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特性に開き直らず真摯に向き合ってみたら、さらに自分の長所が見えてきた話

「自分は発達障害持ちだから、特性上苦手な事は仕方ない」。
生きていく上で、特性上苦手な事は苦手としてある諦め、その分長所を伸ばす事に専念するというやり方は大いに賛成。

苦手な事を無理してできるようになる為に頑張る時間を、長所を伸ばす訓練に充てた方が効率的だからです。

でも、「苦手なものは苦手、できない」と開き直るにあたって、
それがいきすぎると「自分は得意な事しかできないしやれないんだ」、「得意、好きな事しかしたくない!」となって、かえって自分を苦しめてしまう事にもなる。

「特性上苦手だから」でやらない終わらせるんじゃなく、一度真摯に向き合ってみよう

「苦手だからやりたくない」はダメ

「苦手だからやりたくない」と自分を無理やり押し通すのは問題かなと思っています。
とくに、お仕事をする中で
「できないから仕方ない!できないからやりたくない!!」と言うのは社会人としてちょっとどうかと思うし、結果的に自分にとってもマイナスです。
できないから仕方ないはともかく、だからやりたくないは単にわがままだよね?となってしまうから。

お仕事としてお金をいただいている訳だから。

ぼくを例にして話すと、ぼくは今創作活動を通して事業所でお仕事をいただいています。いろいろな依頼をいただきますが、当然それには依頼の基準通りのクオリティと、納期を守る事が求められます。
そこで「自分はADHDだから細かい作業と時間を守る事が苦手なんですできないんです、でも開き直って仕事はもらうよ!それはぼくの特性だし個性なんだから!自分が描きたいものを描きますそれ使ってください、描ける時に描くスタンスだから納期過ぎても許してね!
ぼくはぼくのやり方で自分を表現します!!!!!!」なんて言われたら「は?」って感じでしょ?

お仕事に向き合う上で全然真剣味がない。
相手にも失礼だし、自分にも真摯じゃないよね、って話。

「それは個性でも味でもなくただの手抜きだしわがままだ。客ナメやがって、お前は商売人としてプライドあんのか!?」
そういう事になってしまいます。

「苦手」だけど「どう向き合うか?」がカギ

ぼくはお仕事上では、自身の創作スタンスを変えています。
創作者ではなく、職人。自分の商品を売る商売人だと思って仕事をするようにしています。
「相手=お客がいる」事を強く意識する事で、自分の作りたいものだけ作りたい!という気持ちの暴走を抑えられるからです。

趣味の場では自分の作りたいものを自由に作って構わない、むしろそれが自分らしい創作の醍醐味だけど、お仕事として依頼をいただく上でなかなかそのスタンスでは難しいし、仕事では相手の依頼やニーズに応える事が一番大切だからです。

「相手の注文に沿ってしか作れないなんてなんだか命令されてるみたいだし、自分を表現できなくてイヤだ!」と強く反発していた時期もあったんだけど、
命令じゃなくて、依頼だからね。
「作れ」じゃなくて、「作ってほしい」とお願いされた訳だから、それに応えてあげなくちゃプロとはいえない。

だから、自分の作りたいものだけ作りたいというわがままを捨て、商品作りに真剣に向き合う事にしました。
依頼は「相手の注文に応え、その中でいかに自分らしい個性を表現できるか」のゲームだと思ってからは、楽しくなりました。

細かい作業が苦手な中でも、できる範囲で少しずつ進めていく。「これくらいでいっか」という妥協をせず、商品としての完成形に最後までこだわる。
「これはお客様に売るための商品で、この対価として自分はお金をいただくのだ」と強く意識しながら、制作に取り組むようになりました。

結果、自分の長所がさらに見えてきた

ADHDだから細かい作業ができない、時間を守るのが苦手、ASDだから自分の作りたいものやりたい事だけにこだわってしまう、そのこだわりの為に頑固になってしまう、そういった特性があるから依頼を受けたくない、と拒絶していたんだけど、いざやってみると「あれ、思ったよりもやれるじゃん」と。

「自分ってここまでできるんだ!」との自信にも繋がり、自分の殻をひとつ破った事により挑戦心も湧いてきました。

「自分はまだまだチャレンジできる」。
「自分はまだたくさんの可能性を持っている」。

自分の特性に開き直らずお仕事に真摯に向き合ってみたら、さらに自分の長所いいところが見えてくるようになりました。

自分のできる範囲でいい。まずはほどほどでいいから、少しだけでいいから、「苦手だな」と思う事にもやってみる。
「苦手だと思ってたけど、意外とやれたぞ!」と、自分に対しての自信に繋がります。
そしてその自信は次なる挑戦への意欲、モチベーションにもなる。

「苦手だから」で終わらせてしまうのはもったいないし、苦手苦手で全ての事に対して後ろ向きな逃げ姿勢でいると、自分の可能性を狭めてしまう事にもなってしまう。

ほんのちょっとでいいから「苦手」な事にも一度腰を据えて向き合ってみると、自分の新たな長所が見えてくるよ。


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