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戦略としての、ゆるさ

「ゆるさ」

と聞いて何が浮かぶ?

ゆるキャラ?

(わたしの場合はだらりん、にはじまる「リラックマ」)

心の中から秒針が消える沖縄?

触りたくなるほど、綺麗にちゅるりんっと巻かれたゆるフワの髪の毛?

ゆるさ。

この言葉の小悪魔性に気づかずに長年騙され続けていた私。

「ゆるく、いきましょうよ!」

「今日もゆる〜く、がんばりましょう〜!」

「部活というよりは、大学のサークルみたいなノリで」

ナニユエ...?

いつからこんな言葉が使われるようになったんだ?

マイペース、ゆるい = 癒し?

とかけて

わたしの周りでも執拗にこの言葉を使う人がいる気がする。

そして、自分もたまに使う。

耳に心地よいようで、何となく違うかも?と思えてきたこの頃。

その正体に気づかせてくれた言葉。

「意識高い系」

正直、ゆるさと対極にありそうで、わたしにとって同じくらい居心地の悪さを覚えてしまう言葉である。

周りから「マメだね」とか「頑張り屋さんだね」「努力家ですね」と言われても、本人は辛い局面を耐えて頑張っている訳ではないから、そんなことないけど?と本気で思っていたりする。

凡人が持って生まれた才能ある天才と平等に分け与えられた時間の中で少しでも彼らに近づくためにできる手段が、努力と継続だと思い、ただ全力投球するだけ。

正直、昔の自分は周りと当時の自分とを比べて、その温度差加減に

「ちょっとやりすぎかな...。」と

嘘でも思おうとして自分を偽り、周りに合わせて手加減をした時期があった。

意識的に頑張ることをやめてみること、これまで習慣的に続けていたことをやめる作業。

これは思っている以上に最初は気持ちが悪い...。

収納する箱を明らかに見誤っているのに、そこに無理矢理あるだけのおもちゃを押し込んで片付けようとしているような居心地の悪さがあったりする。

でも、ジワジワ自分を洗脳していく。

「やめろ、やめろ、やめろ...」

やめる作業の気持ち悪さを覚えているのに。

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「マラソンは一度立ち止まると、再び走り出すのがすごく大変」

そうなんだ、ずっと走っていれば、走ることに慣れて辛いとか苦しいとかいう気持ちの先の達成感や快感に脳が心地よさを覚えてゆくから、意外と耐えられたりする。

でも、一度止まってしまったものを再び走らせるというのは、最初は思っている以上にエネルギーがいる作業だ。

自分にエンジンがかかるまでの時間がとてつもなく長く感じてしまう。

そして、言うまでもなくその間に他のものに目移りして浮気してしまう...なんてことザラにあったりする。

やめないこと、そして、やり切ること。

フルコミットした後に、何らかのカタチで成果が出た後など出来高制で甘やかせる時は存分に甘やかせる。

メリハリをつけることにする。

ゆるさを使うのは、見せ方や何者かのブランディングのほかにその仮面が戦略的に必要になった時だけでいい。

そう割り切ることにした。

そもそも人それぞれ自分の人生を生きているんだから、意識が高いかどうかの基準なんて人それぞれ違って当然だ。

「わたしこれだけやってます!」

「すごい!すごいでしょ!?」

というのは苦手で、そういうのを見るとちょっと...というか、だいぶタジタジなのだが...

そういうものはわざわざ見せなくたっていいんだ。

ガムシャラに何かを真剣にやっている人にとって、意識高いという言葉は無縁で心がやらずにはいられないとかそういうレベルだから、意識高いと言われたくてやってる人はいないんじゃないか、と思う。

もしそんな人がいるんだったら、嘘っぱちだ。

元より、自分は0か100人間であり、

やる時は全力でやり、やらないと決めたらとことんやらない。

中途半端が一番嫌い。

意識高い人、と言われるよりかは「緩急がある人」と言われたい。(希望)

ゆる〜くダラダラ〜というのは、楽そうに見えてオンオフの切れ目が曖昧になって逆にしんどいかもしれない。

経過時間だけが自分を正当化してくれる唯一の味方というのはちと悲しい。

体育の授業では確実に短距離走が得意だったけど、今のわたしには長期戦を見据えた短期集中型の走り方を覚える必要がある。

そのさじ加減、むずかしいけどね。

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当初は、高らかに存在感を言わしめていた机の上の「本気でやれ」という自分を鼓舞するための紙切れが日に日に周囲の雑踏と同化してきたこの頃、もう一度自分を奮い立たせる術を探してこのブログを書いています。

という訳で今日からためしに「ゆるさ」を卒業してみます。

数年後に見返したら、きっと馬鹿なこと書いているなぁ〜〜、と笑うんでしょうねぇ。笑

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