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まくらのそうし

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日々の風景、周りの自然などを綴ったエッセイです。毎日更新。1話は原稿用紙1枚ほどです。田舎暮らしの風景をお届けします。
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#生物がすき

尺取り虫

 子供たちを魅了したのは、尺取り虫で、これが名前通りに尺を採り、正確に進む様子を楽しんだ…

【エッセイ】 みのむしのかくれみの

 昔は蓑を剥ぎ、折り紙をちぎった箱に入れ、折り紙の蓑を作る虫と、気軽に試したものであるが…

【エッセイ】 海の魚は、水族館より面白い

 シュノーケリングなるものをして、海の中の魚を覗く。  これがことのほか面白く、体力が続…

【エッセイ】 枯れ草の中のトカゲ

 アパートの庭はトカゲだらけで、毎日のようにそれを捕まえ、遊んでいたため、その音だけでト…

某園芸センターの思い出

 何かの法に触れはするだろう、その園芸センターという場所は、草木の鉢以外にも、鳥や魚を扱…

【エッセイ】 ツバメとトンボ

 益虫、益鳥なんてものは、人の勝手と分かっていても、その勝手な人類としては、それ同士で争…

命とは、どこに宿るものかと考える。

 命とは、どこに宿るものかと考える。  例えば、それは冬の朝、キャベツの葉に凍り付いたアオムシが、日の光にゆっくり溶けて、そうしてやがて動き出すとき。  例えば、大きな蛹が潰れ、青と白の、絵の具のような色を流すとき。  藤の蔓が支えを探し、中空へと伸びるとき。  雨の後、草の一斉に伸びるとき。  果実が赤く実るとき。  切り倒した樹木の、春にひこばえが激しいとき。  蝶の死骸の、あまりに軽いとき。  足の欠けた虫が、どことも言わず歩くとき。  積もった落ち葉

3億年の本の虫

 ダンゴムシを平べったくしたような体に、長い触覚や尾を付けて、壁や畳の隅に佇む虫なら、そ…

【エッセイ】 カニのご馳走

 珍しく、カニが左鋏に何か持ち、道を歩く姿を見かける。  ボルトの軸か、それとも細いジャ…

【エッセイ】 バカの種

 草むらを歩くと、いつのまにかくっついている、草の種子を「バカ」と呼ぶ。  オナモミやハ…

泡のある草の正体

 草に泡のような卵塊を産み付けるカエルがいるという知識があり、それをそのまま放っていれば…

キノコをビニール袋に入れてはいけない

 木を切り、穴を開け、駒打ちをすれば、菌糸の回り、花が咲く──すなわち、キノコが顔を出す…

ヘビを助けたのか分からない話

 蛇が車道で動かなくある。  轢くのも情がないことと、止まり、近づけど動かない。  困っ…

ハチの子育て、人の手助け。

 幼い頃、とっくり蜂の絵本を見ては、面白い蜂がいるものだと、その姿に心を躍らせた。  この蜂はイモムシなどに麻酔を施し、巣へ運び、幼虫の餌にするのである。  人は子供の時分から、犬や鳥というのはまだしも、虫は虫けらと思いがちで、その虫けらが子育てをする、親が子に食べ物の用意をするとなると、人という高尚な生き物と、虫けらという下層のものが重なり合い、まったく奇妙な思いがするのである。  その絵本は読み込んだため、現実にとっくり蜂を見なくとも、見たような気になっていたが、山