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「仕事が遅い人」の本音から考える彼らの仕事が永遠に遅いワケ

こんにちは!
習慣の達人くるーめです。

JTC(いわゆるJapanese Traditional Company)で管理職として部下を抱え、組織を運営しています。

どんな職場にも、「仕事が遅い人」いますよね。東京だとそれなりに人もいて、代替もききます。

地方に行ってよくわかりました。

人、いないんです。

いる人で何とか組織目標を達成しないといけない。一人でも「仕事が遅い人」がいると致命的です。

仕事が早かろうが、遅かろうが、要員カウントされていますから。

そんな「仕事が遅い人」を抱えるマネージャー向けに、対策をご紹介します。

仕事が遅いと思っていない

いつも最終退社時間のギリギリまで働いている。デスクの上は書類が山積み。メールやチャットのレスが遅い。締め切りも守らず督促ばかりされている。

こんな人いますよね。そうです。「仕事が遅い人」です。

「あぁ、いるいる。うちの○○さんが正にそう」

こんなマネージャの声が聞こえてきそうです。

どこにでもいる「仕事が遅い人」。彼、彼女らが、なぜ何処にでもいて、同じように仕事が遅いのでしょうか。

それは、ある特定のマインドセットを持っている人だからです。

『自分は仕事、遅くない』

ビックリしますよね。仕事が山積みなのに、締め切りを守らないのに、いつも残業しているのに、仕事が遅いと思っていないのです。

仕事が遅い人のホンネ

事実として全く仕事が回っていないのに、なぜ「仕事が遅い」という自覚がないのでしょうか。どのように自己認識しているのでしょうか。

『仕事、多すぎ。終わるわけない。』

そうです。彼、彼女らも、現状で仕事が回っていないとの認識は持っています

ただ、「これだけ仕事を振られていたら、どんだけ頑張っても終わる訳ない。こんなに残業しているのに終わらないんだから」と内心で思っています。

ポイントは、仕事が回っていないことは理解している。でも仕事が遅いとは思っていない。ここです。

仕事が遅いのは、too muchなアサインをしてきた上司のせい。ワガママな取引先のせい。つまり自分を取り巻く環境のせいだと思っています。

「何で自分はいつも仕事が遅いんだろう。どうしたら、早く片付けられるのかな」と、自責思考で考えていない点がポイントです。

学ばないからずっと遅い

自分は仕事が遅いと思っていないので、仕事を上手に進める方法、時短術、思考法などを学ぼうとは全く思いません。

ある「仕事が劇的に遅い」部下に話を聞きました。

「仕事、全く回っていません。正直、仕事が多すぎて、とてもこなせるとは思えません。外回りや研修も多いし、まとまって作業する時間も取れません」

こんな感じです。全て外部環境のせいです。(この部下には、特に多くの仕事を任せている訳ではありません)

この部下が、どうやって仕事をやり繰りしているかというと、会社が労働時間管理をしていないサブメールシステムを使っています。

会社のPCを使うとログが残ってしまうので、長時間勤務がバレて怒られます。

それを回避し、サブメールシステムを使って、「労働時間外」にメールをチェックして、送信するだけの状態で保存しているようです。

要は、「多すぎる仕事」問題を、労働時間で解決しているだけなのです。

前提には、「自分は仕事が遅くない。仕事が多すぎるからいけないんだ」とのマインドセットがあります。

だから、仕事を効率よく進める方法を学んで、何とか状況を改善しようとの発想にはならないのです。

素直そうで歪んでいる

このタイプの特徴は、「人がいいこと」です。基本的に、全て受け身です。頼まれ仕事は文句を言わずに引き受けます。感謝されます。それを、「頑張っている自分」として誤認しています。

当然、仕事はたまる一方。なんとか、労働時間を伸ばして、人より長く作業することでこなしている。めっちゃ頑張ってる。

これがベースにあるので、仕事が回っていない事実は棚に上げて、本人の自己評価は驚くほど高いです。

文句は言わず、素直に仕事を受けるものの、労働時間という自己犠牲を積み上げているので内心ではストレスフル。

歪んだ状態です。仕事が遅いことを指摘・指導したりすると、それを契機に、一気に爆発することがあります。

なお、仕事が速い人のことは、「仕事量が少ないから、クイックな反応・対応ができているだけ」と思っています。

「私だって、仕事量さえ少なければ、同じようにスピーディに仕事をこなせる」と思い込んでいます。

仕事が速い身近な人を例に挙げて、真似してもらおう、発奮してもらおうと思っても、根底が歪んでいるので自分の行動を変えようとは考えません。

メタ認知ができない

仕事が遅い人は、一つの具体的な作業を、そのまま「独立した1つの作業」として捉えています。

タスクをメタ認知して、別の効率的な解決法(やり方)を探るとか、代替手段を検討するといったことができません

できないというよりも、その様な発想自体ができません。学ばなないので、メタ認知という言葉自体を知りません。

だから、「A」というタスクと、「A'」というタスクがあった場合に、別々のタスクと捉えて、それぞれの対応マニュアルを一から読んで順番に作業をします。

仕事が速い人(普通の人)は、両方のタスクについての本質を抽象的に理解し、共通する対応方法を適用した上で、差異点はどう処理するのが良いかを探るはず。

または、本質に着目して、全く異なる簡易な代替手段で済ませるかも知れません。

仕事が遅い人は、それができない。一つ一つ、目の前のタスクを順番に処理していくだけです。

仕事を速くさせる方法

残念ながら、特効薬はありません。

唯一の対策は、

自ら学ぶように仕向けることです。

喉が乾いていない馬を、川べりに引っ張っていって、頭を押さえつけても水は飲みませんよ。

労働時間の長期化による解決では、永遠に目の前の状況は変わらないと理解させる必要があります。今100のキャパだとしたら、120の仕事は、120のまま。80になり、70にはならないことを理解させます。

「なるほど。状況を変えるには自分が変わらないとダメなんだ。学ばないとダメななんだ。」

こう腹落ちさせることが唯一の対策です。学ぶことの必要性を繰り返し伝えて腹落ちさせます。

<仕事が遅い人は、永遠に遅い>

仕事が遅いと思ってない
  ↓
学ぶ必要性を感じていない
  ↓
学ばない
  ↓
遅いまま
  ↓
締切超過による余計な手戻り作業が発生
  ↓
仕事が「増える」

逆に、学びが必要なことを理解させることさえ出来れば、指導は終わった様なもの。

本屋にでも、Youtubeにでも、身近な先輩でも、仕事を早く終わらせるためのノウハウなんて既に転がっているからです。

問題は、

それを最も必要とする人たちには届かないことの方なんです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

仕事が速い人と、遅い人の間の軋轢。速い人からすれば、「なぜ、あの人はいつも遅いんだ。なぜ、早くするための努力や工夫をしないんだ」と見えているはず。

その問い掛け自体がナンセンス。本人は、どれだけ仕事が捌けなくても、遅いと思っていないのです。

であれば、そんな不毛な「こうあるべき論」でイライラすることは止めた方がいい。学びの必要性を教えてあげて様子を見る。

学ぶ姿勢が見られなければ、ジョブアサインメント自体を変えるか、配置転換の他にありません。

ちなみに、私の見立てでは、この手のタイプ、永久に変わらないのです、、

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