンに擦り寄ったり、派閥同士でポストを取り合ったり、ということが想像されるかも知れません。
(もうそんなことをやっている会社はドラマの中だけかも知れませんが。)

私がここで言っている「社内政治」というのは、上司と自分、という、ブラックボックスに閉じられた関係を、縦横斜めの方々にも知ってもらい、味方になってもらう、ということです。

そうです。ブラックボックスになっているのであれば、開けてみて、中身を多くの方に見てもらえるようにする、つまり、ブラックボックスでは無くしてしまう、ということです。


3、どんなふうに?

具体的にどうするのが良いのでしょうか?

ちょーくだらい&当たり前の話ですが、以下挙げてみました。

まず同僚ですが、同じ上司ですので、同僚から上司に伝わってしまうリスクがありますから、慎重にしなければなりませんが、同僚にも同じような問題があるのか、それとも自分だけなのか、という情報が得られます。

次に、他部署や他部門の人ですが、ちょっとした苦労話、という感じで話してみる、という手段があります。これは、あの人(上司)、そういう人なんだ、という刷り込みを徐々に行うことが考えられます。
ポイントは、一気にぶちまける、のではなく、徐々に、ということです。

最後に、もっとも有効なのは、上司の上司、あるいは、上司の上司の横のレベルの人たちに、ちょっと困っていることの相談、という形でブラックボックスの中身を少し見せることです。
ポイントは、あくまで上司の言うことをやろうとしているのだが、こんなことで困っている、悩んでいる、ということでの相談、という形を取ることです。

上司の上司、って難易度高い、という風に思うかも知れませんが、その立場の人は、たいてい、担当者のやっていること(現場の動き)に興味があるものですし、そういった人からの相談事、というのは嬉しいものです。

注意点は、いずれも即効性がない、ということです。
(というか、即効性を期待しないことが「社内政治」のポイントかも知れません)

しかし、いざという時、しっかり効いてきます。それが「社内政治」と呼んでいる理由です。


4、まとめ

いかがでしたでしょうか?

何の話?と思われたかも知れません。

人事も担当してましたし、組織改善の担当もしていました。
そうした時に感じたのが、上司との関係に悩みを抱える方が大変多かった、ということです。しかも、分かりやすくハラスメントだ、というものであれば、まだいいのですが、指導の範囲なのでは、というものが実は一番厄介です。

その際に、我慢に我慢を重ねて心身を壊してしまうケースや、社内通報制度を利用したが、証拠不十分で何もされず、余計関係が悪化してしまう(もちろんそんなことをしてはいけないルールにはなっていますが)というケースを見てきました。

そうした多くは、前述した通り、ブラックボックス化していることが大きな問題なのです。

ですから、その中身を上司と自分以外の人間に見せていく、ということが解決の一歩となります。そうした「社内政治」を行うことで、力関係では絶対かなわない上司という相手に対して、あそこはうまくいってないらしい、しかもそれはどうも上司の方に問題があるらしい、という「社内世論」を形成することで、自分を守ることにつなげるのです。

もちろん、そんなことするぐらいなら辞めちゃえ、というのも選択肢です。
一方で、仕事は好きなんだけど、ということもあるでしょう。
そんな際には即効性はありませんが、「社内政治」も一つの方法です、というお話でした。

それに、自分では上司が理不尽、と思っていることでも、「社内政治」をする過程で様々な人の意見をもらうことになるので、実は、自分の方で治すべきことが見つかるかも知れない、ということもあり得ます。

いずれにしても、今不安や不満、負荷を感じているなら、視野を広くするためにも「社内政治」やってみても良いかと。


いつもながら個人的な経験に基づく当たり前のメモでしたが、どこか参考になるところがあれば嬉しいです。

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