自分の仕事が虚業だと感じて(気づいて)しまった人へ
今回の投稿は、私が過去会社員時代にぶつかった壁です。
『私の仕事って、世の中の役に立ってない、無意味な仕事なんじゃないか』と思った方は是非お読みください。
こんにちは、株式会社クロコという会社を経営しております谷田部といいます。
2020年7月に会社を作り、人材にかかわる仕事をしております。
虚業とは?
いつの時代にも「虚業」と呼ばれる産業がある。「堅実ではない」「空虚な」という意味合いで使われ、反対語は「実業」である。
多くの場合、モノを生み出さない知的産業において実体のない仕事、意味のない仕事という意味で使われることが多い。
谷田部が28歳でぶつかった壁
私は、古巣のMS-JAPAN(東証一部上場企業)に在籍していた際に、一度だけ全社MVPという個人売上No1の賞を取ったときがあります。
その当時人材紹介という仕事においてただひたすら『売上』を求めて仕事をしていました。
ある時、著名な弁護士の先生にアポイントを取り、営業をかけ、求人を頂こうとしたときに先方から一言言われました。
『君たちの行っている人材紹介というビジネスが我々弁護士業界の採用活動にどれだけ悪影響があるかわかるか?わからないのであれば今すぐ帰りたまえ。』
後輩を連れて意気揚々と営業に来た私は赤っ恥を晒し、怒り心頭でした。
冷静になって考えましたが正直言って、弁護士先生のお言葉の意味がわかりませんでした。
自分の行っている人材紹介という仕事は、企業の採用を助け、求職者のキャリアを応援するものだと信じていたからです。
後日、弁護士先生に改めてお時間を頂き、人材紹介というビジネスについて見解をお伺いしました。
そこでお話頂いた内容が、『就職(求職者)と採用(企業)の関係性は景気と人口構成により決まるものであり、本来は自然の摂理で循環するものである。
しかし、人材紹介会社が入り、その流れを滞留(求職者・求人を抱える)させることで一定のプレミアムを付けフィーを獲得する。
いわゆる『せどり』ビジネスでありそれは虚業である。』と仰られました。
一生懸命に仕事をしてきたつもりでしたが、その説明には一定の納得感があり、私自身このままこの仕事を続けるべきなのか、壁にぶち当たりました。
今でも覚えていますが、この出来事の後、実家に帰省することがあり親と酒を飲みながら酔った私は、泣きながら『今の仕事は誰も幸せにしていない』と言っていたらしいです。
克服手段
そんな精神ぼろぼろの状態でMVPの表彰を受け、嬉しさ半分虚しさ半分という状況でした。
どのように克服したかというと、『自分の仕事が虚業であることを認め、その中でベストを尽くそうと決める』ことです。
世の中には、新たなビジネスを始めると、『得をする人』『損をする人』が必ず出てきます。
全員がハッピーな事はありません。弱肉強食の椅子取りゲームです。
特に知的労働という目に見えないサービスを提供することが当たり前の世の中では損をする人から見るとその仕事は虚業以外の何物でもないのです。
確かに私は、人が幸せになるようなハッピーな『モノ』を作れる職人ではありません。
しかし、人のキャリアや企業の採用の成功について唯一無二の職人のように精巧な仕事が出来ると確信しています。
だからこそ一部の人からは虚業と呼ばれることはありますが、それがビジネスだと飲み込むことで有頂天にならず自分を律することが出来るのだと思います。
最後に
私は、この出来事を経て、ビジネスマンとして一つ強くなったと自分では思っています。
『自分がいなくても仕事は回る』と言われる人はいますが、『この仕事が無くても世の中は困らない、』という事を受け入れることも高度化(飽和した)された現代社会には必要なのかもしれません。
悩んでいる人へ、
会社内にいる上司は、もしかしたらあなたのその悩み自体をそもそも理解していないのかもしれません。
そんな時は、お客様や知り合いなどに是非相談してみると良いかもしれません。
この悩みに年齢は関係ありません。いつ気づくか、いつ乗り越えるかだけです。
この投稿が悩めるビジネスマンのヒントになれば幸いです。
※後日談ですが、文中の弁護士先生に、なぜあの時、あのようなお話をしていただいたのかと聞いたところ、『28歳にもなって、自分の正義を疑わない青二才だなと思ったからちょっといたずら心で』と茶目っ気たっぷりに言われ、感謝の気持ちと共に、私もこんなビジネスマンになりたいと思った次第です。
以上、またよろしくお願いいたします。
株式会社クロコ 谷田部
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