見出し画像

【参加者レポート】黒枝豆だけじゃない!社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」で感じた”京丹波町”の多様な魅力とは!?

2021年10月19日(火)~24日(日)にかけて、京都府京丹波町、積水ハウス株式会社、株式会社クラダシの3者で連携(※1)し、京丹波町にて黒枝豆の収穫支援を行う社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」(以下「クラチャレ」)を実施しました。

また、同年11月19日(金)にはクラダシのオフィスにて事後報告会を実施。
このnoteでは参加学生たちから体験した内容をレポートしてもらいます。

▼クラチャレについて詳しくはこちら

■レポートを書いたひと(クラチャレ参加学生)

中西由英
西元茉那
志尾陽章
岡島みのり
岡安麻友
山本夕鶴

■京都府京丹波町ってこんなところ!

人口約13,000人(2020年)で京都府のほぼ中央部に位置する、豊かな自然と清らかな水が流れる自然豊かな静かなところです。丹波栗や黒豆、松茸等、「丹波ブランド」と呼ばれる特産物が全国的にも有名です。

■活動内容・スケジュール

[1日目]圃場、工場見学
東京から3人、京都から3人が合流し、6人で京丹波町に向かいました。
まず最初に今回のクラダシチャレンジでお世話になる新田農園さんに挨拶・圃場(※)見学に行きました。新田農園は、京丹波町で「黒大豆枝豆」や「京の伝統野菜 堀川ごぼう」等を生産していらっしゃる農園で、その生産量は、京都府最大規模とも言われています。
※圃場:農作物を栽培するための場所

新田農園で選別の作業を見学した際に、食べられるにもかかわらず、黒い斑点が多すぎる、少し曲がっている等、規格外ということだけが理由で廃棄される黒枝豆の多さに驚きました。

しかし、新田農園では、生で流通できない見た目が悪い黒枝豆を、乾燥させて黒豆として流通させているそうです。乾燥させることが、ロス削減の糸口の1つになるのかもしれないと感じました。

[2日目]黒枝豆収穫
実際に作業が始まりました。黒枝豆の収穫は、枝切りから始まります。生え際から切り、刈り取るのですが、力やコツが必要で、メンバー内でスピードに差が出るほどでした。

画像1

刈り取りの次は脱さやの作業です。脱さやとは、枝から黒枝豆をちぎり取る作業のことで、思った以上に力が必要で、スーパーなどで当たり前のように目にする黒枝豆には、農家の方々の努力が詰まっているのだと改めて気づかされました。
刈り取りの作業が終わると最後に選別を行いました。茶シミや虫食い、豆の個数や形などで出荷可能か否かを選別します。規格外農作物のロスについて考えさせられ、自分自身の消費行動を振り返るきっかけとなりました。

[3日目]黒枝豆収穫・仕分け・袋詰め・意見交流会
2日目に手作業で行った脱さやを機械で行い、機械の効率の良さを痛感しました。農業従事者の減少とともに、各農家の規模拡大が進み、農家の人手不足や負担が懸念される今、機械やAIを農業にどのように活用するか真剣に考える必要性があると強く感じました。

画像2

また、社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」上で販売するための黒枝豆の袋詰めも行いました。実際スーパーなどに置かれるものは機械で袋詰めされるのですが、今回は私たちが手作業で詰め、メッセージも同封しました。

画像3

▼社会貢献型ショッピングサイト KURADASHI 

午後には、京丹波町役場の方との意見交換会がありました。
役場職員の方々が、町を思う熱い思いが伝わってきた意見交換会でした。住民の意見を尊重しながら、観光客増加のための施策を進める難しさを感じました。

画像4

[4日目]サイクリング・京丹波観光
電動自転車を借りての京丹波町観光。玉雲寺、琴滝、旧京丹波町立質美小学校、丹波ワイナリーなどに行きました。農作物だけでなく、観光地を通じて京丹波の魅力を感じることができました。

