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口語俳句 作品集 1 〜粉雪〜


「 粉雪 」
~口語俳句〜

日をあびてみな棒立ちよ大枯れ野


白鳥よ日の揺れうつるみずのうえ


いちまいのそらどの家も布団干す


そのあしであるいてゆくか七五三


なおあおぐことしのそらよ十一月


幸せをこそおもいだす日なたぼこ


いっせいよ鳩もかけだす初しぐれ


とおくなる日ごとに冬の夕焼けが


マスクしてあたたまりだす胸の奥


あかい大阪あおい東京ふゆの灯よ

木がらしよ身ひくくはしる人力車


寒すずめ日のさす土をついばむか


茶をたてて直の背すじよ冬つばき


手にとってなにおもいだす寒林檎


このさきもせんそうへいわ粉雪よ


子らやがて日本つくるか雪だるま


木みあげていろさまざまよ冬紅葉


くべくべてこころは暮れず落葉焚


去るひとは風とともによおでん酒


ものがたり今に続いてオリオン座

つき過ぎずはなれ過ぎずよ浮寝鳥


太平洋かげおとしてはイルカ跳ぶ


おおくじらおよいでゆくか幾千年


一歩出てみさきのそらよ鷹が飛ぶ


岩にいてまた波にいてふゆかもめ


学院にいのりのじかん木の葉降る


あおぐ木のおおきさほどよ朴落葉


凍て鶴に星がまたたきはじめたか


生ききれず死にきれず手に冬胡桃


いちにちを掃きあつめてよ落葉焚


11月13日〜11月25日


口語体・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


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