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現代俳句 作品集 49 〜明星〜


「 明星 」
~現代俳句〜

いねを干す戦前戦後きょうあした


神だなはいつも頭じょうに豊の秋


すずめ来て突つきのこすな大刈田


ねぎらうかひとにぎりして秋の土


ふるまいの酒尽きるまで秋まつり


秋の蝶しの字のかぜに舞いあがれ


そらをあおぐ第六感よことり来る


ぶどう棚空を摘んでも摘んでもよ


雁の列みだれてはまたととのって


木のみきよいくつひかって月夜茸

しずかさがきこえてくるか秋の滝


この丘よ吹くひともいて草のわた


もみじ川早る瀬おとのたかさこそ


寺町は屋根屋根屋根よことり来る


あきへんろ杖つく音も暮れゆくか


秋遍路うしろすがたはいつわれず


撞く影よゆうぞらじゅうが鐘の秋


だいぶつのちんもく聴いて秋の暮


雲切れてすがたあらわせ月見びと


わたりどりごと明けゆくか西の空

日あたるかいしづちもまた紅葉山


木を落ちて未来ころがる椎の実よ


文化祭きょうたかだかと鳩飛んで


ゆく秋の河のながれのはやさこそ


熱気球とぶそらたかくたかくして


千の灯がてらしだす橋あきのくれ


屋じょうよいまオリオン座流星群


虫籠が鳴きだしてよりしずかさよ


世の空があかるみはじめ夜学の灯


ひややかに満ちゆく明けの明星が


10月15日〜10月27日


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