どこもゆっくりと時間が流れている気がして、都会にはない雰囲気でした。
また、自転車で観光地を廻ったことで、自然豊かな京丹波町の魅力が強く伝わってきました。

画像5

[5日目]収穫・グループディスカッション
作業も最終日。いままでやったことを振り返るような1日でした!
2日目にやった枝切りや選別は、農家の方々からアドバイスを頂いたこともあり、初日よりスピードと効率が上がったように感じました。

作業後には「京丹波町の課題と解決策」をテーマにグループディスカッションをしました。京丹波町で自分達がみたことや役場の方々の話を踏まえ、フードロスや人口減少に対する解決策を考え、「虹の町、京丹波」という素敵なキャッチフレーズができました。

画像6

[最終日]移動
新田農園でいただいた選別後流通しない黒枝豆を手に、1週間弱の余韻に浸りつつ、京丹波町での出会いに感謝しながら帰りました。

■クラチャレin京丹波町での学び

最初は農業体験としか思っていなかったクラダシチャレンジでしたが、とても暖かい最高の体験になりました。農作業、サイクリングなど色々な体験をしましたが、その中でも一番印象に残ったのは京丹波町の方々の優しさです。旅行等で地方を訪れたことはありましたが、ここまで人が優しい町は初めてでした。本当にあたたかい町で、京丹波町のファンになりました!
(一橋大学4年 中西由英)

農作業や地元の方との交流、グループワーク・意見交換会を通して、課題解決はすぐに出来るものでは無かったり、現実的に可能なのかも分からないと感じる部分があり、もどかしさを感じました。クラチャレを終えた今、「私が手に取る・口にする食べ物は、どこから来たのか(農家さん・地域)に興味関心を持つことは今日から出来る」というのが私が出した自分なりの答えです。行動に移さなければ何も始まらないけれど、京丹波町のみならず、その食べ物のルーツに想いを寄せることも大事な一歩だと思います。
(神戸大学大学院1年 西元茉那)

農作業​、観光、意見交換会などを通して、京丹波町が大好きになりました!
その理由として、役場の方々の影響もあり、自分に何ができるのかを真剣に考え、当事者意識を持てたことが大きかったと思います。このような、京丹波町が好きという人をどれだけ増やせるかは、京丹波創生においてとても重要なことだと思います。なので次は自分が京丹波町の良さを発信していき、京丹波町が好きな人を増やしていき、少しでも恩返しができたらなと思いました。
(京都産業大学2年 志尾陽章)

フードロス問題についても、改めて考えるきっかけになりましたが、それ以上に京丹波町自体の魅力を全身で体感できたように思います。豊かな自然を楽しめるサイクリング、美味しい食べ物、そして何より京丹波町の人たちがとっても温かかったのが心に残りました。
役場の方が「京丹波町のことを忘れないで」と言っていましたが、こんな素敵な町を忘れられる訳が無いです。必ずまた京丹波町に遊びに行きます。(東京都立大学3年 岡島みのり)

農作業はおそらく小学生以来で非常に楽しく、かつ貴重な経験ができたと感じます!
収穫作業や新田農園さんとのお話しを通して、農家として生計を立てることの楽しさや難しさを感じました。
また観光では大好きな自然を五感で味わって、サイクリングで爽快な1日を過ごせました。来たら絶対、みんな好きになる町だと思います。
クラダシチャレンジで京丹波町に来られて良かったです!!
(中央大学3年 岡安麻友)

「フードロスを減らしたい」と応募したクラダシチャレンジだったけど、終わった時には京丹波町も、黒枝豆も、一緒に行った6人のことも現地でお世話になった方々も大好きになっていました。実際の収穫を通して、手作業の大変さや選別で廃棄される量の多さ(黒豆になるけど)も知り、交流会では町の課題や解決策について意見交換し、役場の方々が考え、努力しているにも関わらず町の外から来る人と住んでいる人の意見のバランスが取れず上手くいっていないことも知ることができました。
1週間足らずの滞在で、京丹波町の食、虹、自然、人の温かみを知ることができて、また行きたいと思います。また、実際規格外といわれているものを食べ比べても遜色ないことが分かったので、今度からはB品やキズもの、地域の人が作ったものを買う事で地域創生に取り組み、フードロスを減らしていきたいです。
(大手前大学1年 山本夕鶴)

