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"ていねいな暮らし"の呪縛からの解放、からの、結果「ていねいな暮らし」

この夏、何度目かの「ぬか漬け」デビューを果たしました!

毎日きれいな色の野菜をぬか床から出してカットして、ごはんと一緒においしく頂いています。ぬか漬けライフ、とっても楽しい!

ぬか漬けには今までも挑戦したことが何度かあったのですが、ことごとく失敗していました。

変な匂いがしたり、うまく漬からなかったり、「これが正解なのか?ぬか漬けってこんな味だっけ…?おいしくないけど…」みたいなのができたり…。

失敗のたびに結構な量のぬか床を捨てなければならず、匂いとかもあいまってすごくしょんぼりする羽目になり、正直「ぬか漬けは私の性格に合ってない」とさえ考えていました。

今回は過去の失敗から学び、「無理をしない」ことを第一に考えました。
・最初からたくさん作らない
・冷蔵庫に入れてお世話をする
ということを自分で決めて、当初は石見焼のふたつぼで漬けようとしていたのをあらため(冷蔵庫に入らないので)、ホーローのタッパーで作ることに。

次に、いろんなレシピを調べて、ぬか床に
・かつお節
・唐辛子
・昆布
・干ししいたけ
・米麹(ぬかを足すときには塩麹)
を入れました。

くず野菜を入れて混ぜること数日、こわごわと最初に漬けてみたのが、たまたま購入していた「ながせファーム」さんのコリンキーだったのですが、これが本当に、びっくりするくらいおいしかったのです。

なにが良かったのか自分でもよく分かりませんが、その後きゅうりや大根、人参なども上手に漬けられて、毎日漬け物ライフを楽しんでいます。

ぬか漬けを作っていらっしゃる方、コリンキー超おすすめです!コリンキー1個まるまる、ぬか漬けで消費できるくらいおいしいです。

これまで「私はぬか漬けに向いていない」と思っていたのですが、それは過去の話。

おそらくですが、「発酵」に対してロマンを抱き過ぎていたのだと思います。

ぬか漬けは壺につけねばならない、常温で保存して毎日かき混ぜなければならない、という「ていねいな暮らし」の呪縛…そこから自分を解放し、「無理のない程度に楽しむ」というところに落ち着いたことで、結果的に発酵がうまくいったのかなあ、と分析しています。

以前は、「こうあらねばならない」といううわべのことだけに気を取られ、形から「ていねいな暮らし」を手に入れようとしていました。自分に腹落ちしていないそれらは、長く続けられなかったり、失敗したりしたことも。

今回は、その「ていねいな暮らし」という呪縛を自ら手放したことで、結果的に以前よりもていねいに暮らせているのが、なんだかおもしろいです。

ぬか漬けライフを満喫するようになって、まず買い物が変わりました!

産直市でよく分からない瓜に興味を持ったり、野菜を「漬けられるか、漬けられないか」という目線で見るようになった、ということ。

そして、これは以前からですが、皮ごと漬けることが多いから減農薬のものを特に選ぶようになりました。

それから、漬け物を載せるうつわも楽しみのひとつ。

野菜の色がすごくきれいになるので、どのお皿に入れようかな、と日々わくわくしています。

ぬか漬けに合う、と感じて最近お気に入りのうつわは、秋田の窯元さんのお皿や、沖縄の豆皿など。

呉須の青が、漬け物によく合うなあ…和の色って感じです。

そして何より、冷蔵庫を開けてホーローのタッパーを見たときの「あ、ぬか漬けがある」という高揚感。

畑で野菜を「育てる」のとはまた違う、「おいしさを自分で育てる」感覚が、とても楽しい!

「まだちょっと浅いなあ」「漬けすぎたかもしれないけど、これはこれでおいしい」など、ポリポリと漬け物を食べながら、精米したてで炊いたごはんが進む!ということで、暮らしがどんどん楽しく豊かになっているのを実感しています。

…と、まさに「ぬか漬けライフ」を満喫している渡したですが、最初からぬか漬けを作りたかったわけではなく、とある出来事がきっかけでした。

5月に開催したイベント「好きな人の好きなものは好き」。
私たちが日ごろお世話になっている作り手や生産者さん、お店の方などに、「好きなもの」をうかがい、それを展示、紹介するという内容でした。

その中で「発酵菓子カヌカ」さんが「精米器が好き」と紹介をされていて、たまたま「mamenino」さんに「精米器のメーカーを知りたい」とお問い合わせをいただいたことが、すべての発端でした。

カヌカさんからメーカーのリンクを教えていただき、いろいろと調べているうちに、どうしても精米器が欲しくなってしまったのです。
そのことは、↓のコラムにも書きました。

日によって、「今日は5分づき」「今日は白米」など好みに応じて精米の度合いを変えられることが嬉しくて、めちゃくちゃ重宝しているのですが、購入する時に「精米すると米ぬかができるな」ことに思い至り、「使わないとなんか損だし、じゃあぬか漬けやってみるかぁ」というくらいのモチベーションで、気軽に始めたのです。

これは5分づき。スタッフが相当おいしいと絶賛。

結果的にこの「気軽なスタンス」、そして前述した「ていねいな暮らしという呪縛からの解放」が、私においしいぬか漬けライフをもたらしてくれました。

精米器を購入したときには、自分がまさか野菜売り場で瓜を凝視することになるとは思っていませんでした。

こういう、「思ってたのと違う方向に暮らしが変わっていく好循環」みたいなのが、暮らしを楽しむ醍醐味なんですよね。

ぬか漬けに限らず、こうして何か1つのピースを変えることで、ドミノみたいにパタパタと暮らしが変わっていくこと、一度体験すると癖になります。

何かを一歩、踏み出す時のハードルが下がるというか、「これを始めることによって、思いもかけない楽しいことが降ってくるかもしれない」という前向きな考えに変わるんです。
これが、暮らしを楽しむ何よりの極意な気がします。


くらしアトリエは活動の中で、折に触れてそんな「暮らしが変わる」きっかけとなるようなヒントを提案しています。それができるのは、自分たちも経験者だから。

何かを始めるとき、あるいは自分の意志とは関係なく「変化」をしなければならないとき…ネガティブに考えることももちろんあるとは思うのですが、「思いもかけない楽しいこと」の到来に期待してみるのも、いいかもしれません。




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