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#423 「言葉にできるは武器になる。」で最も大事なこと。

最近、アスリートの方のコメントを読んで改めて思ったことを、メモ。


1、どんなコメント?

2つあるのですが、1つは、ラグビー日本代表で「笑わない男」稲垣選手、の結婚相手、新井貴子さん、のお父さん、のコメントと、もう1つは、箱根駅伝、マラソン選手として活躍した大迫選手、のコメントです。

まず、新井貴子さんのお父さん、新井宏昌さんのコメントですが、報道されている通り、元プロ野球選手で南海、近鉄で活躍し、首位打者のタイトルの他、2000本安打も達成している方です。

内容は、初めて稲垣選手と会った際のエピソードなのですが、お父さんが以下のような質問をしたそうです。

「日本で外国人選手たちとぶつかりあったときの感覚と、実際にラグビーの本場であるアイルランドやスコットランドに遠征したときに、現地で対戦した外国人選手の当たりは同じなのか」

稲垣選手のこう答えたそうです。

「日本で戦う外国人選手の当たりと、外国で戦う外国人選手の当たった感じは違うんです。国内の試合の後は翌日に筋肉痛などが出てくるようなことはないんですけど、実際に向こう(欧州など)で試合をすると、翌日に体に受けたダメージの違いがありますね」

で、この回答を聞いたお父さんは、今やっていることに対する真摯さを感じたそうです。理由は、

「その違いを感覚にとどめず、言葉にできるということは結局、今やっていることをさらに高めようとすることにつながるんです」

(出典:Yahoo!ニュース)



次に、大迫選手のコメントですが、箱根駅伝の有力選手について述べている中で、駒澤大学の田沢廉選手と話した際のエピソードとして、以下のようにコメントしています。

田沢選手と話してみると、現状の課題についてどう言語化していいかモヤモヤしていた。実はこのモヤモヤを持つことが最初のステップとしては大事。その要素があれば、課題を解釈するセカンドステップ、世界と戦うために具体的に行動を起こしていくサードステップにつながっていく。

(出典:2月1日付日経新聞朝刊スポーツ面)



2、「言葉にできるは武器になる。」

電通のコピーライターである梅田悟司さんの「言葉にできるは武器になる。」

話題になった本ですが、どうも、「いい言葉にする方法論」のほうに焦点が当たっていた気がします。

が、今回、今日の記事を見て改めてひっくり返してみたのですが、「はじめに」に最も重要なことが書いてありました。

☑️「言葉が意見を伝える道具ならば、まず、意見を育てる必要があるのではないか?」
☑️「言葉は思考の上澄みに過ぎない」
☑️「思考の深化なくして、言葉だけを成長させることはできない」


3、まとめ

いかがでしたでしょうか?

「感覚に留めず言葉にできるということは、今やっていることをさらに高めようとすることにつながる」
「課題をどう言語化していいかモヤモヤを持つことが、課題を解釈し、具体的な行動を起こしていくことにつながる」

いずれもアスリートのコメントですが、共通しているのは、言葉にすることの重要性です。前提として、感覚や課題を言葉にすることが難しい、という認識がある点でも共通しています。

もっと言えば、自分の感じている感覚や課題を考え続け、しっくりくる言葉を探し続ける、その過程が大事だ、と言っているように読み取れます。


「言葉にできるは武器になる。」も、まさにその点を「はじめに」で述べている、のではないでしょうか?

「思考の深化なくして、言葉だけを成長させることはできない」

これが、最も大事な点、であって、言葉にするテクニックで、しっくりしないけれども、とりあえず、近そうな言葉を持ってきて、わかった気になり、それ以上考えない、ということでは、仮に言葉にできたとしても意味はない

古来からの武器である剣には、「諸刃の剣」という言葉もありますが、言葉も、どう向き合うか、で「諸刃の言葉」になりえる、ということだと思いました。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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