- 運営しているクリエイター
2019年6月の記事一覧
水着はないけど、スカボロービーチ 「ホームステイママ②」
セシリーは小さなきみどり色の小鳥を飼っていた。鳴き声が「スイート」と聞こえるのでスイートという名前で呼んで可愛がっていた。関係ないけど向こうの人は本当に子供のことをマイスイートと呼んだりする。
鳥が好きなのか、僕たちホームステイの人たち含め何を養ったりするのが好きだったのかも知れない。オーストラリアにはカラスがいる。日本のカラスよりも少し大きくて鳴き声も少し違う。鳥にも外国語的なものがあるのかも
水着はないけど、スカボロービーチ「ホームステイママ①」
朝8時。カンカンカンとフライパンとお玉を打ち鳴らす音。「グッモーニン、ボーイズ!ブレックファーストレディ」。
それがオーストラリアで最初に暮らした家の朝の音だった。
最初に僕が滞在したのはセシリーさんというすこしぽってりとして、いつでも笑っている快活な65歳くらいのおばあさんの家で、今は家を出てしまった子供たちの部屋をホームステイ希望の外国人に貸し出ししていた。庭に自家用プールがあってお金持ちな
連載「水着はないけど、スカボロービーチ」
はじめに・・・
Pityman(ピティーマン)という劇団で演劇をつくっています。山下由(やましたゆう)です。
今年の9月に「ばしょ」という作品を再演します。これは僕が20代前半のころ半年ほど滞在していたオーストラリアでの出来事をベースにつくった作品です。
この作品をもう一度やるにあたってその頃あったことなどを書いてみようと思いました。「水着はないけど、スカボロービーチ」
なんでオーストラリアに