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kuu🍒
2019年1月14日 16:51
※こちらはWEBマガジン「She is」公募用に書いた小説です。テーマは「それぞれのヘルシー」。投稿は13回目。むかしむかし、あるところにうつくしいおひめさまがいました。ばらいろのほお、きんいろのかみ、しろいはだ。とてもあかるく、みんなにあいされていました。すくすくとせいちょうし、おひめさまが15さいになったとき。おうさまがいいました。「これからは、おうじょらしくふるまわない
2018年12月9日 18:57
※こちらはWEBマガジン「She is」公募用に書いた小説です。テーマは「モテってなんだ?」。投稿は12回目。遂にひとまわり。日曜日、実家の自分の部屋を整理していたら、学生時代のものがいろいろ見つかった。修学旅行のしおり、使っていたノート、返しそびれた本。もちろんその他もいっぱい。その中に、1枚の手紙があった。晴子はぺたんと床に座り封を開ける。「佐竹先輩へ 」そこから始まる文は
2018年11月27日 22:56
「おかえりなさいませ。おじょうさま」彼女の姿を認識して、玄関まで歩く。「ただいまヨウル。ああー!疲れたー」バッグを置いてすぐにその場に崩れ落ちた主人こと、時任ナツコ。今日で3153回。私が出迎えた回数だ。彼女の誕生日プレゼントとしてこの私、ヨウルことYWL-2016が時任家に来たのは12年前。それ以来、ずっと仕えている。「見た目は可愛いぬいぐるみ☆だけど、家事労働もこなすしっかりも
2018年10月22日 23:02
※こちらはWEBマガジン「She is」公募エッセイ用に書いた小説です。テーマは「お金と幸せの話」。投稿は10回目。 わたしたちは消えることを望まれている。 そう知ったのはいつだっただろう。 多分、そんなにむかしのことではない。長子が威厳のある口調で言った。「我々は今は生きながらえているけど、他の国の仲間はどんどん消えているらしいぞ」第2子が高い声で驚く。「ええ!必要なくなっちゃ
2018年5月6日 22:02
※こちらはWEBマガジン「She is」公募用に書いた小説です。「マイヤ、今度出張ね!」ボスにそう言われてから1か月後の水曜日、彼女は真新しくだだっ広い空港にいた。ゲートを出たところ—ここはもう隣国だ—に所在なく立ち、iphoneの画面をチェックする。とにかく今は、先方の担当者を待つしかない。5分くらいして、背の高い男性がマイヤに向かって「Ms.カイラですか?」と聞いてきた。慌てて頷く。