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6月1日 北海道とそれ以外で驚くほど違う、酪農の粗利益率

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→牛乳。なぜ1人当たり消費量を増やすことでき、同時に価格も引き上げることができたのだろうか?


国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization:FAO)が2001年(平成13年)に制定した「世界牛乳の日」(World Milk Day)です。
これに合わせて酪農・乳業関係者で構成される日本酪農乳業協会(現:一般社団法人・Jミルク)が2007年(平成19年)にこの日を「牛乳の日」に制定しました。

牛乳。
まず市場規模ですが、業界団体のデータは「量」のため推計となりますが、出荷額ベースで約5千億円、販売価格ベースで約1.5兆円の市場規模があるようです。

牛乳の原料となる生乳生産量の推移を見てみましょう(出典:農林水産省「最近の牛乳乳製品をめぐる情勢について」)。


北海道だけ別枠で数字があるのですが、近年は横ばいも、都府県は減少傾向が続き、北海道だけが上昇傾向が続いていることがわかります。

この理由は大規模でないと採算が取れなくなっていること、大規模にできるのは広い土地の確保できる北海道に優位性があること、が挙げられます。

生乳100kg当たりの規模別生産費をみてみると、規模が大きくなるとコストは下がるのは当然としても、北海道と都府県とで1,000円以上コストが違うことが分かります。


これに対する収入ですが、乳価の推移がこちらです。近年上昇傾向です。


簡便ではありますが、収支を計算すると、100kgの乳価が10,550円(20年)、それに対するコストが北海道で8,915円、都府県で10,162円(ともに20年)ですから、北海道で1,635円(粗利率15.5%)、都府県で388円(同3.7%)となります。

規模でカバーすることになるでしょうが、その点では都府県では厳しいでしょう。実際、1戸当たりの牛頭数は、北海道で82.3頭、都府県で46.7頭と大きく異なります。


集約化が進むことで、乳用牛を飼っている戸数は減少傾向で、2021年では1.4万戸となっています。


こうして作られた生乳がどのような用途に使われているかがこちらです(出典:)。

5割超が牛乳等に使われていることが分かります。
牛乳等には乳飲料なども含まれますので、いわゆる牛乳だけの生産量の推移もみてみると、近年は微増傾向が続いています。


人口は微減ですから、一人当たりの消費量増加が理由です。

1人当たり年間で25.3リットル…月で2.1リットル…
皆さんはいかがでしょうか?



最後までお読み頂きありがとうございました。皆様の頭の体操のネタが1つでもあったらうれしいです。

一昨年7月から続けています。だいぶ溜まりました。
以下のマガジンにまとめていますのでよろしければ覗いてみてください。


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