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2023年4月の記事一覧
現代俳句 作品集 37 〜春惜しむ〜
「 春惜しむ 」
~現代俳句〜
ながながとふじはなぶさに重力よ
とおい日が咲きでて奈良の八重桜
船たびよ島ひとつずつさくらどき
せとないかい島からそらへ春の虹
石にこころきざんで歌碑よ鳥雲に
母子草はっとこころをとりもどす
春の雁とびたって無のみずうみよ
瀬戸の島おぼろ月夜ということか
目のほかは暗やみのなかおぼろ月
はるのほしいくせんまんよ天文台
◇
来る河のながれにか
現代俳句 作品集 36 〜さくら〜
「 さくら 」
~現代俳句〜
寝について奈良は蛙のこえのなか
そのうえに五重の塔よあさざくら
ふぶきだすそらいちめんよ大花見
はなびらの二十日ふぶいて吉野山
ただなかにいて死も生も花ふぶき
咲き満ちてバス停名はさくらが丘
花冷えの小川もっともせせらぐか
ひざのうえにぎりこぶしよ卒業式
ふもと村千々のひかりの雪解けよ
ちかくあるまんげつ桜舞いだすか
◇
えだえだに鳴く鳥のい