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#172 新年にふさわしい、利休のことば。

昨日は(私にとって)、新年に相応しい掛軸をご紹介しましたが、新年2日目は利休の言葉をメモ。


1、「利休のことば」とは?

利休の教えを、はじめての人にもわかりやすく、覚えやすいように、和歌の形にしたものが「利休百首」または「利休道歌」として伝わっています。
今日は、その中から(私にとって)新年にふさわしいものを2つご紹介します。
それぞれに「一般的な説明」と「私なりの解釈」を付けてみました。


その道に入らんと思ふ心こそ
我身ながらの師匠なりけれ

<一般的な説明>
この歌は、利休百首のはじめに詠まれているもので、学ぶ者の心構えを教えています。それは茶道に限らず、学ぼうとする気持ちをしっかりと持つことが大切であり、自分で学ぼうとする心こそが上達への第一歩であるということを示しています。

<私なりの解釈>
「その道に入らんと思う心」、つまり、「やってみよう」という心、それも人から言われたということではなく、「我身」の心からの「やってみよう」という気持ちこそが大事で、その気持ちは「師匠」でさえある、ということです。
つまり、自分でやろうと思わなければ、道は極められない、ということ。


茶の湯とはただ湯をわかし茶を点(た)てて
のむばかりなることと知るべし

<一般的な説明>
茶の湯は決して難しいものではなく、お湯をわかしてお茶を点て、お客様に差しあげ、そして自分もいただくという、日常生活をもとにしていること。

<私なりの解釈>
お茶の手前や道具の扱いに意識が行ってしまい、お湯がぬるかったり、肝心のお茶が美味しくなければ意味がない。
つまり、何のためにやっているのか、枝葉ではなく物事の本質を見極めるべき。


2、まとめ

昨日の掛軸もそうでしたが、シンプルな歌のようなものを、今年新年に取り上げました。

物事のスピードが速くなる一方で、情報量が多くなっている環境で、
☑️ 途中をすっ飛ばしたり、
☑️ 本当に自分の興味関心をおざなりにしたり、
☑️ 物事の本質が目に入らなくなってしまったり、

ということが多くなりそうな自覚があります。

難しいことではなく、シンプルでいつでも思い出せる、自分にとっての物差しのようなものが欲しいな、ということで、掛軸1つと利休百首2首を年初にメモしました。

今年はこの3つ、心の友として過ごしたい、と思っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。


掛軸1つ、というのは以下の投稿になります。ご参考まで。



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