■私たちが考える京丹波町の課題

【少子高齢化が深刻化していること】

京丹波町の方々とお話しする中で、最も課題だと感じられていたのが少子高齢化でした。
人口はここ20年間で4000人以上(全人口の20%)減少し、現状65歳以上が約40%を占めている一方、15歳未満は10%にも満たないそうです。それ以外に昨年の移住者が2人など、かなり深刻な状況だと感じました。

町の人を見ていても、6日間で数人しか子どもが歩いているのを見なかった、農家の方々もほとんどが高齢など、かなり少子高齢化が進んでいるという印象を受けました。

少子高齢化によって人口が減ると以下のような問題が発生します。
・町の存続が危うくなる
・農業の継続が難しくなる
 └耕作放棄地の増加
 └町の魅力である食の力が失われる可能性がある
・町の経済活動が停滞する

画像7

■私たちが提案する解決策

この少子高齢化に立ち向かうために考えたのは、魅力を絞ることでPR力を増進させることです。京丹波町は、町民に対する企業の支援制度や妊娠者・子育てに対する支援など、様々な制度が充実しています。そのため、京丹波町、そして京丹波町の様々な魅力的な制度を知ってもらえれば、京丹波町に移住したいと感じる人が増え、少子高齢化が改善されるのではないかと考えました。

そこで、まずは観光から人を増やすというのが私たちが提案する解決策です。関西圏在住の「コロナ禍で遠出はしたくないが気軽に自然を楽しみたい」という日帰り観光客をターゲットに京丹波町の関係人口を増やすことを考えました。

関係人口を増やすための施策として以下の2つの施策を考えました。
「虹の町、京丹波」というキャッチフレーズを打ち出す
 →京丹波町は高確率で虹を見ることができるのが魅力
⒉ 若い世代に届きやすいよう、SNSにてキャッチフレーズと共に、
①京丹波の自然(虹や紅葉)②食(黒豆、松茸、ジビエ)の情報を拡散。
 →美味しいものといえば京丹波という認識を作る

比較的若い世代を中心に「自然が素敵で食べ物が美味しい所といえば京丹波町」という認識を作り、関西近郊に住む日帰り観光客を呼び込む事で、関係人口の増加を図ります。

■感想

3日間農作業をしていて、感じたことの一つが「農業ってほんとに大変だ!」っていうことです。特に収穫期はその期間に収穫しきらないといけないため、雨が降っても風が吹いても、どんな悪天候でも作業を続けるというのが衝撃的でした(僕らは雨が振った時にすぐにテントで雨宿りしていたので農家失格かも…笑)
ただ、大変な一方で「育てたものを食べられるって楽しい」っていうことも大きな気づきでした!まさか自分で取った黒枝豆がここまで美味しいとは思ってもいませんでした。作業が終わった時の達成感、農作業後の黒枝豆、最高でした!
また、京丹波町は自分たちが思っているよりもはるかに、たくさんの施策を打ち出していて、驚きました。
訪れたらきっと大好きになる町なので、より多くの人に知ってもらい、京丹波町のファンになってもらいたいと強く思います!

ーーーーーー

いかがでしたでしょうか。
クラダシでは社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」を2019年から開始し、2021年までにのべ7自治体で計11回開催しています。今後も地域の魅力発信や地域活性、学生に経験を通して学びの場を提供することを目的に、活動の幅を広げていきます。
過去のクラチャレ活動レポートは以下サイトよりご覧いただけます。

※1 京丹波町、積水ハウス、クラダシの3者連携について
京丹波町と積水ハウス、クラダシの3者は2021年10月8日に「京丹波町における食品ロス削減及び特産品のPRに向けた連携協定」を締結し、取り組みの第1弾としてこの度のクラチャレを実施しました。

▼京丹波町×積水ハウス×クラダシの連携協定について


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?