2022年9月の記事一覧
現代俳句 作品集 ２５ 〜天文台〜
「 天文台 」
～現代俳句〜
コスモスよそのそらたかく時計塔
一馬身ぬけだす騎手よあきのかぜ
ワイシャツを真っ白に着て涼新た
かもめ見るすがたさわやか双眼鏡
りんご飴手ごとにあかく秋まつり
新幹線はしりだすたびさわやかよ
吹き吹いて風にすがたよすすき原
地上へとエスカレーターあきの空
運転手バスから見るかほしづき夜
アパートが聴く一匹のこおろぎよ
◇
天文台夜々落ちかかる
現代俳句 作品集 ２４ 〜さまざまの秋〜
「 さまざまの秋 」
～現代俳句〜
見つめつつ見晴らしつつよ大花野
わた飛ばす穂よ一天のすすきはら
わたりどりなお越えゆくか遠山河
虫のこえ星ぞらほどににぎやかで
朝顔がつぎつぎひらきいまの世よ
茶漬けして紅ほろほろとほぐし鮭
きそい建つビルもたかいぞ雲の秋
カーテンのむこうは空よ小鳥来る
テーマパーク夕空広くとんぼとぶ
そのなかをゆく自転車よ穂絮とぶ
◇
手にのせて穂が