現代俳句 作品集 20 〜かわりゆくうた〜
「 かわりゆくうた 」
~現代俳句〜
黙としてあゆみ去れずよえごの花
沖の船過去見るようにサングラス
太宰の忌灯がてらしだす夜のあめ
ながれ去る街のあかりよ梅雨の夜
二三夜はほしぞらのなか旅ゆかた
きおいよくたまご溶き入れ柳川鍋
一つ二つそしてひかりのほたる橋
雲だけが自由ほんぽう田植えどき
かたつむり四本のつのいそがしく
釣り竿よダム湖夕空ブラックバス
◇
開放感ミントのアイスクリームよ
ラジオFMゆうぐれてゆく海の家
夕暮れよきこえきこえず蝉しぐれ
ゆうだちのあと夕映えをゆく船よ
部屋のなかただよい続け夜の金魚
冷蔵庫じかんが冷えてゆくおとか
きく人にきこえて寺のせみしぐれ
足もとに杉の木漏れ日ほととぎす
いけのみず黙とにごってはすの花
おおぞらのざわめくことよ木下闇
◇
うみがめとともに月あるすな浜よ
花言葉ありありと秘め薔薇ひらく
釣り人の川なかに立つすずしさよ
日が暮れてほのおの鮎の串焼きか
ハンモックほしのせかいは無限大
満天に神話かがやきキャンプの火
青りんごかりりと雨後の鬱晴らす
夏の月ながめるところふるさとは
ほしぞらのせいじゃく野外演奏よ
うたいつつかわりゆくうた祭の夜
6月27日〜7月12日
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
◇関連記事◇
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?