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現代俳句 作品集 19 〜北極星〜
「 北極星 」
~現代俳句〜
一天を押しあげているふんすいよ
たけが生え朔太郎忌をたけが生え
海峡の果てけぶらせて梅雨に入る
あじさいよ雲にかくれて富士筑波
一本のくきからはらり花しょうぶ
傘はみな虹になったということか
城のせてあお葉の山がどっしりと
おおぞらに放流するか梅雨のダム
ほたる飛ぶ月ひとつない村にこそ
母として母をしのぶかほたるの夜
◇
ながながと美のなかにいて大朝焼
ふんすいは街のまんなか鳩が飛ぶ
スカイツリー人びとと立つ炎天よ
祭りして都会をそだてつづけるか
鳴くほどに世があかるむぞ四十雀
見わたして地下街じゅうが冷房よ
しんしんと無があるだけよ蟻地獄
教会のひっそりとして薔薇のなか
世とともに一人暮らしよレモン水
夏の月なにもかもある都市にこそ
◇
はためいて「氷」の一字滝のおと
その底に遺跡がいくつなつのうみ
ヨットみなしの字しの字よ凪の海
突っ立って地球そのもの大向日葵
どっしりといのちいだいて金魚鉢
ゆうやけてへいわな今を愛そうか
海の家灯ともしてみなほしのなか
北極星夜ごとひとつのすずしさよ
じんるいのはんぶん眠るなつの月
悠久のうたよ踊りよハイビスカス
6月13日〜6月25日
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
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