【静寂と喧騒】 FCポルト×ルバプール & ACミラン×アトレティコマドリー【CL グループB 第2節】
今回は、CLグループBで行われた2試合を振り返って行こうと思います。まずは、リバプールが5得点を奪い圧倒したFCポルト×リバプールの試合のレビューから始めていきます。
毎度ですがYouTubeにも動画版で投稿しているので、そちらでもお楽しみいただけます。
〜FCポルト×リバプール〜
スタメン
シンプルにサイドを
この試合は、終始リバプールがボールを持ってポルトが構えるといった構図をベースに進んでいきました。これは、リバプール側がポルトのプレスを外したというよりかは、ポルトのFWがボールを奪いにいくよりもブロックを維持することを選択したからだと思います。
そのため、リバプールは2CBとアンカーでボールを持つことができ、そこから前進のパスを入れていきます。そして、ポルトが横幅を狭くして守っていたので、一気にWGに長いボールを送ることで前進していきます。
ここから、WGのドリブルによる仕掛けであったり、左ではローテーションからSBのロバートソンが高い位置に入っていくことが多く、早めにDFラインの裏へロングボールを入れていく場面が目立ちました。
とはいえ、リバプールの得点自体もポルトのDFのクリアミスやGKのミスなどなんとも腑抜けた感じで5得点生まれた感じだと思います。
エンジン不在の戦術
やはりボールを持たれすぎてはまずい、自分たちもボールを奪いに行ってショートカウンターにつなげたい、という思いで後半ポルトのプレッシャーはより積極的なものへと変わっていきます。
前からボールを奪いにいくためには、どこかで人を捕まえなければいけません。ポルトは、リバプールのCBにCFを、アンカーにはボランチを1枚出して早めに人を捕まえるやり方を取りました。
しかし、それぞれのアプローチにスピード感や迫力といったものは感じられず、リバプールはなんなくビルドアップを成功させます。特に、ボランチを出したいはずのアンカーのところを使われてフリーのSBに飛ばされるシーンが多く、噛み合わせをどうにかしたところでボールは奪えないといった状況に陥っていました。
という形でリバプールは順当に5得点で圧勝し、2連勝となりました。
〜ACミラン×アトレティコ〜
スタメン
両者の謎
この試合は、ミランがボールをもってアトレティコがブロックを構える形から始まりました。
まず、ミランの配置は基本的に4-4-2(4-2-3-1)ですが、攻撃時には少し立ち位置が変わります。2枚のボランチは、CBをサポートするベナセルと縦パスを引き出すケシエという風に分業となり、CFも基本的にディアスがライン間でボールを引き出そうとすることが多かったですが、時折レビッチがボールを引き出そうと下がってくることがありました。
なので、全体の配置としては4-1-2-3っぽくなり、アトレティコの4-4-2の間でボールを引き出そうとする選手を作り出しました。一方、アトレティコも黙って見ているわけではなく、サイドへの誘導からマンマークという流れでボールを奪いにいきます。アトレティコの右サイドではシンプルにスライドして人を合わせるだけでしたが、左サイドでは少し変わった形で人をハメに行きました。
このようにCFがミランのボランチを消し、ボランチのコケがCBまで出ていくという形を取ることが多かったように思います。正直なところ意図はあまり分からないのですが、スアレスがそこまで守備に参加しない点を踏まえ、あらかじめCFはボランチを消すことだけに専念させ、コケを飛び出させるという形を用意していたのかもしれません。
広げて中央へ
両者とも少しやり方を工夫して臨んだように思いますが、流れとしてはミランが優勢でアトレティコゴールへ迫る場面を作り出していました。攻撃の起点は、サイドに張ったWGにボールを預けるところからです。
WGにボールが入るや否や、IHのような立ち位置をとったケシエやSBがハーフレーンへ飛び込んでいきます。IHのチャンネルランにはアトレティコのボランチがついていくので、どうしてもSBの侵入に対してスペースを与えてしまいます。
ここをうまく使ってアトレティコを押し下げていき、セットプレーからゴールを奪います。しかし、全てを変えたのはケシエの2枚目のイエローカードでした。
10人になったミランは、CFのレビッチに変えてボランチのトナーリを豆乳し、4-4-1の体勢で構えるようになります。そして、一転攻撃モードへと切り替わったアトレティコは両SBを高い位置に上げ、サイドを起点に攻め立てます。
よく見られた形は大外SBへの展開からチャンネルへの侵入です。大外からクロスを入れられるだけならまだ耐えられても、毎回のようにPAへ侵入されていては失点は時間の問題です。
そこで、ミランは5バックへ変更します。
特に人を変えたわけではなく、右WGのサレマーカースを後ろまで戻し、これによってスライドによるズレを少なくし、チャンネルへ侵入するアトレティコの選手を捕まえられるようになりました。
しかし、結局はアディショナルタイムのPKでアトレティコが逆転し、1-2でミランは2連敗という形になりました。
以上、グループB第2節のレビューでした。
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