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CL GroupB 第6節 【ACミラン×リバプール、FCポルト×アトレティコ】

ACミラン×リバプールスタメン 人への意識 勝たなければいけないミランは、これまでも意図への意識が強いプレッシングを行っていましたが、この試合の立ち上がりの強度はこれまでの試合よりも高かったと思います。 4-4-2をベースに、ボランチのトナーリが積極的にアンカーを捕まえに前に出ていって人を捕まえにいきます。とはいえとはいえがっつりマンマークと言うよりも、人に出るタイミングが早いといった方が適切かもしれません。このように4-4-2から4-1-2-3のリバプールを捕まえにい

    • CL Group B 第5節 【アトレティコ×ACミラン、リバプール×ポルト】

      アトレティコ×ACミランスタメン 定まらないプレスの基準 まずボールを握ったのはアウェイのACミランでした。基本的な配置としては、4-2-3-1から両SBを高く上げてボランチを落として3-1-5-1に変化していくことが多かったと思います。対してアトレティコは5-3-2の布陣で構えているので、ミランは後ろで4v2の数的優位を得ることができます。ここに対してアトレティコはプレスの基準を定めることができませんでした。特に、ボランチを落として3バックに変化することで、どうしても2

      • 【そっくりな2チーム】FCポルト×ACミラン【CL グループB 第3,4節】

         前節のこのカードのレビューが間に合わないという大失態を犯してしまい申し訳ございません。ということで、今回は第3節と第4節のレビューをまとめて行いたいと思います。ちなみに、2試合とも全く同じ構造で全く同じ展開になっていたので、まとめちゃっても問題がないという、僕としてはありがたい2試合になりました… スタメン 刺さったのはポルト 両チーム4-4-2のシステムで配置が噛み合うということもあり、高い位置から積極的に人をはめる形でプレスを互いにかけ合いました。なので、ハイプレス

        • 【変わらない狙いと変化する方法】リバプール×アトレティコ【CL グループB 第4節】

          スタメン 変わらない狙い 前回と両者同じシステムでの戦い方となったため、前回リバプールが利用できたスペースがそのままこの試合でも使えました。それは、アトレティコの5-3-2のブロックの「3-2の外側」になります。  とはいえ、この試合は左のSBがツィミカス、IHがO=チェンバレンと前回とは異なっています。それもあり、前回対戦ではSBのロバートソンが低い位置に残っていましたが、今回はO=チェンバレンを早めに下げてツィミカスを早めに前にあげるシーンが多くなっていました。  

        CL GroupB 第6節 【ACミラン×リバプール、FCポルト×アトレティコ】

        • CL Group B 第5節 【アトレティコ×ACミラン、リバプール×ポルト】

        • 【そっくりな2チーム】FCポルト×ACミラン【CL グループB 第3,4節】

        • 【変わらない狙いと変化する方法】リバプール×アトレティコ【CL グループB 第4節】

          【ライン間の攻防】アトレティコマドリー×リバプール【CL グループB 第3節】

          スタメン アトレティコのスタンスとSBの立ち位置 アトレティコは、リバプールに対してハイプレスを仕掛けに行くのではなく、5-3-2のブロックで中盤〜自陣に構えることを選択しました。  5-3-2で守るアトレティコに対して、空いてくるスペースは3人のMFと2人のFWの脇のスペースになります。普段から右SBのアレクサンダー=アーノルドは低い位置に立ってこのスペースを使っていますが、この試合では左SBのロバートソンも低い位置に立ってこのスペースでボールを受けようとするシーンが多

          【ライン間の攻防】アトレティコマドリー×リバプール【CL グループB 第3節】

          【静寂と喧騒】 FCポルト×ルバプール & ACミラン×アトレティコマドリー【CL グループB 第2節】

           今回は、CLグループBで行われた2試合を振り返って行こうと思います。まずは、リバプールが5得点を奪い圧倒したFCポルト×リバプールの試合のレビューから始めていきます。  毎度ですがYouTubeにも動画版で投稿しているので、そちらでもお楽しみいただけます。 〜FCポルト×リバプール〜スタメン シンプルにサイドを この試合は、終始リバプールがボールを持ってポルトが構えるといった構図をベースに進んでいきました。これは、リバプール側がポルトのプレスを外したというよりかは、ポ

          【静寂と喧騒】 FCポルト×ルバプール & ACミラン×アトレティコマドリー【CL グループB 第2節】

          【堅守vs堅守】アトレティコ×FCポルト【CL グループB 第1節】

           今回は、計5ゴールが生まれたアンフィールドでの激戦の裏で行われた、ともに堅守を武器にCLで暗躍するアトレティコとポルトの試合のレビューをやっていきます。 スタメン  また、今回のレビューもYouTubeにて公開しているので、ボードで動かしながらの解説が見たい方はそちらをご覧ください! シメオネ版ポジショナルプレー どちらもCLでは堅い守備が持ち味のチームですが、この試合ではどちらも後ろからボールを奪いにいこうとする姿勢を見せました。特に、アトレティコマドリーはポルトの

          【堅守vs堅守】アトレティコ×FCポルト【CL グループB 第1節】

          【一瞬の隙とアンフィールドの熱】リバプール×ACミラン【CL グループB 第1節】

           このたび、CLレビュー企画のグループBを担当させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。  今回は、いきなり大熱戦となったリバプール×ACミランの試合を振り返っていこうと思います。そして、幸運なことに現在イギリスに住んでいるということもあり、実際にこの試合を観戦しにアンフィールドに行ってきました スタメン グループでの優位 この試合は、リバプールがボールを保持する展開ではじまりました。まずは、リバプールがどのように後方でボールを失わずに、そこから前線へ運

          【一瞬の隙とアンフィールドの熱】リバプール×ACミラン【CL グループB 第1節】

          EURO2020 クロス分析(2)

           前回の記事を公開した後、僕がインターンをしているツエーゲン金沢の方からいくつかアドバイスをいただいたので、それを元に以下の3つの項目について、手元にあるデータから追加で調べた(新たにデータを集める気力はありませんでした…)。 ①PA内の攻撃側と守備側の人数の差と、ゴールにつながったクロスの関係について。 ②コーナーとハーフスペースにおける、左右での成功率とゴール率の違いについて。 ③サイドレーン(コーナーとウイング)をさらに縦に2分割したときの、アウトサイドレーンから

          EURO2020 クロス分析(2)

          EURO2020 クロス分析

          クロスとは何か 今回の分析にあたり、最も頭を悩ませたのが「クロス」の定義である。データを集計する上で「サイドからゴール方向に送るボール」や「アシストを目的としたゴール前へのパス」といった主観的な定義をしてしまうと、集められたデータも主観的なものになってしまい、客観的な分析を行うことができない。そこで、今回はクロスを定義するにあたりピッチ上のラインを基準にすることにした。  ・ゾーン3のサイドまたはハーフレーンから送られた、PA内の中央のレーン(下の図の黄色のエリア)を通過す

          EURO2020 クロス分析

          【妄想99%】 城福監督のアイデアを読み解く

          はじめに このnoteでは、『城福監督のアイデア』『城福監督のチームづくり』『理想と現実の違い』『僕がアシスタントになったら』『ウェールズから広島の皆さんへ』の5本だてでお送りします。よろしくお願いします。 第一章 城福監督のアイデア さて、まずは城福監督のアイデア、つまり「我々らしさ」について考えていこうと思います。すべて、城福監督が語っているものです。  ムービングフットボールだろ?と思ってましたが、あくまでそれは「攻撃」という局面におけるテーマの1つであることがわか

          【妄想99%】 城福監督のアイデアを読み解く