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「billboardを呼んできたサラリーマン 電鉄会社の傭兵たちが作った夢の棲家」北口正人(著)ダイヤモンド社


はじめて行ったビルボード・ライヴ

私がはじめてビルボード・ライヴ大阪に行ったのは、その前身となるブルーノート大阪時代からで、確か2002年の大晦日のカウントダウン・ライヴだったと記憶しています。場所は今あるハービスエントではなく2号線沿いにあったビルの一角で、当時片想いしていたMさんと一緒にファンク・バンドZAPPのカウントダウン・ライヴだったと記憶しています。

Funk Band ZAPP

ROGER TROUTMAN

長年ZAPPを率いたリーダーにしてTALK BOXの創始者であるROGERは1999年に悲劇的な最期でこの世から去ってしまい、私が観たライヴでは、亡きROGERの甥っ子となるRUFUSが指揮をとっていました。

RUFUS TROUTMAN

Mさんからの誘いだったのでメチャ嬉しかったものの内心は「ZAPPかあ……、ROGERも亡くなってしまっているし、正直大丈夫かなあ」なんて思いながらも、彼等のパフォーマンスが始まるとその不安は何処やら!!!

いきなり「Be Alright」を演奏しながらメンバーが登場したのです!この曲はROGERと同じく射殺されてしまった伝説のHIPHOPアーティスト2PAC「Keep Ya Head Up」や現在はR&Bデュオとなったヒューストン出身のH-TOWN「Knockin' Da Roots」でサンプリングされた事により、90年代以降のHIPHOPやR&B好きにも知られるようになった一曲で、私もこれらの曲を通してZAPPの原曲を知っていました。なのでいきなり登場と同時に心をつかまれてしまったのでした!

そしてZAPPやROGERの名曲が次から次に演奏され、会場はまさに大型のディスコのように揺れ動き、ZAPPのメンバーとオーディエンスが一体化したとても楽しい空間になったのでした。そして極めつけはZAPPと一緒に出演していた女性ボーカリストSHIRLEY MURDOCKの超絶ヴォイス!

SHIRLEY MURDOCK

そのド迫力の歌声は私がそれまでに聴いた事がないのようなパワフルで重量感あるもので、思わず声の迫力にノックアウトされそうになったのでした。いやあ、本当に凄かったなあ!楽しかったなあ!もうふた昔も前の事ですが、まるで昨日の事みたいですね。

BABY FACE

2号線沿いのブルーノートは、ZAPPの思い出が印象的ですが、ハービスエントに移動しリニューアルした時にオープニング記念として男性R&B歌手BABY FACEがパフォーマンスしたのも忘れられない思い出があって、BABY FACEがステージから登場する際に彼と握手したのが、今でもとても印象に残ってます。

BABY FACE

その後まもなくしてブルーノート大阪はビルボード・ライヴ大阪となり、また色々と………と、思い出話がいくらでも出てて、とりとめがなくなりそうなので、そろそろ本題へいきましょう(笑)

阪神電鉄とビルボード・ライヴ

ビルボード・ライヴて、実は阪神電鉄が経営しているのは皆さんご存知ですか?恥ずかしながら、私はこれまでに30回ぐらいはビルボード・ライヴに足を運んでいるにも拘わらず本書を読むまで本当に知りませんでした。

北口正人氏

北口正人氏

著者の北口氏は、阪神電鉄に入社後に、今は無き西宮市にあった遊園地「阪神パーク」に配属さるも、新規事業だった本場ニューヨークのジャズ・クラブであるブルーノートを日本で立ち上げる際のプロジェクトに加わり、阪神パークから異動となります。そこから北口氏の人生が大きく変化する事となり、立ち上げ時から本書が出版された2019年までの北口氏の人生綴った内容ですが、これが実に興味深くて、音楽業界の端くれにいる私にも思わず頷いてしまう内容なのです。

阪神パーク

ビジョン達成のためのチームワーク力

アーティストとの交渉やブッキング、そしてアーティスト来日後の様子など、間近で携わってきたものにしか味わえないエピソードや、また如何に収益にもたらす経営を見据えて行わないといけないか、5年後10年後を考えるにあたりビルボード・ライヴを如何に展開していくかなど、北口氏の仕事にかける熱き想いと、北口氏を支える先輩や後輩、ビルボードライヴのスタッフ達のチームワークの良さを伺える一冊となっています。

今後なお一層の期待

昨今のコロナ禍により、海外からのアーティスト来日が儘ならずでビルボード・ライヴも、なんとか国内アーティストのみとならざるを得ない状況ですが、コロナ禍終息後には、沢山観たい海外アーティストがいるので、ビルボード・ライヴの更なる活躍に心から期待しています。

と、最後までお読み頂き誠にありがとうございました。


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