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アメリカ南部(the South)の魅力

アメリカ南部に住んで丸1年。
1歳半の息子は日本よりもアメリカ生活の方が長くなった。このままこちらに住み着きたい…!そんな風に思わせてくれる「ここが好きだよ南部!」というところを紹介したい。

■ とにもかくにも大自然

わたしが住む地域は亜熱帯気候というのか、ヤシの木が生えているような、少し南国の雰囲気があるところだ。夏の蒸し暑さも日本とそれほど変わらず、冬もそこそこ暖かい。住みやすい気候だ。

こちらに来て最初に驚いたのは、木がとてつもなく大きいこと。単に大きいといってもVeryではない。Humongousだ
単身赴任中の夫からよく電話で「木が本当に大きいんだよ」と聞いていたが「まぁそうは言っても」と話半分に聞き流していた。
ごめんなさい。めちゃめちゃ大きかったです。感動ものです。
州の歴史に関する本にも「16世紀ヨーロッパ大陸からやってきたスペイン人は、まずその木の高さに圧倒された。」と書かれており、日本人だけじゃなくヨーロッパの人も驚く圧巻のサイズなんだなと興味深かった。

そしてただ大きいだけじゃなく、木の種類が多いのがまた楽しい(どれだけ木が好きなんだ)。
ヤシの木、サルスベリ、松、楓、名前も知らない南国風の花や木々。
それらが雑多に、人工的ではなく自然に寄せ集めたように生えているのが何とも素敵だ。

息子は公園で「はっぱぁ!はっぱぁ!」と叫びながら葉っぱを拾い、公園内を流れる小川に葉っぱを流す遊びにはまっている。こんなふうに毎日自然の中で遊べることは、日本にいたら中々出来ない貴重な経験だと思う。

ここは少し内陸なので海まで出ると車で2、3時間はかかってしまうが、近所の川は川遊びをしている人で溢れかえっているし、湖なら車で20分くらいで行ける。湖ではみんなマイボートでクルージングを楽しんでいる。優雅だ。素敵だ。わたしもボートが欲しい(ついでに免許も欲しい)。

もともと自然が大好き、旅行が大好きで、日々の仕事は「次の旅行」のために働いていた。都会に住んでいると大自然を拝めるのは夏休みくらいだが、ここでは行きたい放題。とっても幸せだ。

■ 家が広い

ありがたいことに家がとても広い。我が家は一軒家ではなくアパートだが、日本から持ってきたソファやダイニングテーブル等の大型家具を置いてもスペースががら空きだ。子供がリビングを思いっきり走り回っているのを見ると「日本に帰りたくないなぁ」と思ってしまう。

帰国後のことを考えるとあれこれ買っても「次の家に入りきらないかも」という心配をしないといけないので、家具やおもちゃの購入をセーブしているところが辛いところだ。

アパートにプールが付いてるのも当たり前。最高だ。

■ 時間がゆったり流れている

周囲におしゃれなカフェや雑貨屋さんはない。ファンシーなデパートもない。日本にいた頃のキラキラした休日も捨てがたいが、こちらでの過ごし方も割と気に入っている。

芝生にレジャーシートを広げてのんびり過ごす。
公園巡りをして息子のお気に入りの公園を見つける。
たまに川遊びをしたり、家のプールに入ったり。
息子が小さいのでボートには乗れないが、キラキラと光る湖を見ながら周囲を散歩するのがとても気持ち良い。

時間を気にすることもほとんどない。
気にするのは唯一息子のごはんとお昼寝の時間だけ。
元々せっかちな性格なので、この時間がゆったり流れる感じが何とも新鮮だった。

■ 自分のスキを大事にできる

先日近所の川沿いを散歩していると、上流から50代くらいの女子2人組が大きな浮き輪に乗ってぷかぷか流れてきた。浮き輪同士はロープで繋がっていて、おしゃべりしながら流されていく。めちゃくちゃ楽しそうだった。

もうアラサーだからこの服は着れない。
もう50代だから川遊びはやめておこう。
誰もダメとは言わないが何となく周囲の避難の目を感じる。それが日本だ。

ここではそんなことを気にする人はいない。
みんな好きな服を着て、好きなことを自由に楽しんでいるように見える。
自分の感情に素直に行動できるし、他人のことをとやかくジャッジしない。
自己肯定感を高め、他者を受け入れる器も広げられそうな環境だ。

■ フレンドリーな人が多い

Hey Y'all!でおなじみの南部英語がとにかく明るくて可愛い。ハンバーガーショップのお姉さんに"Hey Y'all!"と元気に挨拶をされると自然と笑顔になれる。(自分は恥ずかしくてHey Y'all!返しが出来ていないが…笑)

南部の人は自分の言葉が訛っているという意識がある人も多いようだ(実際に何を言ってるのかさっぱりわからないことも多い)。わたしの拙い英語にも「俺の英語よりよっぽど聞き取りやすいぜ、HAHA!」という具合に褒めてくれる。そもそもこの意訳にも彼らのフレンドリーさが表れている。

<わたしの勝手な意訳イメージ>
@ロンドン「貴方の英語は全然悪くありませんよ」
@NY   「君の英語はGoodだよ」
@南部  「俺の英語よりよっぽど聞きやすいぜ、HAHA!」

ロンドンもNYも旅行で数日しか訪れたことはないが、わたしのイメージはこんな感じだ(ちなみにイギリス英語が大好きだ。)
それぞれ親切な答えだが、南部は1番堅苦しくなく親しみやすいのではないだろうか。

ちなみに他州に出張する夫や会社の先輩に聞いても、南部は優しい人が多い印象だとか。都会より田舎の方が良い人が多いということなのか。

■ 番外編  虫だけは気を付けて…

大自然という素晴らしい魅力の裏には、ある厄介者の存在が付き纏う。
だ。わたしは虫がとても苦手だ。
どれくらい苦手かというと、1人暮らし(既に社会人)のときにGが出ると泣きながら親に電話するほど苦手だ…。

それなのにこの夏、わたしは毎日のようにGと対峙した。
玄関を出ると、やつらがアパートの廊下に転がっているのだ。ここではGごときでは誰も騒がない。ひとり「きゃー!」とでも叫べば、周りからやばいやつだと思われる。それがまた辛い。死ぬほど怖いのに恐怖を表現することも出来ないなんて。

今日は5匹か…まあまあだな。最近は夫にも「Gにも大分慣れたね!」と褒められるが、この境地に至るまで相当しんどかった。

Gだけでなく、日本最大級クラスのカメムシとか、巨大〇〇もよく出現する。うちが公園の近くだから特別虫が多いのかもしれない。けれど、虫が苦手な方は南部を訪れる際この点だけはご注意頂ければと思う。

■ 終わりに

ああ、Gのことなど書くのではなかった。
せっかくの幸せな気分が台無しだ。
ここまで読んでくださった方には先に書いた南部の良いところが少しでも伝わっていたら嬉しい。
こちらに来てまだ1年( その内半年は自粛生活)。
早く気軽に外出できるようになって、まだ見ぬ南部の魅力をたくさん発見していきたい。





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