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クリスマスは今年も? コント台本

高橋タカシ…クリぼっちの寂しい男
サンタ…メアリーさんに振られてクリぼっちになった寂しい男
高橋豊子…タカシの母。カレー鍋抱えてやってくるお茶目お母さん
 
 タカシ、「すてきなホリディ」を歌いながら登場
 ぐるぐる歌いながら回り、
高橋「クリスマスが今年もやってこない!」
高橋「毎年毎年、一人で過ごすクリスマスにもなれたもんだなぁ!(強がったように)家から出りゃそこら中カップルカップルカップル!雪虫かっての!」
窓をピッキングし、サンタさん登場
一人で騒いでる高橋に、困惑した表情をしながら近づく
高橋「全っ然寂しくないもんねーー!夜遅くに帰ってきて!?安いカップ酒あおりながらチータラ食べて!?人間関係がどろどろした深夜ドラマを見ながらいつの間にか寝落ちしている人生!全っ然寂しくないもんねーーー!」
サン「寂し…。」
高橋「あ?」
サン「いや、超寂しいなって…あ、もしかしてお取込み中でした?」
高橋「え?……………え?」
サン「すみません、プレゼントだけでも置かせていただきます」
 サンタクロース、プレゼンとを置こうとする。
 高橋、サンタクロースの腕をつかむ
高橋「えっ…誰ぇ!?」
サン「誰って…見たらわかりませんか?サンタクロースですよ、サンタクロース」
高橋「なんだ…俺、疲れてんだな、とうとう幻覚まで…」
サン「失礼な!幻覚じゃないですよ!現に、ちゃんと触れてるじゃないですか」
高橋「それは、俺の、ご都合能力…?」
サン「そんなのあるかよ。ところで…ここは佐々木さんの部屋で間違いありませんか?」
高橋「いや、高橋だけど…」
サン「え。マジ?」
高橋「うん」
 サンタ、ポッケから紙を取り出し
サン「いやいやそんな、佐々木って確かここ…」
 間
サン「あ、違う。隣町じゃん…うっわ~~まじかあ…間違えたあ~…
   次のトナカイ来るまであと一時間あんじゃん…」
高橋「田舎のバスかよ」
サン「はあ、もういいや、やってらんねえ」
高橋「サンタさんがそんなこと言うなよ」
サン「高橋さんにこれあげますよ」
高橋「いいのかよ、佐々木さんのプレゼントじゃないの?」
サン「いいっすよ、予備ならあるんで。持ってきてんの全部隣町のだから一回家帰らないといけないし…」
高橋「ふーん…。クリスマスプレゼントなんて何年ぶりだ…?」
 (うきうきしながら開封)
高橋「……………」
(出てきたのは赤ちゃん用のおもちゃ)
高橋「どう考えても俺使わないじゃん!」
サン「いいじゃないですか、童心を思い出してください、それか子供にあげてください」
高橋「童心が過ぎるだろ!」
サン「えー高橋さん子供とかいないの?」
高橋「いないよ」
サン「彼女とかは?それか奥さん?」
高橋「それもいないよ」
サン「うわ寂し」
高橋「失礼だな」
サン「だって、世はメリークリスマスだってのに、一人でいつもと変わらず安いカップ酒あおってるなんて…寂しすぎますよ」
高橋「うるさいな。誰だって一人が寂しいとは限らないぞ」
サン「いや、めっちゃ寂しそうだったけど?」
高橋「う(図星)」
サン「”クリスマスは今年もやってこない”なんて歌うヤツどう考えても寂しいだろ」
高橋「…そんなに俺、寂しそうだった?」
サン「うん」
高橋「…」
高橋「そりゃ寂しいに決まってんじゃん~!!同僚だって、皆彼女や家族がと過ごすって言うしさ~~~俺一人だけだよ?クリスマスなのにいつもと変わんないカップ酒買ってるの。最近冷え込んで来たしさ~もう人肌が恋しい」
