海月くれあ

読書大好きで書くのも大好き。創作意欲の波は激しい小説家。占い師としての活動もしています…

海月くれあ

読書大好きで書くのも大好き。創作意欲の波は激しい小説家。占い師としての活動もしています。海外在住(暑い国でのんびり暮らしています)小説、ショートショート、エッセイ書くよ。賞を取るのが目標。創作活動を共に頑張るお仲間さん、趣味にされているお仲間さんができるとうれしいです。

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    エッセイの記事だけをまとめています

  • 大掃除の神様

    大掃除の神様

最近の記事

【ショートショート】フランス人形の苦悩

「はーい、お茶会が始まりましたよ」 「いただきますわ」 「今日のお紅茶は野イチゴの香りがします」 「とってもおいしいですわね」 「レナちゃーん。」 「あ!ママが呼んでる。みんなちょっと待っててね」 はーーーい!ママ~なーーに?」 ・・・・・・・。 ガキとあそぶの疲れた。 なにがお茶会よ。 昨日は服を全部はがれて レナのばーさんが手縫いしただっさい服を とっかえひっかえ。 さんざん着せかえ遊びに付き合わされたんだから。 屈辱でしかなかったわよ。 このわたくしがガキ相手

    • 文學界が電子書籍配信を始めたので一人歓喜している

      朗報が舞い込んだ。 文學界が電子書籍配信を始めた。 このニュースが私の許へ飛び込んでくるまで、少々タイムラグがあったため ほぼ1か月遅れのうれしい知らせだった。 おかげでご機嫌に過ごしている。    みて。これだよ。 私は海外在住の為、なかなか紙の本を手に入れられない。 海外にいて日常生活に不便は感じないし、  むしろ日本にいた頃より快適な暮らしをしている。  しかし、本に関しては悩まされた。  子どもの頃から本が大好き。本はともだち。  週1で本屋に通って常に読書を

      • 【ショートショート】四次元ハンドバッグ

        女はいつも赤い合皮のハンドバッグを持っていた。 大きすぎず、小さすぎず 扱いやすいサイズ。 流行り廃りのない永遠に愛される 普遍的なデザイン。 口金はゴールドで、 彼女がハンドバッグを開け閉めするたびに 「パチン」と子気味のいい音を立てた。 女はとにかく準備がいい。 なんでもハンドバッグから出してくる。 ランチタイムに同僚が 「あ、コンビニの店員さんお箸入れ忘れてる。困ったな~」とぼやけば、 ハンドバッグから割り箸を取り出し にこりと微笑み「コレ使って。」 友人が「慣れ

        • 【エッセイ】ウィッカという生き方

          「魔女になりたい」  子どものころ、魔女に憧れていた。  ビビりなくせに、オカルトやゴシックホラーの本や映画が好きだった。  思春期になると周りの目を異常に気にするようになった。  好きなものを「好き」と公言する事に恐怖を感じ始め、友達の影響で興味の対象が変わった。  自分が見えない世界や占い、オカルトに興味があり  そういうものを信じている事は心の奥深くに鍵をかけて沈めた。  気づけば人から認められる事、社会通念に沿った生き方をしていれば安心で幸せだと  そのレール

        【ショートショート】フランス人形の苦悩

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        記事

          【エッセイ】占いは怪しくない話

           私は占い師としても活動している。    人に「占い師です。」と言うと、  面白がられるか  引かれるか。  たいていこの二択の反応をされる。  どちらかというと後者の反応が多い。  あからさまに嫌悪感を出してくる人だっている。    世間的には「占いは怪しい、胡散臭い」というイメージが  根強く印象付けられているのだ。  おそらく一般的に 「占い」とは「占い師が特殊な力をつかって未来を預言する事」だと  思われている。  非科学的なよく分からない力を使って未来の事を語

          【エッセイ】占いは怪しくない話

          【エッセイ】人生の呪いを解いた話

          「自分の事は二の次でいい」 「人に迷惑をかけるな」 「常識外れな事をするな」    これらは私が子どもの頃からずっと周囲に言われ続けた呪いの言葉だ。  昔は呪いだなんて思わなかったし、  世の中はそういうものなのだと信じて疑わなかった。    自分よりも他人を優先し、  人に迷惑をかけずごくごく普通の人生を送る。    それがこの世界を生きるノウハウだ、そう教わってきた。  私自身も、人並みな人生のレールに乗る事を望んでいた気もする。  普通の人生を生きていれば人から認めら

          【エッセイ】人生の呪いを解いた話

          【エッセイ】コラージュ熱が再来している話

          「紙モノ」と聞いてテンションが爆上がりする方はどれくらいいるだろう? 私は、紙モノに目がない。 学生の頃から毎年手帳を愛用していて、手帳におしゃれな紙を貼ったり シールやマスキングテープでデコったりする事が大好きだ。 お世辞にも上手なデコレーションとは言えないが、 手帳は誰かに見せるものではない。 自分が見て癒され、自分だけが愛でるものだ。 私が満足できていればそれでいいというスタンスで手帳デコを続けている。 しかし手帳デコに飽きてきた時期もあった。 手帳と距離を置きたい

          【エッセイ】コラージュ熱が再来している話

          【エッセイ】会社の人間関係によりメンタルが壊れかけたのでカウンセリングを受けた話(2)

          前回のお話し  メンタルクリニックの受診を考え、通えそうなクリニックを探した。  しかし私は海外在住。  この国の心療内科の評判は正直あまりよくない。  調べていると、知人が以前メンタルクリニックの事について  ツイートしていた。  彼女に連絡し、この先生を紹介してくれないか?と尋ねた。  快諾してくれたので先生の連絡先を教えてもらった。  しかし、私は先生に連絡ができなかったのだ。   「メンタルクリニックを受診する」という事が自分の中で  勇気のいる事だった。  早

