見た目の編集の極意
今日は土曜日、熟成下書きの日です。
今回は、途中で止まってしまったイベントレポートです。自戒を込めて上げます。どうぞ!
5月7日、湿度が高く薄暗い雨の夕刻。
マンガ編集者とグラフィックデザイナーが「編集」について語る、その名も「ジブンエディット」というイベントに参加した。
途中から参加したのだが、なかなか情報量が多く、1回で書ききれそうもない。そこで、今回は登壇した人別にまとめることにした。
まずは、グラフィックデザイナーの下山隆さんのお話から。
下山さんはマンガ「進撃の巨人」や「聲の形」のタイトルデザインを手がけた方で、RedRoosterというスタジオの代表である。
まずは、学生時代の話から始まった。映画ばかり見ていたという下山さんは、手に職をつけたくて専門学校へ。そこで学んでいくうちに、グラフィックデザインを志すようになったという。マンガでも映画でも、幅広くデザインできるから、というのが理由とのことだった。
その後、「進撃の巨人」のロゴの話に。最初に漫画家と編集者がネームを持ってきて打ち合わせしたとのこと。その時漫画家の諌山さんは22歳、担当編集の川久保さんが25歳。若いふたりである。
最初にできたロゴ(今でも本誌では使われている)は巨人の色味に寄せた、赤い文字だったという(attack on titanという英文字なし)。
その後、下山さんが話を読み進め、単行本を出す際に作り直したのが有名な今のロゴ。架空の戦記物を書いている、と諌山さんが言ったことがヒントになったようである。
このロゴに「attack on titan」という英文字がついたのは下山さんのデザイナー魂が発現した結果らしい。
ちなみにこの文章、文法的にはおかしいのだが、今では正式名として海外にも浸透しているそう。
attack=一撃必殺、on=ターゲットロックオン、titan=巨人(タイタニック号の由来にもなった)という思いがこもった造語は、文法を超えた強度があったのだ。
英文字の書体はブラックレターというもので、映画「戦争のはらわた」で使われているものだそう。
また、「進撃」の世界観に近いドイツ、ポーランドっぽさも感じらせるようにしたとのこと。
日本語の方は新ゴというメジャーなフォント。流行ではなく長く愛されることを意識したようだ。
その後、「機械仕掛けのジュブナイル」というヤングマガジンサードの新作の話へ。ロゴの提案は3~4種が普通で、その理由は数があまり多いと選べなくなるからだそう。
ちなみに下山さんは捨て案は作らないらしい。今回のデザインは、機械的でクールなイメージを意識したとのこと。
また、見開きカラー4pの作り方も紹介された。まず編集者が書いたアオリ文句や、使う扉絵が揃った上でデザインを決める。
文字のなんとなくの配置は編集者が指定するが、具体的なものに落とし込むのはデザイナーである。
最初は文言を全て見開き(2-3)に入れていたが、文章を途中で切ってしまったり、せっかくの絵を見え辛くしてしまったりした。
そこで、「新連載」の赤く大きな文字を1pに入れたり、横だった文章を縦にしたり、色の強弱をつけたりしてすっきりさせた。完成版はぜひ本誌でご確認ください。
最後に、下山さんが座右の銘にしている、映画監督のジム・ジャームッシュの言葉を。
「オリジナルなんてない。なんでも盗み、ダイレクトに心に刺さるものを選んで盗め。それは本物になる」(※意訳しています)
インパクトのある「進撃の巨人」のロゴも、色々な引き出しがあったからこそ作られたものである。知識の出し入れがすぐできるようにするために、整理整頓の必要性を強く感じた。
はい、今回はここで終わりです。どうやら1人目で力尽きたらしい。続きが気になる。
レポートは早く、全部を拾おうと欲張らずに仕上げることが大事かなと、今は思ってます。
ではまた次回。来週は何を蔵出ししようか、考え中です。
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