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文學界が電子書籍配信を始めたので一人歓喜している

朗報が舞い込んだ。

文學界が電子書籍配信を始めた。
このニュースが私の許へ飛び込んでくるまで、少々タイムラグがあったため
ほぼ1か月遅れのうれしい知らせだった。
おかげでご機嫌に過ごしている。

 
 みて。これだよ。

私は海外在住の為、なかなか紙の本を手に入れられない。
海外にいて日常生活に不便は感じないし、
 むしろ日本にいた頃より快適な暮らしをしている。
 しかし、本に関しては悩まされた。

 子どもの頃から本が大好き。本はともだち。
 週1で本屋に通って常に読書をしている人間だった。
 通勤電車ではスマホより読書派。
 家にいても暇があれば本を読んでいた。
 本は私の日常の一部であり、そこにあるのが当たり前の存在だった。
 なのに、海外に来てしまったもんだから
 読みたい作家さんの本を簡単に手に入れる事が途端に難しくなった。
 これは死活問題だ。

 周囲からは「電子書籍があるじゃないか」と指摘を食らっていたが
 私は紙の本が好きなのだ。
 これは読書家あるあるだと思う。紙の質感を指先で感じたい。
 ページを1枚1枚めくって読み進めていきたいんだ。
 そうはいっても、読書欲にあらがう事ができるはずない。
 私は葛藤を抱えながらも海外移住にともない、
 敬遠していた電子書籍派の仲間入りを果たした。

 かれこれ海外生活も3年目に入り
 電子書籍ともかなり仲良くなってきた。
 読みたい本はほぼ電子書籍化されているし、通常不便は感じない。
 紙をめくりたいな。と思う事はあっても。
 
 しかし、私のストレスになる問題は残されていた。
 それは「文芸誌、紙でしか出版されない件」である。

 皆さんは文芸誌を読まれるだろうか?
 「分厚くて難しそう……」という印象を持っている人も多いだろう。
 
 文芸誌は月刊や季刊で、小説や読み物を掲載している雑誌。
 有名なのは「五大文芸誌」
(「文學界」「新潮」「群像」「すばる」「文藝」)
 今月はどの文芸誌を買おうかな♪と悩むのも読書家あるある。
 私は純文学も好きなので、日本にいた頃は
 気になる特集が組まれると時々購入していた。
 
 
そう。本題に戻ろう。
文芸誌たちよ、出版のいろいろや大人の事情が絡んでいると思われるが
電子書籍にならないのだ。
エンタメ系の文芸誌もそう。
電子書籍化されているものは非常に少ない。
 
なので、私には選択肢が非常に限られる。
 
すでに電子書籍化されている「文藝」と
「紙魚の手帖」(ミステリーの文芸誌)を読んでいるが
 これらは季刊であったり隔月での刊行になる。
 ……物足りないのだ。

 私は悩みたいんだ。
 今月はどの文芸誌を買うかを。
 特集を見比べてワクワクしたいんだ。
 そんなモヤモヤを抱えて今まできたのだ。

 そこへ、「文學界」の電子書籍配信のお知らせ

 素直に、めちゃくちゃ嬉しかった。
 文學界が読めなくて歯がゆい思いをした事が何度もあった。
 もうあんな悲しい想いをしなくていいんだと心が軽い。

 文學界の電子書籍配信が開始されたのは
 背景に芥川賞受賞作品「ハンチバック」著者
 市川沙央さんが提言された「読書バリアフリー」があると思う。

 より多くの人が
 より多くの作品に出会う機会を増やすべきだし

 いろいろ大変なことはあるのだろうけど
 ほかの文学誌も電子書籍配信が始まればいいのになと
 願っている。
 

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