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読書記録:恒川光太郎『竜が最後に帰る場所』

暑くなってきたのでホラー小説を読もうか。

今回は恒川光太郎『竜が最後に帰る場所』(講談社文庫)を手に取った。短編集だがひとつひとつ読みごたえがあり、幻想的な世界観に心が躍った。ホラーというよりはファンタジーの要素が強く、後からじんわりと恐怖がわく作品もあり、楽しい時間を過ごした。著者の本は初めて読んだが、日本ホラー小説大賞を受賞したことがあるとのこと。受賞作も読んでみたい。

本のタイトルに呼応する作品は別の題で収録されており、あらすじを紹介するだけでも作品の面白さを減らしてしまいそうなので詳しく語るのはやめておこう。

その作品を読んだあとにふと、最近完結した漫画を思い出した。田中空さんの『ドラゴンの子』。そのラストシーンは、この小説の遙か先を描いているように感じられた。アプリ「ジャンプ+」で連載されていたインディーズ作品で、無料で読めるので興味があれば是非に。田中空さんの作品はSFとファンタジーのごちゃ混ぜ感と疾走感が心地よく、次回作を心待ちにしている。

竜、ドラゴン。ヨーロッパのファンタジーには欠かせない存在だろう。大きなトカゲに翼がついていて、火や毒を吐く。東洋の龍はいかにも伝説の生き物というかんじがするのだけれど、ドラゴンは実際にどこかで生きていそうな気持ちにさせるのはどうしてだろう。

恐竜の時代に空を飛んでたらしい翼竜を思えば、ドラゴンが実在していてもそれほど驚かない。いや、コンドルやワシなどの大きな鳥は近しい存在なのかもしれない。小型のトンビすら頭上の高い空を回旋していると何となく恐ろしくて、自分が狙われているのではないかとソワソワしてしまうし、翼を広げたら3メートルにもなる巨大な鳥からドラゴンを想像するのは容易だろう。

でも、ドラゴンの翼はコウモリのような膜のタイプのイメージがある。実家の猫が捕獲してきたのを良く観察したことがあるが、コウモリって体のほうはフワフワで結構カワイイのだ。それはアブラコウモリという種類で、実家のような田舎だけでなく都会でも、夕方に羽虫を食べるのに翼を一生懸命動かして飛んでいるのを良く見る。

新婚旅行で行ったモルディブには、カラスより大きいサイズのコウモリがいて、やはり夕方になるとバッサバッサと飛んでいた。フルーツを食べるらしい彼らは人間には無関心なのだけれど、見慣れぬ黒くて大きな生き物に最初は驚いたし、何となく怖かった。超音波の操り手である彼らは同じ哺乳類でありながら私とはかけ離れていて、もしかするとこれからドラゴンに進化していく途中なのかもしれない、なんて思わせる。

いやはや、妄想が過ぎてきた。今回はこの辺で終わりにします。


《以下雑記》

急に夏のような気温になり、慌てて半袖のTシャツを洗濯して、へろへろになりながら何とか暮らしています。昨日、買い替えたエアコンの取り付け工事をしてもらって、リビングは快適空間になってくれることを期待。

型落ちの白くまくん氏

AIが私たちを観察して、なんかうまいことやってくれるらしい。内部の掃除はもちろんのこと、室外機まで自動で掃除してくれるのだという。家電の進化には毎回驚いてばかりです。ありがたや~。

でも使いこなせるかどうかは私たち次第。最近は説明書を良く読むようになりました。AIにアホな人間だと思われないように、宝の持ち腐れにならないように、エアコンの持っている機能をフル活用したいと思います。乗り切ろう、梅雨!乗り切ろう、猛暑!

今回も読んでいただきありがとうございました!

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