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sorasagano
現代俳句 作品集 30 〜白鳥〜
「 白鳥 」
~現代俳句〜
首立ててみずうみじゅうの白鳥よ
一羽翔つみずうみじゅうの白鳥と
白鳥に明けては暮れてみずうみよ
鼻むけたさきにかおるか枇杷の花
なが生きの世に燦々とふゆざくら
一口よ和菓子の名にもはつしぐれ
ゆきだるまつくるにほんの風景よ
鷺一羽飛びたってより雪降りだす
かもがわに大橋いくつはつしぐれ
地きゅうごとつづける旅よ冬銀河
◇
歩むたび言葉うしなう木枯らしよ
しずけさを踏んであるくか枯木山
あおぎ見てじぶんも立つか枯木山
駅まえにおおぞらひとつふゆの虹
いたはずのとんびが消えて空は雪
黄かかげて冬菊日ごと揺れやまず
湯気噴いて一気火勢のなべ焼きよ
一晩がくちどけてゆく煮こごりよ
だいぶつのあしもとに陽よ冬の草
立つままに風吹きぬけて枯すすき
◇
手にとってあかるい庭よ柿落ち葉
屋根屋根に一列ずつよふゆすずめ
そらあおぐじぶんも雲かふゆの旅
立としてたたずむ鶴のしずけさよ
えださきに木々は寒星かがやかす
ゆく船をありあり照らすふゆの月
深海をあがってきてはくじら跳ぶ
かざす手の黙々としてストーブよ
ながれくる水よひかりよふゆの河
橋のしたすぎてきらめくふゆの川
11月29日〜12月13日
いつも
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