          【エッセイ】会社の人間関係によりメンタルが壊れかけたのでカウンセリングを受けた話(2)

          【エッセイ】会社の人間関係によりメンタルが壊れかけたのでカウンセリングを受けた話(1)

           まさか自分が心の専門家のお世話になるなんて、予想していなかった。  これまで3×年間生きてきて、メンタルが崩壊し心が粉々になってもおかしくない経験は  複数してきた。具体的になにがあったのかについて今回は書かないけれど。  そのたびに自分の内面と折り合いをつけ、乗り越えてきた。  だから、私の心は「つらい」「死にたい」と思ってもなんとか自力で立ち直る強い再生力があるのだと自負していたのだ。  もちろん簡単に乗り越えられたわけではない。  一人で苦しみ、悩み、自分を刃物で切

          【エッセイ】会社の人間関係によりメンタルが壊れかけたのでカウンセリングを受けた話(1)

          【エッセイ】早起き超苦手な私がモーニングページのために朝活を続けている話

           みなさんは、『モーニングページ』をご存じだろうか?  私が初めてモーニングページという言葉を聞いたのは、  手帳術を発信している方のYoutube動画だった。  その方は何冊も手帳を用途別に使い分けておられ、その中の一冊を  「モーニングページ」専用の手帳とされていた。    そもそもモーニングページとはいったい何なのか?    かなりざっくり説明すると、  『朝起床してすぐA4ノートに思った事、感じた事を  心のままとにかく3ページ書く行為』らしい。    手帳術のユー

          【エッセイ】早起き超苦手な私がモーニングページのために朝活を続けている話

          大掃除の神様(8)

          前回のお話し 「落ち着かなければ。」思いっきり深呼吸をする。  12月の冷たい空気が鼻の奥をツンとさせた。  心臓はまだドキドキ波打っているが、頭は冷静だ。  「寒い……。」このままでは風邪をひいてしまう。  この後はおおみそかにお正月という楽しいイベントも控えている。  せっかくの冬休みに寝込んでいたなんて笑いものだ。  ハナは慌てて家の中に入った。  身体は芯まで冷えてしまったが心はポカポカと  熱を帯びている。  顔が自然とにやけてしまう。  玄関には、おばあちゃ

          大掃除の神様(8)

          【エッセイ】私がnoteでエッセイを書きたくても書けなかった話

           エッセイをnoteで書こう、書こうと思いながらずっと筆が進まなかった。  いつも頭の中では「これエッセイのネタで書きたいな。」 「これみんなに共有したいな。」と  沢山アイデアは沸いていた。現在進行形で沸いている。  私は基本的にいつも何かを思考しており、自分の感じた事や意見を誰かと        共有したいという思いも抱えている。  誰か、私の文章を読んでくれる人に伝えたいと思うことは  無数にあるのだ。  しかし、「書きたい」「伝えたい」という熱い想いがあるにも関わ

          【エッセイ】私がnoteでエッセイを書きたくても書けなかった話

          大掃除の神様(7)

          ハナは堀君が自分の誘いに同意してくれた事に感激する一方で  なぜ堀君を呼び止めたのか後悔もしている。  顔の火照りは収まるどころかますます紅潮してきた。    もうとっくに日は暮れていて、空には星が点々と輝きを見せている。  12月の肌寒い空気が肌の表面をなでてくる。  寒さのおかげで冷静さを保てていられるような気がしてきた。  「佐倉、開けてみて。」  「うん、ちょっと待ってね。」  堀君がプレゼントボックスを持ち、ハナが開封することになった。  こんなに至近距離で堀君と

          大掃除の神様(7)

          大掃除の神様(6)

          「佐倉に渡したい物があって来たんだ。」 ハナの心臓はなかなか静かになってくれない。 堀君に何か返事をしなければ、と頭では理解しているのだ。でもうまく言葉が口から出てこずハナはただ堀君を見つめて頷いた。 堀君は背負っていた黒のバックパックを下ろし 中をゴソゴソ探っている。 「あいつらがさ、佐倉もクリスマス会来たがってたって言っててさ。はい。手出して」 あいつらとは、ユイカとサキの事だろう。 堀君の前であの2人が自分の話をしたのかと思うと恥ずかしい。 恐る恐るハナは両手を

          大掃除の神様(6)

          大掃除の神様(5)

          帰宅すると、ハナはぼんやりとしたまま ソファに寝転がった。 おばあちゃんは一息つく間もなく、台所に立ち 夕飯の支度を始めた。本当に唐揚げにしたみたいだ。 今日、何度クリスマスパーティーのことは忘れよう。 堀君のことを考えるのはやめよう、と思っただろうか。 しかしハナの思いとは裏腹に、考えまいとすればする程 堀君のことで頭と心が一杯になり押し潰されそうになるのだ。 このままでは何か自分の奥深くから溢れ出る モヤモヤしたものにハナは丸ごと飲み込まれてしまいそうな気持ちになった。

          大掃除の神様(5)

          大掃除の神様(4)

          粉雪がちらつく中、ハナとおばあちゃんは来た道を引き返す。買い物袋は重たいけれど、予定していた用事は全て終わりおばあちゃんはどことなくスッキリした表情をしている。ハナもほっとした。 今日一日、ハナとしてはよく働いたと思う。 少しおばあちゃんに愚痴の一つぐらい言ってもいいんじゃないかという気もしてきた。 「おばあちゃん、毎年クリスマスにお正月の用意終わらせるって気が早いよ。まだ1週間あるんだし。クリスマスを楽しんで、明日から大晦日までの間に今日やった掃除や買い物を終わらせればい

          大掃除の神様(4)