高橋「お前はいいよな、サンタクロースだし、誰かしら一緒に過ごす相手はいるんだろ?」
サン「残念ながらいないよ」
高橋「へえ!いないんだ!」(顔を輝かせる)
サン「僕がクリスマスに一緒に過ごす人なんて…トナカイぐらいだよ…」
高橋「あ……超寂し」
サン「あ!?言っとくがお前よりは寂しくないぞ!」
高橋「なんでだよ!」
サン「お前は寝るまでクリスマスは一人だ。誰とも会話をしない。だが僕は違う。プレゼントを届けに行ったとき、たまに子どもとばったり会うんだ。その時に、子どもがうれしそうに笑うんだ。そんな笑顔と過ごしているんだ!」
高橋「笑顔だなんてそんな曖昧なものは一緒に過ごすだなんて言わないね!俺はクリスマスチキンを食べながら親に電話をかけて、昔を懐かしんでいるよ!」
サン「電話の方が曖昧だね!声しか聞こえないじゃないか!声VS人の笑顔!人の笑顔の圧勝だ!」
高橋「~~~~~~てかサンタクロースにばったり会うってどういうことだよ!どこでばったり会うの?」
サン「子供部屋」
高橋「・・・・・どこから入るの?」
サン「窓」
高橋「不法侵入じゃん!サンタクロースって煙突から入るんじゃないの!?」
サン「煙突のある家なんて今ほぼ無いじゃん。窓の外からこうちょちょいのちょいって…、この家だって窓から入ってきたでしょ」
(ピッキングをするフリ)
高橋「犯罪じゃん!そして俺のサンタクロースの夢を壊された!」
サン「サンタクロースだから良いんです~!夢から目覚めて良かったじゃ~~ん!」
高橋「よくねえよ!子供にサンタに会ったって言われる親もびっくりだよ!」
サン「子供の夢だと思われるさ!」
サン「俺の夢を壊しておいてよくも…!!!」
高橋「…ハア。言い争うのはやめよう、結局どっちも寂しい。それでいいじゃないか」
サン「…それもそうだね」
高橋「そうだ、あと一時間暇なんだろ?こうやって本音をぶつけた仲だ。一緒に飲まないか?」
(高橋、冷蔵庫から酒を取り出す)
(サンタ、窓の方を見て何かに気づき、窓を開ける)
サン「あれ、メアリーさん!なんでこんなところに?え?プレゼント配りのさぼり?全く…メアリーさんらしいや」
高橋「サンタさん何がいい?あ、でもあれか、一応トナカイに乗るんだったら酒ダメか」
(高橋、サンタの方を見ずに聞くが、結局独り言になる)
SE;チャイムの音。母、上手側にカレーの入った鍋を持って登場
高橋「あれ、誰か来た」
サン「今日はこの後なんか予定とかあるの?…へえ、そう。無いんだ。意外だな~(嬉しいのをこらえた薄ら笑い)」
SE:連続ピンポン
高橋「はいはいはいはい…(ドアを開ける)って母さん!?」
母親「久しぶりタカシ~~!!メリークリスマス!!北海道から来ちゃった!これ、カレーのおすそわけ!」
高橋「北海道から!?流石に遠すぎんだろ!?しかも直で持ってくるかよ普通!!」
母親「だってタッパーに入れるのめんどくさかったんだもん♡」
高橋「ホントそういう所親譲り何だなって思うよ…」
 高橋家族の会話フェードアウト。話してるふり。
サン「実はさ、プレゼント届ける家間違えちゃって、次のトナカイ来るまであと一時間あるんだ。よかったら…乗せてくれないかな?」
サン「…(メアリーの反応を疑って)…いいの!?ありがとう。え?後ろの人?気にしなくていいよ赤の他人だし」(振り返る)
 母親、後ろのサンタを指さす
 高橋も同じタイミングで振り返る。
サン・高橋「誰だよその女!?」
