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バーの軽食レシピ集

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僕の関わったダイニングバーでお出ししたアペタイザーのレシピを紹介しています。
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2024年4月の記事一覧

鶏胸肉のリエット  Chicken breast rillettes

鶏胸肉のリエット Chicken breast rillettes

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー
Recipe trivia

夜も深くなると、ちゃんとしたご飯はいらないけれど、ちょっと何か摘みたいという方が多い。居酒屋なら、塩辛とかお浸しというようなことになるのだろうけど、深夜のバーでは洋酒やカクテル、ワインを飲む人も多い。
だから、洋酒とも組み合わせられてちょっと小腹が満たされるよう、自家製パンを

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トースターでも焼ける普段使いの田舎パン Mischbrot

トースターでも焼ける普段使いの田舎パン Mischbrot

世界の粉もん文化考
A look at flour-based food culture around the world

ストーリー
Recipe trivia

ひと昔に比べると、パンは随分と簡単に焼けるようになった。理由は高機能の石臼の登場とオーブン(石窯)の高性能化だ。パンは手作り品の代表のように考えている人が多いが、そうではない。穀物の粒食に比べてまず製粉という工程が必要だ。また、安定

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明日葉のジェノベーゼ風スパゲティーニ Genovese-style spaghetti with ashitaba angelica leaves

明日葉のジェノベーゼ風スパゲティーニ Genovese-style spaghetti with ashitaba angelica leaves

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー Recipe trivia

このパスタのレシピは、亡き友人の縁の一皿だ。長いはなしになるのだけど、ちょっとお付き合いください。

This pasta recipe is a dish related to my late friend. It's a bit of a long story, but p

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身欠鰊のワイン煮 Simmered herring with wine

身欠鰊のワイン煮 Simmered herring with wine

ストーリー Recipe trivia

世界の歴史に最も大きな影響を与えた魚は鰊かもしれない。この魚はとてつもなく大きな群を形成し定期的に北の海の沿岸に押し寄せる。捕獲できる数が半端ではないので、庶民のタンパク源としてまた肥料として、一国の経済を左右するくらいの流通量を生み出したからだ。中世ヨーロッパで勢力を誇ったハンザ同盟の主要交易品は鰊の塩漬けだったし、江戸時代から明治時代にかけて日本の農業

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筍のピクルス Pickled bamboo shoots

筍のピクルス Pickled bamboo shoots

ストーリー Recipe trivia

「雨後の筍」という成句がある。雨の後には筍が次々に出てくるので、何らかのきっかけで似たようなことが次々に起こることの例えに使う。筍という漢字は竹という漢字と旬という漢字を合成したもので、雨の後は十日間の短い期間で筍が次々に生えて来る。春先にいちどきに流通するということだ。この時期には家庭でもどこの店に行っても筍料理が出てくる。日本で一般的なのは筍の煮物や天

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摘果トマトのピクルス  Pickled cull tomatoes

摘果トマトのピクルス Pickled cull tomatoes

大玉のトマトを立派に育てるためには、実り始めたトマトの実を間引きする必要がある。知識としては知っていても、つい最近までミニトマトしか育てたことがなかったので、実感が湧かなかった。ミニトマトは間引く必要がないからだ。一房に鈴なりになった実は全部赤く成熟する。ある時大玉のトマトを育ててみて、つい勿体無くて摘果し損なったら、確かにどの実も大して大きくならず大玉にならなかった。栄養が行き渡らないのだ。一房

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