現代俳句 作品集 49 〜明星〜
「 明星 」
~現代俳句〜
いねを干す戦前戦後きょうあした
神だなはいつも頭じょうに豊の秋
すずめ来て突つきのこすな大刈田
ねぎらうかひとにぎりして秋の土
ふるまいの酒尽きるまで秋まつり
秋の蝶しの字のかぜに舞いあがれ
そらをあおぐ第六感よことり来る
ぶどう棚空を摘んでも摘んでもよ
雁の列みだれてはまたととのって
木のみきよいくつひかって月夜茸
◇
しずかさがきこえてくるか秋の滝
この丘よ吹くひともいて草のわた
もみじ川早る瀬おとのたかさこそ
寺町は屋根屋根屋根よことり来る
あきへんろ杖つく音も暮れゆくか
秋遍路うしろすがたはいつわれず
撞く影よゆうぞらじゅうが鐘の秋
だいぶつのちんもく聴いて秋の暮
雲切れてすがたあらわせ月見びと
わたりどりごと明けゆくか西の空
◇
日あたるかいしづちもまた紅葉山
木を落ちて未来ころがる椎の実よ
文化祭きょうたかだかと鳩飛んで
ゆく秋の河のながれのはやさこそ
熱気球とぶそらたかくたかくして
千の灯がてらしだす橋あきのくれ
屋じょうよいまオリオン座流星群
虫籠が鳴きだしてよりしずかさよ
世の空があかるみはじめ夜学の灯
ひややかに満ちゆく明けの明星が
10月15日〜10月27日
いつも
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