口語俳句 作品集 1 〜粉雪〜
「 粉雪 」
~口語俳句〜
日をあびてみな棒立ちよ大枯れ野
白鳥よ日の揺れうつるみずのうえ
いちまいのそらどの家も布団干す
そのあしであるいてゆくか七五三
なおあおぐことしのそらよ十一月
幸せをこそおもいだす日なたぼこ
いっせいよ鳩もかけだす初しぐれ
とおくなる日ごとに冬の夕焼けが
マスクしてあたたまりだす胸の奥
あかい大阪あおい東京ふゆの灯よ
◇
木がらしよ身ひくくはしる人力車
寒すずめ日のさす土をついばむか
茶をたてて直の背すじよ冬つばき
手にとってなにおもいだす寒林檎
このさきもせんそうへいわ粉雪よ
子らやがて日本つくるか雪だるま
木みあげていろさまざまよ冬紅葉
くべくべてこころは暮れず落葉焚
去るひとは風とともによおでん酒
ものがたり今に続いてオリオン座
◇
つき過ぎずはなれ過ぎずよ浮寝鳥
太平洋かげおとしてはイルカ跳ぶ
おおくじらおよいでゆくか幾千年
一歩出てみさきのそらよ鷹が飛ぶ
岩にいてまた波にいてふゆかもめ
学院にいのりのじかん木の葉降る
あおぐ木のおおきさほどよ朴落葉
凍て鶴に星がまたたきはじめたか
生ききれず死にきれず手に冬胡桃
いちにちを掃きあつめてよ落葉焚
11月13日〜11月25日
口語体・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
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