マガジンのカバー画像

映画の話

13
運営しているクリエイター

#映画

今月触れた作品の小粒な感想(2024年2月)

今月触れた作品の小粒な感想(2024年2月)

 電動昇降デスクを買いました。どうも栗城紡です。この文章は立って書いています。
 2024年1月から2月にかけて触れた作品について、ここで簡単にまとめておこうと思います。

100 Asian Cats タイトルの通り、白黒のイラストの中から100匹のネコチヤンを探すゲーム。子どもの頃、誰もが一度は夢中になったであろう『ミッケ!』を思い出しますね(さっき検索したら翻訳を担当していたのが糸井重里さん

もっとみる
『ゴジラ-1.0』は「シン・ゴジラの逆」を行くことで成功した作品だった!

『ゴジラ-1.0』は「シン・ゴジラの逆」を行くことで成功した作品だった!

 「名作の次」を任される人は、いつだって辛いものです。
 『あまちゃん』の次の『ごちそうさん』、『真田丸』の次の『おんな城主 直虎』みたいなイメージです。ちなみに、実はどちらの作品も同じ人が脚本を務めているのをご存知でしたか?

 ゴジラが今盛り上がっているのは言うまでもないでしょう。しかしその割には「シン・ゴジラの次」、言い換えれば「東宝が手がける実写ゴジラ映画の新作」がなかなか出ない状況でした

もっとみる
『アリスとテレスのまぼろし工場』で描かれた「閉塞感」と「女の性」

『アリスとテレスのまぼろし工場』で描かれた「閉塞感」と「女の性」

 『アリスとテレスのまぼろし工場』を見てきました。普通にネタバレしながら話したいと思います。

 もともと見る予定はなかった作品でした。岡田麿里作品は今まで通ったことがなかったですし、世間的にそれほど注目されている作品でもないですからね。
 それでも見ようと思ったのは口コミの影響でした。ネットの民が言うには、「女性が描く女性の生々しさ」……もとい、奥底に潜む気持ち悪さのようなものが描かれていると。

もっとみる

『ドライブ・マイ・カー』感想

見ました。

世間では日本初のアカデミー賞作品賞ノミネートの話題で持ち切り。そういう作品に限って公開当時は話題にならないのは、なんだか納得してしまうところがある。

で、私も例に漏れず海外で賞をとって初めて知った一人。気になるなあと思っていたら、たまたま最寄りの映画館で再上映をしていた。あとは見に行くだけだけど踏ん切りがつかないと思っていたら、ちょうどアカデミー賞の作品賞にノミネートされた。

1

もっとみる

『ウエスト・サイド・ストーリー』感想

観ました。

映画好きなら誰もが知るところであろう、スティーブン・スピルバーグ監督の最新作。アーサー・ローレンツによって書かれたミュージカル『ウエスト・サイド物語』をもとにした作品で、なんでも監督は子どもの頃からこのミュージカルの音楽が大好きだったんだとか。

実は私はスピルバーグ監督作品をちゃんと鑑賞したことがないんですよね。金ローでジュラシック・パークちょっと見たかなって程度。バック・トゥ・ザ

もっとみる

『グッバイ、ドン・グリーズ!』感想

16歳、真夏の大冒険。

この映画を一言で表すならそんな感じである。

16歳という年齢は、人生において特に難しい時期のように思う。

子どもと言うには歳をとり、大人と言うには若すぎる。大学とか就職とか、その先の人生とか、未来が少しずつ近づいてくるけど、その先は相変わらずボヤけたままで、確証を持って進めず足踏みしてしまう。そんな、どこか不安定な時期だ。

主人公のロウマ、トト、ドロップは、ひょんな

もっとみる
傷を抉って、背中を押す『すずめの戸締まり』

傷を抉って、背中を押す『すずめの戸締まり』

2016年、2つの映画が公開された。『シン・ゴジラ』と『君の名は。』である。

過去と現在、2つの時間軸と男女の入れ替わりを通して、ティアマト彗星で死ぬ多くの人の運命を変えようとする『君の名は。』。
現代の日本を舞台に、ゴジラと人々の戦いを描いた『シン・ゴジラ』。

「ティアマト彗星」「ゴジラ」という虚構を用いているが、どちらも「東日本大震災」がモチーフになっていたのは明らかだ。当時は震災から5年

もっとみる