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現代俳句 作品集 44 〜立秋〜


「 立秋 」
~現代俳句〜

蓮咲いて千々にいろづくけさの空


葉ざくらのかげよひかりよ写生帳


くぐるたびひろがる園よ薔薇の門


東京タワー昭和の夏のざわめきよ


日に透けて水であるかに目高らよ


鴉の子あさにむかって羽ばたくか


さるすべり馬鹿にせず花赤ければ


箸先よひかりをすするところてん


身のうちを風過ぎゆくか冷やし酒


いちにさんあとはかぞえず蛍の夜

風つどう指飛びたっててんとう虫


神木よ地にふりしきるせみのこえ


絵のように浮かぶボートの人々よ


なつつばめ五重の塔にかぜのおと


切実よいっぽんの木のせみしぐれ


跳躍よゆたかにしなる飛び込み板


はるばるときえゆく虹とふる里と


世のそらに上がる煙ようなぎ焼く


一見さんぽっと酔はせて冷やし酒


三振もダイナミックにナイターよ

ながおかよひらきにひらく大花火


えどがわよぱらぱらしだれ大花火


ひろしまへいわ記念式典蝉しぐれ


鳶飛んであさぞらたかく秋立つか


黒ぶどうにひかりをいれて写生帳


ながさきへいわ祈念式典かねは秋


あさがおよかべ咲きのぼる花の数


交差点あしもとを吹くあきかぜよ


分かれみちとは別れみち赤とんぼ


追いかぜよ手あしすすめて阿波踊


07月28日〜08月10日


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