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Twitterに書いた言葉たち

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Twitterに書いた言葉を集めたものです。
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記事一覧

Twitterに書いた言葉たち(1~10)

1)砕けてゆく腕が光に透き通り 硬化したばかりの腕が落ちた 風の音が空を切り 別れの音が侵攻…

黒崎 水華
1年前
12

Twitterに書いた言葉たち(991~1000)

991)稲穂が揺れる海原の波音から 運ばれてくる一行の詩篇 手渡された夜の清けさ 捲られる本の…

黒崎 水華
2年前
4

Twitterに書いた言葉たち(981~990)

981)折り重なった肉体は朝を迎えるまで 季語を置き去りにしている 蔑んだ舌先は抜き取られ 白…

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(971~980)

971)泥濘む食卓の木乃伊取り 砂の林檎を噛んでいる 夜更けの舟漕ぎは嗅覚を売る 魔物の夢に耽…

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(961~970)

961)海を切り分けるように 皿の上に飾って 口に運んで咀嚼したら 珊瑚礁の感触が 舌先に感じら…

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(951~960)

951)皮膚で摩擦が言葉を交わしている 床の冷たさが魚の鱗を真似て 立ち上がってゆくのを視る …

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(941~950)

941)草臥れた月を刈り取って 室内に干しておくと 死んだはずのあなたが 嬉しそうにそれをつついている これはユメだから 蛇足を憑けてゆくと 夕餉の支度を始めている 萎れた人参を水に漬け戻すように あなたも生き生きと働く 配膳が終わると満足そうに あなたは笑って消えた ご飯はまだ温かく残っていた 942)うっすらと顔が浮かび上がる 寝室の壁に鏡を置いた 鏡の奥で水草のようにゆらゆらと 髪を逆立てた女が揺れている 美しい女はまるでオブジェだった 943)頭痛が伸し掛り 気付

Twitterに書いた言葉たち(931~940)

931)虫除けの注意書きには根を生やす 毒性植物の羊歯が視える 緑色のボタンから充満してゆく …

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(921~930)

921)石鹸で手を洗うと 落ちているのは何か 私の何か大事なものだったのでは 、と蛇口が嘯いて…

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(911~920)

911)利き手が多弁になると 塞いでゆく明滅の顔 鬼瓦が燥ぐのは 雨音に宿る雷鳴の所為 仕草が美…

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(901~910)

901)赤い夜に蝙蝠傘の男が 音もなく歩いてくる 小さな反響は波紋となって 遠くの国の歌を流す …

黒崎 水華
2年前
1

Twitterに書いた言葉たち(891~900)

891)強ばった身体の中で 骨が軋んで音を立てる 肉体を夢の前で脱皮して 入水すると魂は魚に擬…

黒崎 水華
2年前
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Twitterに書いた言葉たち(881~890)

881)黒い液体を飲んでいる 黒い液体を飲んでいると 口の中で黒い渦が巻く 口の中で黒い渦が巻…

黒崎 水華
2年前
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Twitterに書いた言葉たち(871~880)

871)逆さまに花開く肋骨の中で 女の頭部を抱いて睡る 唇に血を塗り化粧て仮縫い 剃刀は月に口づけ 青白く浴槽で羽撃く蝶の歌 (毒の滴る密室で秘蜜は溢れてゆく) 磔刑に処される美少年の背骨 爪先から種子は零れ落ちる 耽溺は覚醒のカタルシス 恍惚を骨に刻み所有する黎明 「骨抜きにして夜は酩酊せよ」 872)誰の声も聴くな、お前よ」 波音が寝室を浸すと 夜は一層深まるばかり 燃える熱帯魚の尾鰭が優雅に翻り 凍えてゆく手足を切り落とす (お前の為の犠牲は悪意で彩られる)