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yamamoto15
現代俳句 作品集 16 〜登山杖〜
「 登山杖 」
~現代俳句〜
ひとの世よいつからとなく花の宴
帰郷してじかんたっぷり花種蒔く
雪残る嶺々のひとつよいしづち山
たがやすか夕日のなかに影ひとつ
ぜっぺきよしぶきをそらに春の滝
うららかよどこあるいても草千里
春の靴行くあてもなくあるきだす
菜の花よ海ともどもにあかるい日
通天閣どこから見てもうららかよ
屋じょうをはなれはなれて雲に鳥
◇
アパートよ窓ひとつずつ四月の灯
せんそうがせんそうを呼び落ち椿
屋上よなおたかく吹くしゃぼん玉
ゴールデンウィークと紅茶一杯と
沖よりもとおくに雲よ夏はじまる
山頂よどこから見てもこいのぼり
あおぐたび影きらめかす夏つばめ
新樹光野のはらに立ついっぽんが
瀬戸のかぜ満帆にしてヨット行く
真夜なかがちかづいてくる遠雷よ
◇
たかだかとわきあがってよ楠若葉
うしろ手をつけば富士見え風薫る
そのうえにゆうひをのせて噴水よ
ちぎる穂の果てのはてまで麦の秋
世も人も変わりかわらず夏まつり
帆おろしてならぶ帆ばしら大夕焼
戦争よとおのいてゆくせみしぐれ
げんだいを白黒にしてサングラス
登山杖かつかつと行くおおぞらよ
珈琲よ朝いちばんのキャンプの火
4月26日〜5月10日
いつも
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ありがとうございます
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