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好き、が溢れる世界。〜推しが推しを連れてきた!

イベント「好きな人の好きなものは好き」の開催から1週間が経とうとしているのですが、なんだかまだ、イベントが続いているような気がするぞ?と、不思議な気持ちの中にいるスタッフたち。

お客さまも、そして、協力してくださった作り手の皆さまもにもイベントの余韻が残っているようで、楽しい後日談がいろいろ聴こえてきます。
今日のコラムはそんなお話を。

毎回、イベントを開催するとそれぞれに反響がありますが、今回は特に、なんというか…じわじわと温かな波がやってくる、という感じで、とても興味深い。

例えば、企画にご協力くださった作り手の皆さんから「イベントの後で、好きなものの話で盛り上がりました!」と教えていただくことが、いくつもありました。
私たちがいないところで、イベントの話が盛り上がる、ということをうかがうのは、何より嬉しい反響でした。

「けっこう真面目にいろいろ考えちゃった」と教えてくださる方もいらっしゃいましたし、「いろいろ迷ってこの3つにしたけど、私、もっといろいろ好きなものあるんですよ~」となぜか悔しそうに(笑)訴えられたり、ということも。

イベントの話をしているうちに、「あ、そうじゃん、私の好きってこれだったわ!」と、未知の「好き」に気づかれる方もいらっしゃいました。

また、イベント後の「シマシマしまね」のオープン時にお越しいただくお客さまも、「あの時のあれがすごくおいしかったから」とリピートしてくださったり、「この方のおすすめされているものが気になって調べちゃいました」と教えてくださったり…皆さん、総じてすごくニコニコして伝えてくださるのが嬉しくて、こちらまで元気をもらっています。

スタッフもそれぞれ企画段階からとても楽しく、わくわくしながら準備を進めることができたのですが、終わった後もそのわくわく感や「楽しい!」という気持ちがそのまま持続している感じで、なんだかとても不思議な感じです。

なぜこんな気持ちになるんだろう…と考えると、イベント中にレジでお客さまに言われた「好きなものが溢れてる空間って幸せですね」という言葉に尽きるなあ、と思います。

いろんな「好き」や「推し」があり、それを認め合い、共感し、刺激を受け合う…そんな空間が表現できていたのかなあ、と。

協力してくださった皆さまがそれぞれの生活の中で、あるいは仕事の中で試行錯誤して、自ら選びとってきた「好き」だからこそ、私たちの心に響いたのかなあ、という気もします。

流行っているから、とか、バズってるから、というタイプの「好き」ではなかったということが、何より大きかったのかもしれません。

「好きな人の好きなものは好き」の中で、印象的な出来事があります。

いつもおいしいスコーンやお菓子をお願いしている出雲市の「焼き菓子工房徒歩」さん。

以前から「大野豆富さんの豆乳で作るシェントウジャン(鹹豆漿=台湾の朝食メニューで、あたたかい豆乳とお酢を混ぜておぼろ豆腐みたいにした料理)がおいしいんです」と教えてもらっていたのですが、「好きなもの」をおうかがいした時にもその豆乳のことがリストに入っていて、「どんだけおいしいんだ?」と気になっていました。

豆乳はいつも手に入るものではない、とのことだったので、それじゃあせめて「シェントウジャン」を作って、徒歩さんの「好き」を少しでも体感してみよう、と思い、スーパーで豆乳を買ってレシピを検索し、作ってみたらすっかりハマってしまいました。

自慢じゃないですが、今ではひとりのお昼ごはんに、オットがいない日の晩ごはんに…「隙あらばシェントウジャン」という感じで1週間に何度も食べているのです(ハマりすぎて自動豆乳製造マシーンに手を出しそうになったことは、前回のコラムでも書きました)。

イベントの時に徒歩さんが会場に来てくださり、「あれからシェントウジャンにすごくハマって、いっつも食べてるんです」とお伝えしたら、「大野豆富さんの豆乳で作ったら全然違うから!」とおっしゃるので、「そうなんだ…スーパーで買った豆乳でもすごく美味しいんですけどね~」と返したところ、「ううん、ぜんっぜん違うから!!全然違う!(なぜかちょっと悔しそう)」とのこと。

あまりに推されるので、「いつか機会があったら食べてみたいです~」「どうにかして食べてもらいたいわ~」という会話をしていたのでした。

そうしたら、イベントが終わったすぐ後の月曜日、施設のオープン日に、なんと徒歩さんが豆乳を持っていらしてくださったのです!

しかも……「この方、大野豆富さん」(じゃじゃーん!)と、お隣に豆乳の主である大野豆富さんを連れて!
大野豆富さんの商品は、「好きな人の好きなもの新聞」の中でも何人もの方が「おいしい」「好き」と推しておられたので、思わず「推しが推しを連れてきた!」とスタッフの間でざわついてしまいました。

徒歩さんも「この人、私の推し」といった感じですごく嬉しそうに紹介してくださり、私たちも「油揚げとかお豆腐とか、いつも買ってます!」と「推しに対面した人」みたいな感じで興奮気味に告白したり、期間中に掲示していた「好きなもの」を書いたポップを引っ張り出してきて、「ほら、ここ!大野豆富さんって書いてあります!」なんて見せたりなんかして…なんだか、すごく面白い時間でした。

「これは事務所でシェントウジャンを作って撮影するべきでは」と、急きょ翌日、事務所で調理をすることに。自宅からそれぞれ黒酢(徒歩さんのおすすめ)やお醤油、トッピングのネギやみつば、ナッツや油揚げなどを持ち寄って、作ってみたのです(この時間もすごくすごく楽しかった!)。

それがこちら。

めっちゃ美味しいんですが!!

