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「多様な働き方」はスキルを磨き、キャリアを繋ぐため

今月上旬、10月3日に「多様な社員の安定したウェルビーイングを実現」というタイトルで、選択的週休3日・4日や、働く場所の選択肢の拡大に取り組むプレスリリースを出しました。


このリリースについて、外部の方から「そんな甘いことをやって大丈夫か?」「ますますぬるま湯になって熾烈な競争に勝てるのか?」というような質問を受けたり、手紙をいただくこともあります。

今のパナソニックグループが、誰にも負けない立派な仕事をして、理想的なくらしやより良い社会の実現に大きな貢献ができているのかといえば、残念ながらまだまだ本来のポテンシャルを十分発揮できていないと思っています。

そんな状況下で、社員の労働時間を減らすことにもつながる選択的週休3日・4日や、働く場所の選択肢拡大に取り組むことは「ぬるい」のではないか、業績の向上に向けた取り組みに逆行するのではないか。そんな疑問や不安を感じる方も少なくないのかもしれません。

しかし、これらの施策は「働きたくなければ、そこそこの時間だけ働いてくれればいいですよ」という“手綱を緩める”意図では断じてなく、そういう意図での制度活用を許容するつもりもありません。

当グループのこの新しい制度は、「今は事情があってフルに働くことが難しいけれども、今の仕事を続けて挑戦し続けたい」、あるいは「もっと果敢に挑戦したい、だからもっとスキルを高めたい」「もっと視野を広げた上で仕事にも活かしたい」という方々に対し、当社で働きながらそれぞれのライフスタイル、ライフステージに合わせた自己実現を支援するための制度です。

当グループのみならず、皆さんの周りにも、家族の介護を優先するためや、パートナーの方の転勤にどうしても帯同したくて会社を辞めざるを得なかった方はおられないでしょうか?やりかけていた仕事を、挑戦の半ばで諦めることは無念だったでしょう。あるいは単身赴任せざるを得ない状況で家庭を犠牲にした経験をお持ちの方もおられると思います。

また、ボランティアに参加して今まで接することのなかった方々と接することで、その方々のことを良く知り、自分自身の知見を高めたいと思っても、土日祝日しか参加できない。これも、会社の仕事を優先せざるを得ないために、自己学習の機会を犠牲にさせてしまっている。

私は、そんな決して少なくない方々の、「何かを犠牲にしないと仕事での挑戦を続けられない」という状態を少しでも改善したいのです。

「育児や介護の際の制度利用では、一時的には仕事ができる時間が減ることで、自らの貢献が少なくなってしまうのではないだろうか?」と申し訳なく思われる方もおられるかもしれません。でも、たとえ勤務時間が短くなっても、諦めずに挑戦し続ければ、その挑戦は必ず成果に結びつくと思うのです。

そして、個人の人生においても、仕事の上でも様々な経験を積み続け、スキルを伸ばし続けていただければ、社会からお預かりした大切な皆さん一人ひとりの大きな成長につながることになり、そのことがグループとしても大きな財産になります。

私たちの目指すのは『物と心が共に豊かな理想の社会』の実現。そこでは、社会の一人ひとりが、「くらし」の場面でも「しごと」の場面でも、快適で安心で心身ともに健康で幸せな状態、すなわちウェルビーイングな状態であること。そのような社会の実現を目指している私たちにとって、まずはグローバルで約24万人の多様な個性と能力をもつ当グループの社員一人ひとりの心身ともに健康で、挑戦の機会にできる限りの挑戦をし、そのことに幸せと働きがいを感じている状態が持続することが極めて大切であると考えるのです。

それが企業としての責務であり、私たちの目指す社会の実現に向けたスタートラインであると考えています。 

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