口語俳句 作品集 14 〜ヨットの帆〜
「 ヨットの帆 」
~口語俳句〜
絵はがきの風車とともに夏が来る
ざわざわと日かげもうごく葉桜よ
島々よよくはためいてこいのぼり
ちんもくにちんもく返す武者人形
やどかりよ巻きこんで引く波の音
瀬戸うちの島、波、月日、大夕焼
虹一重そらにしんじつのこるまで
この街よすこし見なれて土手の虹
目つむってまたふるさとへ遠い夏
風鈴よ夜々生きたさがあるばかり
◇
葉ざくらよかげとひざしの珈琲店
ものおもいかこへみらいへ風鈴よ
あさってへはなびらを垂れ燕子花
からの巣よもうおもいでの燕の子
むこうにもせかいかがやく噴水よ
田一枚間をうつくしく植えてこそ
かきつばたかげも花咲く水のうえ
竹林よあしもとにまでみどりさす
どこに耳すましても山ほととぎす
いまの世におもいでの世に蛍とぶ
◇
行く雲よ風いっぱいにヨットの帆
前半身海光のなか────白日傘
空にきえ空にあらわれつばめの子
夕空よそまりそまらずヨットの帆
目とじて耳だけになるふうりんよ
一つ鳴く山そのもののかっこうが
かき氷かきくずしてはほおばって
地方すでに人少なくてふんすいよ
いつからかまっただなかに蛍の夜
消灯よ大地とねむるキャンプの夜
05月06日〜05月16日
現代語・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です
ふだんの話し言葉・記号・句読点・
カタカナ・外国文字・アラビア数字・分かち書き
なども活かして必要最小限使用しています
下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です
◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体
◇口語=口語体=現代語=書き言葉(文語体)
∟==話し言葉(口語体)
◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い
◇その他 記号・句読点・外国文字など
◯使用している切れ字について
この作品集では
現代的な切れ字を使用しています
「現代切れ字 十八字(推奨)」
よ・か・ぞ・と・に・へ・せ・で・まで
ず・れ・け・た・が・て・は・な・こそ
◯生成AIの利用 について
下記は、生成AIによる鑑賞・比較・意見を参考にして、自分で推敲・完成させた作品です。
◇生成AIに担当してもらった点
ちんもくにちんもく返す武者人形 2つの案の比較
やどかりよ巻きこんで引く波の音 句意が通じるか
虹一重そらにしんじつのこるまで 2つの案の比較
葉ざくらよかげとひざしの珈琲店 句内の語の比較
むこうにもせかいかがやく噴水よ 句内の語の比較
◯俳句の目標
いま心にとめているもの
取り組んでいるものを挙げておきます
「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」
「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」
「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」
◇ 今回のメモ ◇
口語俳句は、現代語でつくる俳句
俳句は現代語でも、古典語でもつくれる
つくりやすい方でつくって楽しめる
どちらにも佳句・秀句はある
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
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