結論から言うと…徒歩さんの言うとおり、全然違いました!
とろーり、なめらかでプリンみたい!豆臭さはまったくなくて、身体にもやさしい味わい…これは、確かにハマります。

写真もいっぱい撮ってしまいました…。
これまた推しの「朴禾」さんのうつわで食べる。

後日徒歩さんに「いやあ、全然違いました」とお伝えしたら、「でしょー?」と、これまたすごく喜んでくださって、なんだか「好きなもの」を通じて距離が縮まったような、大切なものを分けてもらったような、あたたかな気持ちになったのでした。

それから、出雲市の乾物専門店「松ヶ枝屋」さんが「好き」と教えてくださったのが、出雲市にある「井ゲタ醤油」さんの「サラダ醤油」なる商品。

野菜や薬味を千切りにして、サラダ醤油をかけて食べるのが夏にぴったり、という「推しコメント」をいただき、興味津々だったのですが、通常の井ゲタ醤油さんの商品とは違って、井ゲタさんの直営店舗にしか置いていないとのこと。

うかがう機会がイベントまでなかったのですが、期間中会場で「これ、私も好きです!」と教えてくださった方がいらっしゃって、会場で「サラダ醤油いいですよ~」というお話を聞かせてくださいました。

「私も好き!」という声が上がると、「好きな人の好きなもの」にさらにもう一押し!という感じで、背中をぐっと押される気がします(好きの循環が始まる感じ)。
そうなると俄然、食べたくなる…ということで、イベント終了後にお店まで行って買ってきましたよ、サラダ醤油

お店には大きなボトルもありました。

麺つゆとも違う、だしの風味が効いたお醤油、という感じで、確かに暑い夏にぴったりの味わい!ちょうどリーフレタスをたくさんいただいたところだったので、「GOOD LIFE FARM」さんのサラダミックスやスナップえんどうとともに、もりもり、毎日食べています。野菜がたくさん採れるというのは、それだけで幸せな気持ちになれますよね。

それから…これは我が家のことですが、前回のコラムでもいろいろなものを試して散財している、ということを書いたのですが…イベントが終わった次の日に、勢い余って精米器を買ってしまいました!

ういーん。

精米器は、「発酵菓子カヌカ」さんが推しておられたもの。

それまで私、精米器にはまったく、1ミリも興味がなかったのですが、期間中にこれまた推しの「mamenino」さんから「カヌカさんの使っておられる精米器ってどこのメーカーですか?」と問い合わせをいただいたのです。

カヌカさんに連絡したところ、実際にお使いの商品をていねいに教えてくださって、ネットショップのリンクを貼ってくださったのですが、リンク先のページを見ているうちに、なんだか猛烈に欲しくなってきてしまい…。

5分づき米。お米は奥出雲のコシヒカリです。

買ってしまいました。米ぬかもできるので、ぬか漬けもできる!と喜んでいます。これまた推しの吉田製陶所さんのふたつぼで漬けたらいいんじゃない?と、今からわくわくです!(ここでも「好き」の循環が!)

吉田製陶所さんのふたつぼ。普段は味噌を仕込むのに使っています。

…と、自分事で興奮気味に綴ってしまいましたが、イベントに来てくださった方も、私たちと同じように何か新しいものにチャレンジするきっかけになったり、興味が沸いたりしてもらったらいいなあ…と思っています。

そして、総括にも書いたのですが、地味に一番嬉しかったのは、普段は別の仕事をしているスタッフたちがヘルプに来てくれて、みんな「いい企画だったね」「すごい楽しかった」と喜んでくれたこと。

普段、せっかくの休みに来てもらってお願いするばかりで…と、申し訳なく思うこともあったのですが、イベント自体をエンジョイしてくれているのが、すごくすごく嬉しかったのです。
前にも何度か書いたことがありますが、くらしアトリエのスタッフはみなシャイな性格で、自分から意見をすすんで言うことが得意でない人が多いのです。そんなおとなしいスタッフが口々に「すごくよかった!」と伝えてくれたことこそが、「イベントの成果」のひとつ、と言ってもいいなあというくらいです。

やっぱり、「好き」や「推し」はすごい力を持っているんだなあ…と、しみじみ感じたのでした。まったく同じことを、新聞をご覧くださった作り手さんからも言われたのですが、「好き」のパワーって本当にすごいですね!

今回、イベント後にスタッフたちから「定期的にやったら面白いんじゃない?」「物販の向こうに人が見えて面白かったね」「このまま単発で終わるのはもったいない」という声をもらいました。

協力してくださった方々からも、「まだいろいろ好きなものがあるんですっ!」という声もたくさん、いただいています。
そして、私たちも「次はあの方にも聞いてみたいな」と思う、素敵な人たちがまだまだたくさん、いらっしゃいます。

「好きな人の好きなものは好き」が、またいつか皆さんの前にお目見えできるといいな、と思っています。
その時がもし来たら…ぜひまた「好き」が溢れる世界にお越しくださいね。


イベント「好きな人の好きなものは好き」については、マガジンにまとめていますのでご覧ください。


おまけ。
シェントウジャンって何?作ってみたい!と思った方へ…私たちはこちらのレシピを参考にしています。

フランスパンは油揚げに変えたり、上に乗せるものもいろいろアレンジしたりして楽しんでいます。


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