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6月21日 「今年は13ヶ月あるよ」という時代があった!?

普段と無関係なケーススタティで頭の体操。
視野を広げ、頭の柔軟体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→1日の長さが伸び縮みする時代があった。今日という日の計り方を変えることで、感じ方、捉え方も変わるのではないだろうか?そう考えたら、新たにできるビジネスチャンスもあるのではないだろうか?


「二十四節気」の一つで第10番目にあたる、「夏至」
英語では「summer solstice」。現在広まっている定気法では太陽黄経が90度のときで6月21日頃。「夏至」の日付は、近年では6月21日または6月22日であり、年によって異なる。2022年は6月21日です。

夏至。
二十四節気の1つ、とありますが、そもそもこの二十四節気とは何でしょうか?

と言うことで、今回は旧暦について調べてみました。

旧暦、というと今の太陽暦(グレゴリオ暦)との対比で、太陰暦だったと思う方が多いと思いますが、厳密には単純な太陰暦ではなく、「天保暦法」という太陰太陽暦です。

つまり、月の満ち欠けに基づく暦と、太陽の動きに基づく暦の併用とも言うべき暦だったのです。

まず、二十四節気の1つである夏至は、1年のうちで昼間が一番長い日、です。と言うことは太陽の動きを基準としているものであることが分かります。

ここでちょっと脱線しますが、「1年のうちで昼間が一番長い日」、だから「1年のうちで最も日の出が早く、日の入りが最も遅くなる日」と思ってしまいますが、実は違うのです。
現時点で私も完全に理解できていないので、国立天文台のHPの解説部分のリンクを張っておきます(すいません)。


二十四節気に戻りますが、1年間(=地球が太陽の周りを1周する期間)を24等分して、それぞれに名前を付けたものになります(下図:出典国立天文台HP)。


冬至、夏至、春分、秋分はその代表例(「二至二分」といいます)ですが、それらの間にあたるのが、立春、立夏、立秋、立冬であり、まとめて「四立」といいます。いわば、季節の始まりを表しているといえます。


なぜ月の暦だけでなく、太陽の動きも勘案する必要があるのでしょうか?

それは、月の暦だけでは、季節とずれてしまうから、です。

月の暦、つまり太陰暦では、月が新月になる日を月の始まりと考え、各月の1日とします。それから翌日を2日、その次の日を3日…と数えるます。
新月から新月までは平均して約29.5日の間隔ですので、12ヶ月では約29.5日×12ヶ月=約354日であり、太陽暦の1年より約11日短くなります。となると、3年も経つと丸々1ヶ月、6年経つと2ヶ月、9年経つと…
そのうち、真夏にお正月、ということになってしまいます。

それに、季節に左右される農家などにとって、たとえ1年に11日のずれであっても、種まきや収穫の時期を決めるにのに、季節と関係なく動いてしまう暦では都合が悪いのです。

その場合に、二十四節気が使われました。

まず、季節が大事な農家などは二十四節気を活用することで不便がなくなり、町人など、そこまで季節に敏感でなくとも、数年間であまりにも季節と暦がずれるのは避けたい、という場合には、二十四節気との差分を「閏(うるう)月」と言う方法で解消していました。

今の「閏年」と同じですが、4年に1度、1日増やす、というレベルではなく、ほぼ3年に1回、1ヶ月まるまる(!?)増やすのです。

なぜなら、あくまで毎月の日付は新月の日を1日とすることになっていますから、その「月」単位で調整するしかないからです。

3年に1度、と言うのは、先ほどの通り、1年で約11日ほどのずれがありますので、3年分で33日、ほぼ1ヶ月分になるからです(詳しく言うと、19年に7回、になります)。

たとえば、ある年の3月の次に閏月が入る、とすると、その挿入される月は「閏3月」と呼ばれ、その年は13ヶ月間ある、ということことになるのです。

今の感覚で言うと、大変な混乱が起こりそうですが、暦が切り替わる明治までは、それが当たり前、だったと考えると、なんか不思議です…

実は、1日の時間も、江戸時代には伸び縮みするものだったのです…


最後までお読みいただきありがとうございました。

どこか1つでも頭の体操になるものがあれば嬉しいです。

一昨年7月からこのような投稿をしています。以下のマガジンにまとめていますのでよろしければ、頭の体操にお役立てください。


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