サン「(心の声)なんだよあいつ~~~!彼女いないとか言ってたくせに…いや、待てよ、彼女はいないだけで、良い感じの女性がいない言って無いぞ…!んだよそれ…だまされたあああああ」
高橋「(心の声)なんだよサンタさん!クリスマス一緒に過ごす人なんていないって言ってたくせに…はっ、そうか…過ごす相手はいないだけで、一緒に過ごせそうな相手がいないとは言ってない…!?なんだよそれええええええ」
サン「(心の声)しかし…困ったもんだ…こいつにそんな良さげな仲の相手がいて、僕にはいない…!悔しい、悔しすぎる…!!」
高橋「(心の声)参ったな…サンタさんにも一緒に過ごす人がいるってのに
   俺にはいないなんて…悔しい!!そんなの嫌だ!」
サン・高橋「(心の声)こうなったら…」
サン・高橋「この人、僕(俺)の彼女なんだ!!」
母親「ええ!?何言ってんのよあんた!?」
メアリーも困惑(表現はご自由に)
高橋「な、なあ!?豊子ぉ!」
母親「ちょっと、あんた彼女いなさ過ぎて頭おかしくなったか!?」
高橋「愛してるよっっ!?」
母親「ヴオエエッ!!気持ち悪い!」
メアリーも激怒、サンタクロースに詰め寄る
サン「メアリーさん!違うんだ!…違わないけど!いや違うんだよ!…違うんだよ!!」
母親「…何に対して違うって言ってるのあの人?」
高橋「さ、さあ?」
サン「違わないってどういうこと?ってどういうこと!?何!?脈ありってこと!?
   違わないって違うって何!?結局違うの!?」
母親「何言ってるのあの人?日本語喋ってる?」
高橋「まあ、アイツ、サンタクロースだから…」
母親「は?」
サン「つまりこういうこと!?死とは救済だってこと!?」
母親「本当に彼女そんなこと言ってる!?」
高橋「まあ…多分帰国子女だから…」
母親「適当!!」
サン「違うの!?」
サン「じゃあ!つまり、パンはパンでも食べられないパンは腐ったパンじゃなくて、
   腐ったパンでも食べようと思ったら食べれるから、実際のところ食べられないパン
   は本人の好みや腐ったものに対する認識次第ってこと!?」
母親「何の話よ!?」
サン「…そういうことなんだ!!」
母親「合ってんのかい!」
サン「つまり…脈ありでは無いって…こと…?認識の違いってこと…?」
高橋・母親「え…?」
サン「…そ、そっか、ごめんね、変な気使わせちゃって、
   あ、なんだかんだトナカイ来るまで後5分ぐらいだった。
   やっぱ僕、トナカイ待ってるね。うん、じゃあね、メリークリスマス…」
 サンタ、うつむく。
サン「…う、うぅぅ…(泣き出す)」
高橋「サンタさん…」
サン「強気になって彼女とか言うんじゃなかったっっ!!」
サン「どっちにしたって僕は寂しい人間なんだっっっ!!」
高橋「サンタさん…」
サン「トナカイ来るまで、まだ55分34秒あるよおおおおおおおおおおおお!
   5分経っただけだよおおおおおおおおおお!」
母親「測ってたのね…」
高橋「サンタさん…この人、俺の母親なんだ」
サン「えっ…良い感じな人じゃなかったの?」
高橋「うん…いくら何でも母親を良い感じの人にするのは……ダメだ」
サン「そっか…そうか……僕たち、寂しいな…(泣き出す)」
高橋「寂しいな…寂しいな…っ(泣き出す)」
 二人とも向き合ってグスグス泣き出す。
 母親、カレー鍋を持ちながら二人の間に来る。
母親「カレー、食べる?」
高橋・サン「母さん!!」
母親「2日目のカレーだよ」
高橋・サン「母さあああああああああああああん!!!!」
 
 
 

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