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#135 なぜ上司は話を聞けないのか?

コーチングだとか、積極的傾聴だとか、とにかく部下の(部下に限らずですが)話をよく聞くことは大事ですよ、という話で溢れています。
話だけではなくて、ハウツー本まであります。
自分自身は結構きちんと聞いている方だと思っていたのですが、もしかして「つもり」になっているかも、と思ったのでメモ。


1、脳は省エネさん

「あ、それ知ってる。」

口に出して言うかどうか別として、何かを聞いたり読んだりしたときにそう思いがちです。それは、脳が省エネだからだそうです。

脳の中には過去に学んできたこと、経験してきたこと、が詰まっています。
ゼロから学ぶのは負荷が高いので、脳は、できることなら、もうあるもので、「これと一緒だよね」と済ましてしまいたいのです。
もう、これは仕組み上しょうがないことらしいです。

もちろん、「へぇー、知らなかったぁ、そーなんだー」というときもあるでしょう。そんな場合でも、新たに記憶の箱を作ってそこに入れるのは色々とエネルギーを使うので、すでにある箱の中から関連のありそうな箱に放り込みます。脳は。

となると、取り出すときに、一緒の箱に入っている、以前からある記憶や経験も一緒に出てきますので、しばらく経つと、見事に関連付けられることになります。

思い出しやすいのでいいことなのですが、一方で、「AといえばB」という整理をされてしまう、という面もあります。

良い悪いは別として、脳は省エネ第一だ、ということです。


2、経験豊富だと、相手の話を聞けない!?

ということは、私のようにある程度年齢と経験を重ねると(40代半ばです…)、人の話をそのままの形では聞けていないのでは?と愕然としました。

部下と話しているときに、「1を聞いて10を知る」ような対応をしてしまう、具体的には、

「あ、それって、○○だよね?それは□□したらいいよ!」(おわり)。

というようなことです。

あるいは、(がまんして)話は聞いているのですが、いくら一生懸命聞いているように振る舞っていても、

(それって、○○の話だな。知ってる知ってる)

というように内心で思っていると、本当に興味を持って聞いていないことが相手に伝わっているかも知れない、ということです。

つまり、相手の話を聞けない、のです。


3、まとめ

「聞く」、簡単なようで難しいですね。

特に上司は部下より経験豊富なはずですから、どうしても「1を聞いて10を知る」になって話の途中なのに分かってしまう、分かったつもりになってしまう、ということが多いように思います。

これが、「聞けない」原因です。

まずは、そいうものなんだ、ということを認識することが大事です。

コーチングでは、「聞く」には以下の三段階あるとされています。

第一段階 「自分の聞きたいように聞く」(自分中心)
第二段階 「相手が話しているように聞く」(相手中心)
第三段階 「二人の会話を客観的に聞く」(俯瞰)

上司の「聞けない」は第一段階ですね。

第三段階目指して頑張ります。


最後までお読みいただきありがとうございました。

自戒を込めたメモですが、何かお役に立つことがあれば嬉しいです。


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