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厳島合戦と陶晴賢を辿る秋旅

久しぶりの旅行記です。
徐々に感染症の猛威も収まって……はいませんが、話題としては静かになってきたように感じる今日この頃。まだ暑い日も多いですが、この10月~11月はガツガツと史跡巡りに出掛ける予定です。

というわけで、まずは4年ぶりとなる広島は宮島へ。
宮島と言えば紅葉が有名でしょう。厳島の大鳥居は現在、修復作業中ですが足場が外されて綺麗になった姿をまた見ることができます。ですが、私の目的は紅葉でも大鳥居でも、生まれたばかりのまだ小さな鹿ちゃんたちでもなく……。

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時は1555年10月。現在の広島県宮島において、日本三大奇襲戦と呼ばれる「厳島合戦」が起こりました。相対するは毛利元就、そして大内家重臣の陶晴賢。この合戦に至るまでの経緯は割愛しますが、毛利勢にとっては一家の命運を賭けた、まさに背水の陣に等しい戦いでした。

最近の私は、この戦いの主役である毛利元就……ではなく、敵方として厳島に陣を張った陶晴賢公が気になっています。彼、陶晴賢(隆房)公の足取りを巡る一端として、今回宮島へ降り立ったというわけです。

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宮島に陣を張る陶勢、そして大嵐の中、船を出してそれを奇襲したとされる毛利勢。毛利はこの戦いに勝利し、戦国時代前期を代表する大名として、大きな転換期を迎えます。

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現在は穏やかで気持ちの良い砂浜の続く宮島。
この時期の夜に大嵐だったということは、今年の9月半ばにあったような大型の台風だったのでしょうか。
現在の宮島は、当時と島の大きさが違うそうです。かつては要害山の麓まで海が来ており、小高くなった上に作られた宮尾城は三方が崖に囲まれていたと言います。北東側の尾根がそのまま陸地に繋がっており、現在の要害山に登ってみると、陶晴賢公らが陣を張ったとされる位置(現在の五重塔と豊国神社があるあたり)を臨むことができました。

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今は木々が生い茂っており、また建物も多いので「見下ろす」まではできませんでしたが……。

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五重塔と豊国神社も、小高い位置にあります。周辺の建物より飛び出ているので、左手には厳島神社、右手には商店街が広がって見えました。

また、宮島には歴史民俗資料館もあり、厳島神社を抜けた先、大願寺の裏手にひっそりと建っています。テーマごとに区切られた展示室は想像以上にボリュームたっぷりで、充実した資料は厳島合戦のみならず、平安時代から続く宮島の歴史をわかりやすく伝えてくれます。建物の一部は国の登録有形文化財ということもあって、風情ある佇まいはどこかの老舗旅館のよう。賑やかな商店街とは打って変わって、大変静かで過ごしやすい場所です。

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これからますます過ごしやすくなるので、この秋から冬の間にもう一度くらい、宮島に訪れたいですね。
島内で見つけた素敵なショップについては、また次の記事で。

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